１９３３年（昭和８）ＮＨＫ愛宕山放送所の調整員だった加藤倉吉さんは、世界ではじめて時報の自動化装置を開発した。加藤さんは１９７５年（昭和５０）に亡くなったが、長男の一雄さんは亡父の供養にと「時報一代記」といったものを故人の親しかった人たちに贈りたいと考え、資料をまとめ、時報史にかかわる人たちを捜し歩いた。番組では赤塚不二夫が一雄さんとともに、午砲（ドン）と時報（ポン）の歴史を紹介する。

北海道のオホーツク沿岸小清水町。ここにはキタキツネが数多く生息している。先住民族アイヌの人たちがチロンヌップと呼ぶキタキツネの四季にわたる生態を、小清水町に住む獣医一家の生活を交えながら描く。（１９７５年８月２７日終了、全３回）

赤紙一枚で召集された東京下町の印刷工・山尾信治（小林桂樹）は、家族全員を疎開先の広島で失う。復員後、あの赤紙が区役所兵事係長・河島佐一郎（下元勉）の気まぐれで出されたと知った山尾は、軍隊生活でいじめ抜かれた古参兵の安川哲次（荒井注）と河島への復讐を決意する。原作：松本清張。

終戦間近の混迷にまぎれて投下された長崎原爆の意味するものは一体何であったのか。この疑惑に対する解明を怠った加害国と被爆国は、３０年間にその隔たりを強めてしまった。アメリカに取材して長崎原爆の特殊性を訴え、従来とかく国内的主張にとどまっていた原爆問題を、全人類的視野にまで広げた。

昭和半世紀の節目にちなみ、５０年間の記録フィルムと関係者の証言で時代を分析し、昭和を動かしたものは何かを考える。（１９７５年４月６日～１９７５年１２月２８日放送、全３９回）◆この回はかつての海軍兵学校６９期生に話を聞く。レポーターはフランキー堺。

福井県一乗谷の朝倉氏遺跡に復元された、湯殿跡庭園、南陽寺跡庭園、諏訪館跡庭園を紹介し、室町末期につくられた庭の石組から往時の姿をしのぶ。居館跡から発掘された耳皿、腰をかけられる平らな石を交えた石組から、しばしば迎えた足利将軍家を曲水の宴でもてなしたことがわかる。戦国の世をよそに催された宴を、石組だけになった庭からうかがうと、栄枯の縮図を見る思いがする。日本庭園の演ずる視覚的ドラマ。◆放送番組センター協賛番組

木曽馬の純血種「第３春山号」との別れ、森林鉄道の廃止、更にはダム工事で水没した村や、過疎で廃村になってしまった村など、この一年、木曽は「別れ」の連続であった。番組では、木曾の四季を美しい風物詩として伝えるだけでなく、「別れ」と「出会い」が交錯する所という視点で描いている。中部日本放送創立２５周年記念番組。

昭和半世紀の節目にちなみ、５０年間の記録フィルムと関係者の証言で時代を分析し、昭和を動かしたものは何かを考える。（１９７５年４月６日～１９７５年１２月２８日放送、全３９回）◆この回のテーマは、かつて日本軍の幹部を育成した陸軍士官学校と海軍兵学校。キャスターは三国一朗。