東京・新富町で創業９０年を誇る足袋の老舗「うさぎ屋」を舞台に、一家と周囲の人々が繰り広げる笑いと涙のホームコメディードラマ。（１９７７年５月１８日〜１１月９日放送、全２６回）◆第一回。うさぎ屋の四代目当主・宇崎安男（伊東四朗）は、人は良いがどちらかというと頼りない。妻の小春（渡辺美佐子）はそんな夫を支え、うさぎ屋を切り盛りしている。夫婦には子どもが３人。家出中の長男・健太郎（清水健太郎）、結婚適齢期の長女・桃子（五十嵐めぐみ）、そして予備校生の次男・拓郎（郷ひろみ）だ。拓郎はなぜか変わり者の家政婦・金田さん（樹木希林）と気が合う。そんなうさぎ屋に、ある日元気で明るいお手伝いのカヨコ（岸本加世子）がやって来る。

美土里君は大学の聴講生。生後間もなく筋無力症と診断され、１９年間その病苦と闘ってきた。彼の夢は、パリで美術館を見学、本場のオーケストラを聞くこと。父はその夢をかなえてやるために退職金を前借りして、親子３人でヨーロッパに旅立つ。ロンドンのコンサートホール。一日、一月、一年を大切に生きてきた家族の記録と想いが、オーケストラの音楽にのって再現されていく。

宮城県下の半農半漁の小さな村を舞台に、３年ぶりに帰郷した次男坊を中心に彼を迎える寡婦の母や、跡とりの長男夫婦の心の動きを追い、次男・三男問題をからめた東北の農村の人間模様、人間にとっての“故郷”とは何かを描く。◆青年・塚本次郎は会社の人員整理でクビになり故郷の村へ帰ってきた。皆に事実を打ち明けられないまま仙台で仕事を探すが見つからない。そうこうするうち次郎の友人からのハガキで、母・しげが真実を知ってしまう。

エネルギー資源、食糧、人口、海洋など、一国では扱いきれない問題が国際的に議論され始めた“地球時代”に、それぞれの問題に日本がどのように対処しているかを探り、その課題について考えるシリーズ。（１９７７年１月１０日～４月４日放送、全１３回）◆第２回は「第２のプロメテウスの火」と言われる原子力発電について。茨城県東海村に日本で初めての原子力発電所が作られてから１０年が経った。石油資源の限界が語られ、新たなエネルギー源として原子力発電所の建設に拍車がかけられている。福島県大野にある福島第一原子力発電所と、茨城県東海村に建設中の使用済核燃料再処理施設を取材。原子力発電の光と影、現在と未来を展望する。◆番組中に使用されている放射線量の単位「１レム」は、現在使われている単位の「０．０１シーベルト」にあたる。

１９７７年（昭５２）、日本の登山隊が世界第２の高峰・Ｋ２（８６１１メートル）の登頂に成功した。Ｋ２登山隊は全国各地から募った３９人の山男たち。公務員、会社員、石工とその職業・経歴は実にさまざまだ。ある者は職を投げうち、ある者は多額の自己負担金の捻出に四苦八苦しながらＫ２を目指した。番組では、彼らが“平穏な日常”を棄て、あえて苛酷な大自然に立ち向かっていく姿を通して、人間としての生き方を追う。

約２２年続いた生放送の音楽番組。通称“夜ヒット”。（１９６８年１１月４日～１９９０年１０月３日放送）◆この回の司会は芳村真理と井上順。出演歌手はピンクレディー、太田裕美、新沼謙治、渡真介、内藤やす子、五木ひろし、矢野顕子。◆尺八演奏家の山本邦山がゲスト出演し、矢野顕子と協演。ジョイント・コンサートととして、矢野が編曲した「達者でナ」「五木の子守唄」を披露する。ほかに、麻丘めぐみの婚約発表の模様を録画で伝える。

１９７７年の日本を沸かせた王貞治選手のホームラン世界記録樹立。彼の「一本足打法」の秘密を科学的に解析したスポーツドキュメント。計測は筑波大学体育科学系の学者たちが担当し、王選手との話を交えながら進行する。◆王選手が、打つ・見送る、の判断をするのは投手の手からボールが離れて０．５秒。ホームランか凡打かの差はこの判断の百分の一秒差による。体格では、上半身は普通だが下半身は重量級。集中力が素晴らしく、敏捷性はむしろ劣る…など、世間で言われがちな「超人型」を否定する結果も出る。

日本画家・高山辰雄の代表作『日月星辰』５部作のうち３作品を、スタジオで高山に話を聞きながら紹介する。◆高山辰雄は１９１２年（明治４５）大分生まれ。東京美術学校卒業。松岡映丘に師事し、代表作に上記のほか『道』、『穹』などがある。『日月星辰』の制作にかかる前２年ほど、町の中をスケッチして歩いた。今の人間の気持ちを何か表現できたらと思い、５部の屏風画にまとめたと高山は語る。