今川節は、小学校を卒業後、給仕として郵便局へ入り、そのかたわら作曲への情熱を燃やしつづける。山田耕筰に師事し、地元の音楽仲間と交流を持ち、貧しさや出生のハンディも忘れて作曲に専念、ようやく人生に光明が見えるようになった。しかし、姉を失い、交響曲「四季」を書く中で病魔が彼の身体を蝕んでいく。

天山南路の要衝・トルファンは、熱砂の盆地の町。赤い山並みが続く火焔山のふもとにあるアイディン湖は死海に次ぐ低い湖で、干上がっている。◆シルクロード中で最大の遺跡・『高昌故城』と、漢の西の守り『交河故城』の天然要さいの跡。古代、西と東の民族が激しくぶつかり合い、交流を重ね、今なお営々と人々が歴史を背負って住む。火焔山の中腹に残る『ベゼクリク千仏洞』に東西交流のあかしを見、地下水路・『カレーズ』に潜る。◆高昌故城、交河故城、ベゼクリク千仏洞、カレーズ遺跡

ある日突然、７２歳の老人が１５キロのマラソンに参加しようと決意する。夏も終わろうとする北国の小さな漁村を背景に、孤独な老人の屈折した想いと周囲のすれ違いを、ユーモラスに見つめながら人生の姿と生の充足を浮き彫りにしていく。

九州筑豊・飯塚市の嘉穂劇場で、旅回りの座長２７人が一堂に会し、全日本座長大会が開かれた。満員札止めの大盛況のなか、舞台に駆け上がってひいきの役者に札を差し出す女性ファンも続々、舞台と客席がひとつになった大衆演劇の姿を描く。また、片岡長次郎一座の公演を取材、旅役者の生活も紹介する。

１９６８年（昭４３）、宮城まり子は肢体不自由児のための養護施設“ねむの木学園”を開園した。彼女が歌い踊って稼いだお金を全額注ぎ込んで作った１２人の恵まれない子供たちのための学園である。この学園を維持するために、舞台、テレビ以外でも必死になって働きつづけたある日、彼女は過労で倒れた。

　「科学の目」を持って世界を紹介する、科学ドキュメンタリー番組。（１９７５年４月６日～１９８６年１２月２８日）◆日本産のものより数倍大きなカブト虫がコロンビアにすむ。黒光りした二本の巨大な角を持つ、ネプチューンオオツノカブトである。取材班はこの大カブト虫を探した。途中で、巨大なカミキリ虫や大バッタなどに出会った。そしてついに標高三千メートル近いアンデスの山あいのヤシ林の中でオオカブトの生息地を突き止めた。

教育テレビ開局２０年を記念した大型企画として乗りものの技術史を取りあげた１０回シリーズ番組。第７回は、「たった３６メートルの初飛行〜飛行機・前編」１９０３年、ライト兄弟が人類最初の飛行を成功させたフライヤー１号のレプリカ（複製）の飛行実験を軸に、グライダーから始まった大空へかける人間の夢の歴史を描く。この実験では２４メートルの飛行に成功した。

進行性の「第四領域症候群」に侵され、死の影におびえながらも、闘病生活を続けている１人の女性の手記をもとにしたドラマ。原作：大石邦子。◆福島県会津。中西邦子（大竹しのぶ）は通勤途中に不慮の事故に遭う。邦子は身体のほとんどが麻痺しながらも、同じ病院に入院している青年・国分享（奥田瑛二）の強い愛に支えられ、絶望せずに生きて行こうとする。その姿を描きながら、生きることの厳しさと命あることの意義を問いかけていく。