関東大震災前後の世相を背景に、職人の娘と界隈きっての資産家の息子の波乱に満ちた恋を描く。（１９７５年９月２６日終了、全１３０回）◆お美津は父一人子一人の、下町の職人の娘だ。出入りの大店（タンス屋）の若旦那に見染められ婚約するが、関東大震災にあい父は死亡、若旦那も行方不明、しかし若旦那の母はお美津を嫁として扱い、手放そうとしない。震災の中で助けてくれた大学生に想いを寄せる彼女だったが、やがて若旦那の出現により諦める…。

未熟児網膜症で失明した少女が、普通児と一緒の公立小学校に入学し、明るくのびのびと成長して進級するまでを描いたドキュメンタリー。

資源問題を中心に、食糧、人口問題を取り上げ、それが明日の人類に及ぼす影響を考えるドキュメンタリー・シリーズ。（１９７５年１月５日～３月３０日放送、全１３回）◆第４回のテーマは、石油。石油危機は去ったのだろうか。価格は上がったものの、この冬の灯油は確保されたという。昨年の冬とは大違いである。しかし、再び危機が襲ってくる恐れも、決して否定できないのである。

山田事務官（川崎敬三）と倉橋課長補佐（内藤武敏）は、商務省の官舎に住んでいる。山田が岡村局長（佐藤慶）と北海道へ出張した日、倉橋が東発機械の資産売却問題で警視庁に呼び出された。倉橋は岡村の指示に従っただけだった。だが、その数日後、倉橋が謎の死をとげる。自殺か、事故死か、それとも他殺か？。不思議なことに未亡人になった倉橋の妻・節子（中村玉緒）が急に明るくなり、羽振りのいい生活を始めるようになった…。原作：松本清張。

北アルプスに囲まれた信州・松本を舞台に、医学部受験を目指す高校生の娘・松宮知子（大竹しのぶ）とその母親・房子（香川京子）を中心に、戦争を知らない若い世代と、青春時代、戦争をくぐり抜けてきた親たちとの世代との対比や心の交流を描く。作：石森史郎。ＮＨＫ連続テレビ小説第１５作。（１９７５年４月７日〜１０月４日放送、全１５６回）

昭和半世紀の節目にちなみ、５０年間の記録フィルムと関係者の証言で時代を分析し、昭和を動かしたものは何かを考える。（１９７５年４月６日～１９７５年１２月２８日放送、全３９回）◆この回のテーマは、昭和１６年（１９４１）に全貌が発覚したスパイ組織「ゾルゲ諜報機関」。ゾルゲ事件、リヒャルト・ゾルゲの人間像、更にはゾルゲと日本の昭和史との関わりを掘り返す。レポーターは、いいだもも。

原爆を体験した市民が描いた絵と、本人の証言でつづるドキュメンタリー。◆ＮＨＫ広島局が行った「原爆の体験を絵で伝えよう」という運動は、一人の老人が局に寄せた一枚の絵がきっかけで始まった。テレビのローカル番組、お知らせなどを通じてその輪は広がり、市民の間から寄せられた絵は２２００枚に達した。どの絵もまぶたに焼きついた被爆の体験を、絵心のないもどかしさの中で、精一杯描いたものであった。

報道番組との差し替えが決定した１本のテレビドラマをめぐって、ドラマのディレクターとその部下、脇役の役者と報道プロデューサーの葛藤を描く。◆東洋テレビのディレクター長田（加山雄三）はドラマ「なつかしき海の歌」の演出を最後に総務部への移動が決まっていた。その放送の前日に飛行機事故が発生し、ドラマは報道番組に変更された。一方、その日で退社したアシスタントディレクター下沢（吉田拓郎）はドラマの端役だった少女（浅田美代子）に出会う。初めてついた役を懸命に演じたと言う彼女に同情した下沢は、局から差し替える報道番組のビデオテープを盗み出した。番組は再び差し戻されるが、報道プロデューサー（香山美子）はテープの行方を追求する。