戦後最大の規模で展開された、吉展ちゃん誘拐特別捜査の全貌を描く。事件の推移と、誘拐犯人・小原保の生い立ち、生活を掘下げ、また誘拐の手口、捜査のあり方などを克明に描き、二度とこうした惨事が起こらぬよう警告と自戒の意を含めたドラマである。「実在する如何なる特定の個人をも誹謗、糾弾しようとするものでない」という趣旨で作られている。原作：本田靖春

近代化の中で消えつつある伝統技能、今も脈々と受け継がれている職人技術を横浜市内各地に訪ね、手作りの工程や職人さんたちへのインタビューを交え、年一番組という地道なペースで記録しているシリーズ。◆現代ではあまり使われなくなったほうき作りの工程やその歴史などを紹介。ほうきのもつ“あたたかみ”を考えていく。材料となるほうき草から座敷ぼうきのできるまでを記録。

神戸王子動物園の飼育係亀井一成さんが、３０年に及ぶ動物たちとのふれあいの中からつかんだ“生きとし生ける者”の哲学を訴えるヒューマンドキュメント。メスゾウ摩耶子が結核にかかって死んだのは、１９５６年（昭３１）８月のこと。当時亀井さんは２６歳。一頭のゾウの死の重さが彼に人生哲学をもたらす。言葉の通じない動物たちの心境を思いやる彼の努力は、日本初の人工飼育チンパンジー、チェリーの誕生となった。

「バトルスーツ」に身を包んだバトルフィーバー隊の５人が、秘密結社・エゴスが送り込む怪人たちと戦いを繰り広げる。スーパー戦隊シリーズ第３作。（１９７９年２月３日～１９８０年１月２６日放送、全５２回）◆第１回。曙四郎（大葉健二）、伝正夫（谷岡弘規）、志田京介（倉地雄平）、白石謙作（伊藤武史）の４人のバトルフィーバー隊員に鉄山将軍から緊急招集がかかった。悪の秘密結社エゴスに対抗するためだ。エゴスを追って日本にやってきた囮捜査中のＦＢＩ秘密捜査官ダイアン・マーチン（ダイアン・マーチン）を加え、５人そろったバトルフィーバーは鉄山将軍からバトルスーツを与えられ、世界のダンスを活かした戦いを繰り広げる。

妻と成人した子ども二人で平穏な家庭を営み、地元では名士で通っている牧場主・とべ昭和（フランキー堺）が、村会議員選挙に立候補した。しかし開票してみれば、得票は１票。北海道の開拓村を舞台に、現代人のエゴをユーモアを交えて描く。

四国の風土と文化に根ざした各県の民謡を採集し、四国に残る生活の唄を現代人との関わりの中でとらえなおすシリーズ。四国各県の放送局の共同制作（全１３回）◆徳島県祖谷地方の厳しい自然と労働の中で生まれた「祖谷の仕事唄」の数々を、山深い風景と人々の生活とともに紹介する。曲目と唄は、「祖谷甚句」吉岡和幸さん、「草刈り唄」豊永かずえさん、「木挽唄」井上文明さん、「木負節（きおいぶし）」豊永かずえさん、「粉挽節」豊永かずえさん。

表向きは南町奉行所同心の中村主水、飾り職人の秀、浪人の畷左門の仕事人が、殺しを請け負い、人々の恨みを晴らす時代劇。必殺シリーズ第１５作。（全８４回）◆第１回「主水の浮気は成功するか？」。八王子に左遷され、妻りつ、姑せんとのんびり暮らしていた主水（藤田まこと）は、勘定奉行直々の名指しで江戸に呼び戻された。いぶかる主水の前に、見知らぬ老人・鹿蔵（中村鴈治郎）が現れ、裏の殺し稼業をもう一度やらないかと持ちかける。

最近の社会問題になっている少年の自殺を取り上げ、少年たちの死の意味をその背後にあるものをおりまぜて描くドラマ。◆雑誌記者・川辺の隣人、的野の息子が自殺する。編集長から相次ぐ少年少女の自殺とその防止についての特集をまかされた川辺は、事例の一つとして彼の自殺を採り上げ、的野の家庭を調べる。川辺は調査を進めるうちに子供たちが求めていたのは親の愛情であったと確信する。