繁栄をよそに繰り返される政治的衝突の中で、立場の違いから、本人の意思にかかわりなく、不幸にも、挫折する姿を描き、日本と若者にとっての幸福とは何かを考える。◆明治百年にあたる昭和４３年、誰もが豊かさを謳歌する昭和元禄の日々。デモで重傷を負って運動機能を失った学生が、その責任は機動隊にあるとして告訴した。無骨な警察官・野上とその学生がデモの中でもみあっている写真が新聞に掲載される。

黄色い公害、つまり列車トイレの垂れ流しによる害が問題になっている。沿線住民の声や専門家による飛散汚染実験のデータなどをおりまぜながら、この黄色い公害の実情をルポする。

１９６８年（昭和４３）９月２日、札幌円山陸上競技場で行われた「北海道百年記念祝典」の模様を伝えた生放送番組。若者たちによる道内２１６の市町村旗と道旗の入場行進の後、天皇皇后を迎えて、町村金五北海道知事の式辞、佐藤栄作首相の祝辞、若者代表の青年の誓いなどが続く。◆この式典は、ＮＨＫ、北海道放送、札幌テレビの３社が同一の素材（記念祝典）をカラーで同時に全国中継したもので、“本格的カラーテレビ時代”を迎えた各社が、それぞれのカラー放送技術の力量を全国に披露するという“勝負どころ”ともなった。北海道放送は、午後２時から祝典「北海道二世紀への鼓動」を５社ネットの全国中継で放送した。

日本民族が古代から受け継いできた音楽と死生観を対比させ、作曲家の黛敏郎氏が実証的に展開する音楽論。第一部「現代の混乱について」、第二部「自然と人間について」、第三部「生と死―特に死―について」、第四部「生の復活について」。

徳川の世、外部からうかがい知ることのできなかった江戸城の「大奥」を描く。関西テレビ放送開局１０周年記念番組。（１９６８年４月６日〜１９６９年３月２９日放送）◆第一回「家光の見染めた娘」。三代将軍家光（中山仁）の時代、大奥は春日局（三益愛子）が総取締まりの任にあたっていた。彼女の権力は絶大であったが、お万の方（桜町弘子）の出現で、大奥の力の均衡は大きく揺れ動く。あせった春日局はある日、元武家の娘お楽（橘ますみ）を大奥に召し出し、将軍の相手をさせようと策を練る。

近代日本の形成に大きな足跡を残した人物や事件が現代にどのような影響を与えたかを、発掘した貴重なフィルムや関係者の話から、今日の時点で検証するシリーズ。（全１３回）◆１９３１年（昭和６）の満州事変を機に急速に軍国主義化していった日本が、その後、国際連盟脱退、日独伊三国同盟締結、日米交渉など一連の政策を経て、太平洋戦争の発端となった真珠湾攻撃に追いつめられていったいきさつを、外交的な動きを中心に解説。あわせて理想的な国際外交のあり方について考える。

１９５７年開始の「日本の素顔」と１９６２年開始の「現代の記録」を統合して始まったドキュメンタリー番組。社会で起きている出来事を取材し、問題提起した。（１９６４年４月１２日～１９７１年４月２日）◆高速で運行される東海道新幹線こだま号の運転台、それを管理する総合司令室。“フェイル・セーフ”と呼ばれるコンピュータ制御された安全装置のもとで働く運転士の姿を、蒸気機関車の機関士の仕事と対比させながら描き、労働の質の変化・安全思想の変貌を探る。

昭和４３年６月、広島東警察署で原爆による死亡者の検死調書が見つかり、公開された。ある女性は、原爆で夫と２人の娘を失い、当時４歳だった一人息子は行方不明となったが、２３年ぶりに見つかったこの検死調書に名前がのっていた。しかし、わずか１行の文字で、捜し続けていた息子が死んでいたと納得することができず、被爆当時東警察署に勤めていた検死官を訪ねることにした。