江戸一番の御用聞き“黒門町の伝七”が陽心流の十手さばきと鎖術で、次から次へと悪をこらしめる痛快時代劇。事件解決後、手の指２本で行う手締めや、伝七親分の「めでてぇな」の掛け声が話題に。原作：陣出達朗（１９７３年１０月２日〜１９７７年１０月１１日放送）◆江戸の町に「背中の彫り物を見せてくれ」という妙な幽霊が出没し、町方も探索に乗り出した。伝七（中村梅之助）の調べでは、幽霊に狙われたのは全て背中に彫り物がある男で、しかも５年前に死んだ小吉が彫った男ばかり。そこで、伝七は小吉の一人娘・お久（鮎川いづみ）にあたった。勘太（高橋長英）や文治（今村民路）の聞き込みでは、近所の評判がよいお久だが…。　

１９７３年（昭４８）２月、大分県生まれの３０代の男性が、中国から、妻と８人の子供を連れて３３年ぶりに帰国した。彼は満蒙開拓団の遺児、現在でいう中国残留孤児である。妻は、中国人の養親から日本人であることと、日本名を教えられている他は、自分について何一つ知らない。このため、入国に当たって１年間の滞在制限を受けていた。

岩手県平泉町に伝わる民俗芸能を通して、藤原氏三代が遺した文化とそれらを継承する地元の人々との関わりを、四季の移り変わりとともに紹介する。毎年５月の初め、中尊寺と毛越寺で行われる「藤原まつり」には、多くの観光客が訪れる。呼び物のひとつである能『秀衡』は、中尊寺参内の能楽堂でしか演じられない。加えて、地唄いを地元町民が、舞いと囃子を中尊寺の僧が受け持つという、独特の上演形態を持っている。

語り手自らが名作文学ゆかりの地を訪ね、風景やそこに暮らす人々に直接ふれることで、その作品世界を再認識してもらおうという文学紀行番組。第１集～４集まで制作・放送された。（第１集／１９７３年１月１１日～４月５日放送、全１３回）◆今回は、堀辰雄の代表作である中編小説「風立ちぬ」（１９３６～１９３７年発表）を取り上げる。女優の左時枝が物語の舞台となった軽井沢・富士見を訪れ、病の婚約者と最期まで過ごした堀辰雄の５か月間に迫る。当時のふたりを知る軽井沢・旅館の主人や、富士見高原療養所の看護婦長などへのインタビュー、八ケ岳山麗、旧軽井沢「幸福の谷」の訪問を経て、小説のみならず堀辰雄という人間への理解も深めていく。

ある山村の農家に預けられた耳の聞こえない少年・英（ヒデ／松田剣、山崎良一、池田秀一）と、この家の６歳年上の娘ルリ（天田聖名子、真野響子）の間にかよう１５年間にわたる愛情をとおし、人間の出会いとは、愛とは、言葉とは何かを問いかけるドラマ。脚本：水木洋子。◆英題「ＥＮＣＯＵＮＴＥＲ」、英語字幕版。

１９７２年（昭４７）６月１４日夜、東京発ロンドン行きの日本航空４７１便がニューデリー空港手前で墜落、８６人が死亡した。番組では、４７１便が地上管制塔との交信を断ってから墜落するまでの１１０秒間を、独自の立場で推理したＮＨＫ取材班の謎解きを紹介する。

中国山地の小さな集落に突如、大レジャーセンター建設構想がもちあがり、商事会社が中心になって土地買収が進められた。町長もこの構想に大賛成。各戸に同意書を配り、捺印を勧めた。住民は賛成派、反対派の二つに分かれ、村八分問題もおきた。連綿と続いた地区の連帯感は、レジャー構想の前に簡単にくずれてしまった。

青春ものをテーマにアクションをプラスし、娯楽作品とした刑事ドラマ。（１９７２年７月２１日〜１９８６年１１月１４日放送、全７１８回）◆第５２回「１３日金曜日マカロニ死す」。長髪にパンタロンスーツという格好で現われ、ウエスタンを気取っているということからマカロニとあだ名をつけられた早見淳刑事（萩原健一）の殉職を描く。◆拳銃を欲しがっていた男たちが寿司屋にいるとタレコミ屋・徳岡から情報を得た石塚刑事とマカロニが出動。石塚が撃たれ重傷を負う。仲間が撃たれたマカロニは犯人捜しにやっきとなり徳岡に誘い出される。激しい銃撃戦の末、山村刑事らの応援で事件は無事解決した。そして思いがけない死がマカロニに忍びよる。