シルクロードの終着点としての奈良を描くドキュメンタリー。放送開始５０周年記念番組。◆古代の東洋と西洋を結ぶ道であるシルクロードの終着駅と呼ばれる正倉院。シルクロードを交流した美術工芸品とともに、かつて隊商都市として栄えたアフガニスタンのヘラート、ソビエトのブハラ、シリアのパルミュラ、そして古都奈良の姿を紹介していく。

世界三大叙事詩と云われているアイヌのユーカラ。これを釧路地方のアイヌはサコロベと言う。今、このサコロベを語れる人は１人しかいない。阿寒郡鶴居村に独り住む八重九郎老人である。２０年前に妻を亡くした後は長男の世話にならず、馬３頭、１匹の犬とで暮らしている。先祖から伝わる神様を守るにはこうするより仕方がないのだと言う。彼は金儲けのための神事は悪と信じ、独りアイヌの伝統神事を守りぬいている。その八重九郎老人がアイヌ神事の仕来りや、神に対する考え方、熊まつりの精神などを説く。一方、北海道ウタリ協会顧問の山本多助老人は、神事は観光と割切っている。各地から集まるアイヌ民族の親睦が目的だとの考えもある。八重九郎老人は、他はどうであれ自分の信念を通し、カムイノミを行い授かりの熊を求めて山へ向かう。◆放送番組センター協賛番組

関東大震災前後の世相を背景に、職人の娘と界隈きっての資産家の息子の波乱に満ちた恋を描く。（１９７５年９月２６日終了、全１３０回）◆お美津は父一人子一人の、下町の職人の娘だ。出入りの大店（タンス屋）の若旦那に見染められ婚約するが、関東大震災にあい父は死亡、若旦那も行方不明、しかし若旦那の母はお美津を嫁として扱い、手放そうとしない。震災の中で助けてくれた大学生に想いを寄せる彼女だったが、やがて若旦那の出現により諦める…。

昭和半世紀の節目にちなみ、５０年間の記録フィルムと関係者の証言で時代を分析し、昭和を動かしたものは何かを考える。（１９７５年４月６日～１９７５年１２月２８日放送、全３９回）◆この回のテーマは昭和３年の昭和大礼（御大典）。レポーターは伊丹十三。

終戦間近の混迷にまぎれて投下された長崎原爆の意味するものは一体何であったのか。この疑惑に対する解明を怠った加害国と被爆国は、３０年間にその隔たりを強めてしまった。アメリカに取材して長崎原爆の特殊性を訴え、従来とかく国内的主張にとどまっていた原爆問題を、全人類的視野にまで広げた。

「神仙のすまいのごとくひいでたる景」とまで評された京都・西芳寺庭園の、自然の模倣を超えた独創的な美を伝える。西芳寺の庭には、池庭と枯山水の両面がある。下方に位置する池庭は苔寺の名で知られるとおりに、池の中島も小亭の跡も苔に覆われている。邀月之橋のあった位置にカメラをすえ、作庭当時に思いをはせる。向上の関という門を過ぎると、夢窓国師が自らの修業の場とした指東庵や枯山水石組が見える。下の庭の優しさと対照をなす、厳しい石組を見せる。日本庭園の演ずる視覚的ドラマ。◆放送番組センター協賛番組

日本の文化は、東洋と西洋の対象的なふたつの文化の影響を受けながら形成されてきた。古代における中国や朝鮮などの大陸文化の影響、１６～１７世紀にかけての西欧文化の流入など、歴史的にみると各時代それぞれに外来文化の種々の様式が混入し、特色を形成している。この番組は、日本における大陸文化、西欧文化の足跡をたどり、現存する日本文化の根源を探る。（１９７５年１０月７日～１２月３０日放送、全１３回）◆第９回のテーマは、唐様の時代。

資源問題を中心に、食糧、人口問題を取り上げ、それが明日の人類に及ぼす影響を考えるドキュメンタリー・シリーズ。（１９７５年１月５日～３月３０日放送、全１３回）◆第１２回は、自然エネルギーを利用する技術開発について。資源が豊富とは言えない日本では、石油にかわるエネルギー源が模索されている。中でも太陽エネルギーは、環境に悪影響を与えない理想的な新エネルギー源として注目を集める存在だ。太陽熱を利用して取り出した水素をエネルギー源とする技術研究も進んでいる。番組では「自然エネルギー時代」を目指す我が国の現状を伝える。