独特の色調、幻想的な画風で空を飛ぶ動物たち、太陽と月、抱き合う恋人たちなどを描き続け、“愛の詩人”“愛の魔術師”と呼ばれた画家、マルク・シャガールの生涯を追い、彼が求め続けたものを探る。◆黒海とバルト海を南北に結ぶ通商路の中心として古くから栄えた白ロシア共和国のヴィテブスクで、ユダヤ人夫婦の８人兄弟の長男として生まれた。１９歳で画家を志して２３歳でパリへ出、いわゆるボヘミアンの仲間に入る。２８歳で故郷ヴィテブスクの資産家の娘・ベラと結婚するが、間もなく故郷はロシア革命の渦に巻き込まれる。その後もナチスのユダヤ狩りに追われるなど、安楽な生活は遠かった。

赤坂、青山、渋谷、世田谷とつながる国道２４６号線。その沿線で繰り広げられる男女の恋の駆け引きを描く。（１９８９年４月７日〜６月１６日放送、全１３回）◆第１話「あぶない夜の秘密」。５年前に離婚し、高校生の娘を育てながら三つの画廊を切り盛りする笙子（浅丘ルリ子）。娘の由季（後藤久美子）はといえば大人になりたいと悩んだあげく、ある夜、見知らぬ男とホテルへ。その男は設計事務所を持つ風見（岩城滉一）だった。

“会社ひとすじ”に嫌気をさした定年前の男が、ふとしたことから引き受けたエキストラの仕事に自由で楽しい第２の人生を見いだす。◆会社人間で生きてきた日高剛（宇津井健）はある日子会社への出向を言い渡される。気落ちした日高はその夜、知人に誘われるままに居酒屋「その他」へ行き、店をやりながらエキストラの仕事をする女将・芙美（森光子）に出会う。

アポロ１１号が月面に着陸してから２０年、気象・通信衛星など、宇宙はぐっと身近になった。しかし月世界にはまだまだ謎が残されている。多彩な映像と科学的成果をもとに、月の魅力と不思議さを掘り下げる。出演はアイザック・アシモフ、二谷英明ほか。◆アメリカ・アリゾナ州のキット・ピーク天文台から月に関する最新情報を伝える。またアポロ１１号のニール・アームストロング船長、アポロ８号のフランク・ボーマン司令官へのインタビューを紹介、月着陸の秘話や月旅行を予言した作家ジュール・ベルヌの予見について語る。されにクレーターなどの月の謎、月の歴史を解明し、各国で進む月進出計画もリポートする。

瀬戸大橋の建設で、瀬戸内海をとりまく地域の状況は激しく動き始めた。検証・瀬戸大橋時代をメインテーマに、瀬戸内エリアの観光・経済などの新しい動きをタイムリーに伝える。（１９８８年５月７日～１９８９年９月３０日、全６９回）◆伸び続ける山陽自動車道のその後を追う。

１９３９（昭和１４）年、ソ蒙国境で起こったノモンハン事件。その後の戦闘で捕虜になった兵士たちが、日本へ帰れないまま暮らしているという。日本へ渡る鶴に託し、彼らの望郷の思いを描く。◆瀘溝橋事件以降、戦火は中国南部へと拡大していったが、北部では国境があいまいだったソ連・モンゴルとの紛争が絶えずついにノモンハン事件が起こった。およそ５か月続いた戦闘は激烈なもので、日本軍は大きな犠牲を出して敗れた。負傷して捕虜となった兵士たちは、生き恥をさらしたという当時の教育を受けていたため日本へ帰れず、異国で名を変えて生きのびた。シベリアやモスクワで彼らと出会った人々の証言を聞く。

マニラから車で３時間、フィリピン・バターン半島先端の小さな町マリベレス。この町の半世紀をたどり、アジアの人々にとって日本とは何だったのかを提起する。◆およそ５０年前、フィリピン侵略を狙う日本軍によって浜辺の美しい町マリベレスは戦場と化した。そして戦後、この町に再び現れた日本は経済大国としていくつもの工場を築き、人々の暮らしを大きく変えていった。日本の多額の援助でマニラとの間にはハイウェーが通り、町は日本企業の進出拠点として変貌を遂げてきた。“日本”に揺れ続けたアジアの小さな町を描く。

北緯６６度３３分の緯線、またはそれ以北を「北極圏」と呼ぶ。アジア・アメリカ・ヨーロッパを最短距離で結べる交通ルートとして、また資源の宝庫として注目されるこの地域を取材、北極圏の姿を伝える。（１９８９年４月３０日～１９９０年３月２５日、全１２回）◆第８回は、帝政時代からロシア化の波と戦いつづけてきたシベリア最北端の民族・ネネツ族に取材。苦難の歴史と変貌を迫られる暮らしぶりを描く。ネネツ族はかつて核実験のために強制移住させられ、いまのツンドラの石油、天然ガス資源の開発による環境破壊で、生業であるトナカイ産業に大打撃を受けている。