大和国に生まれた、日本最古の叙事詩「古事記」と、叙情詩「万葉集」を美しい筆蹟とともに紹介する。最古の古事記写本として名高い「真福寺本」や、奈良県稗田町にある稗田阿礼を祭った稗田神社、ところどころ切り取られて残巻となりながら各地に伝わる万葉集の姿を、それぞれにまつわる話とともに伝える。

形式にとらわれない自由で伸びやかな作風を生み出す染色家の人間国宝・芹沢?_介さんを訪問、その心と技を描いた。（当時８１歳、昭和５９年没）作品の原点は紅型だと語る芹沢さん。色が明るく、型が大きく、自由でのびのびとした絵柄が好きだという。「型紙は必ずしも下絵どおりの線にならない。臨機応変に切っていく」。芹沢さん独自の＜型絵染＞は、下絵描き、型紙切りにはじまって、染め付けまで全ての工程をひとりでおこなう。

明治を見直す気運を背景に、明治時代を日本が国際化していく時代としてとらえ、史実に基づいて再構成した全１０回のドキュメンタリードラマ。◆第八回「星亨」。強烈な個性の人物・星亨（中丸忠雄）の議会活動を通して、わが国の政党政治時代の胎動を描く。目的のためには手段を選ばず政敵からは怪物とおそれられ、あくことのない金権政治家と悪罵を浴びせられた政治家・星亨。彼が死んだ時、家屋敷と１万３千冊の書物以外、私財は何一つなかった。星はこの万巻に及ぶ書物をすべて読破したといわれ、これほどの学識に恵まれた政治家は明治以来稀といわれる。豪腹辣腕といわれ、明治政界を強引に歩んだ男の実像を描く。

スーパー戦隊シリーズ最初のヒーロー「秘密戦隊ゴレンジャー」。世界征服を狙う黒十字軍から世界を守るため結成されたゴレンジャーは、５つの力を１つに合わせて怪人たちに立ち向かう。原作：石ノ森章太郎。（１９７５年４月５日～１９７７年３月２６日放送、全８４回）◆第６７回。カビを使って金属を腐食させる新兵器「カビカＸ」を開発したイーグル研究陣。だがその「カビカＸ」を熊野（だるま二郎）のミスでカンキリ仮面に奪われ、太郎が負傷してしまう。熊野は責任を感じて単身カンキリ仮面から「カビカＸ」を取り戻そうとするが。

ずんぐりした体形であだ名は「ドカベン」の山田太郎が、底知れぬパワーと根性で個性的なチームメイトたちとともに強豪とたたかう野球アニメーション。原作：水島新司。（１９７６年１０月６日〜１９７９年１２月２６日放送、全１６３回）◆鞄を占領する巨大な弁当を持っての転校初日、山田は“男のなかの男”を自称する暴れ者岩鬼に目をつけられ、決闘をするはめになる。場所が野球部の使っているグラウンドだったことから、野球部主将の投げる球を打てるかどうか争うことになってしまった。

シーメンス事件とは、１９１４年（大３）ドイツの電機会社シーメンスの東京支社の元社員がドイツ本国で窃盗容疑でつかまり、彼の盗み出した会社の秘密書類の中から、リベートを受け取ったとみられる日本海軍高官の名が出たことにはじまる大疑獄事件である。主任検事として、勇断をもって検察の腕をふるった小原直の回想録と過去の資料を手がかりに、この事件の全容をとらえるドキュメント。

出稼ぎ先で病気になったと連絡があったきり音信不通になった母親を訪ねて、イタリアからアルゼンチンへひとりで旅をする少年マルコの物語。原作：エドモンド・デ・アミーチス「クオレ」。カルピスこども劇場（世界名作劇場）。（１９７６年１月４日〜１２月２６日放送、全５２回）◆マルコはイタリア・ジェノバの開業医の次男坊。病院といっても貧しい人たちのための病院で家計は苦しい。そのためマルコの母アンナはアルゼンチンへと出稼ぎに行くことを決め、旅立つ。

歌人としても著名な人形作りの人間国宝・鹿児島寿蔵さんを東京の仕事場に訪ねて、作品が出来上がっていく様子を取材した。（当時７７歳、昭和５７年没）「色が落ちず、こわれにくい人形を造ろうと研究した結果、“紙塑人形”にたどりついた」。アララギ派の歌人でもあった鹿児島さんは「もろもろのことのはげしき世にひそみ、心直かれと人形つくる」と詠み、その心の内を表現している。紙の原料を電動かくはん機でほぐすところなどは、いかにも現代の作家らしい。