人間は死ぬとどうなるのか？病気や事故で死線をさまよった人々が持った体験「臨死体験」がその謎を解く最大の手がかりとして注目を集め始めている。作家・立花隆さんが世界の臨死体験と研究の最前線を取材、分析しながら人間の臨死の実態に迫る。◆アメリカでは既に２０００例以上の臨死体験が分析され、今回の独自の調査で日本でも４６例が確認された。彼らの臨死体験には、肉体から魂が抜け出し臨死の自分の姿を見つめたこと、暗いトンネルの出口に光がさし花園を見、川があること、親しかった肉親と逢い追い返されることなど数々の共通点があった。

瀬戸内海に浮かぶ過疎の島・豊島（てしま）に運び込まれた大量のゴミを巡る騒動を追う。◆人口１６００人の香川県・豊島に、都会から産業廃棄物が運び込まれている。ひとつはリゾート開発を条件に島民が受け入れたゴミ、もうひとつは廃棄物でミミズを養殖するといううまい話で持ち込まれたゴミ。この処分場で数十万トンにのぼる産業廃棄物の不法投棄が発覚、島をゆるがす騒動となった。そして廃棄物の中から外国のものと思われるドクロマークのついたドラム缶が見つかる。取材班はドラム缶の出所を追ってイタリアへ、国際的な不法投棄事件があったことをつきとめる。

主人公はイタリアの文化人類学者・写真家・登山家であるフォスコ・マライーニさんと作家・脚本家である長女ダーチャ・マライーニさんの父娘。写真家として戦前戦後の日本の様子を記録したフォスコさんは、１９４３年（昭１８）ムッソリーニ政権が倒れ、イタリアが敵国となったために、名古屋市内の強制収容所に入れられた。ここで彼は警官の食料横流しにより飢えに苦しみ、抗議のため斧で左小指を切断した。５０年ぶりに訪日した父娘を軸に、戦争の愚かさ、自由の尊さを訴える。

１９８７年６月１日の放送開始以来、６０００回を超えて続く長寿ミニ番組。列車での旅を通して、美しい風景とそこに住む人々の生活を描く。◆今回は「夕暮れ」と題して、イギリスの保存鉄道・スランゴスレン鉄道を紹介する。

売れない古道具屋の主人が、仲間の市で古い太鼓を仕入れてきた。商売下手で女房が愛想をつかしていると、武士がやって来て、殿が太鼓の音を聞いて買い上げたいとおおせだと言う。品物を持って屋敷へ持参してみれば、又とない名品だからと、売り値を聞かれる。一分で買った太鼓が三百両に売れ、古道具屋は小踊りして家に帰る。オチが面白い。◆「火焔太鼓」・古今亭圓菊

終戦直後の淡路島を舞台に、巡査の子供と同級生たちの少年野球チームをめぐる涙と笑いを描く。原作：阿久悠。（１９９１年１月１１日〜２月１５日放送、全４回）◆第１回「兄弟分」。昭和２２年、淡路島。健太は巡査の父の転勤で３回目の転校をした。担任は美人の美子先生。ガキ大将のアカギレと“兄弟分”になった健太は、神戸の山の手から島に疎開している同級生の美少女・桜子に胸をときめかす。

マドリッドのプラド美術館の中で一際目をひく、ゴヤ作「着衣のマハ」と「裸のマハ」の２作品。スペイン帝国最盛期の１９世紀始めに描かれた。宗教的道義が厳しい時代に危険を冒して描いた裸のマハのモデルは誰なのか。その謎は２００年後の今も解かれていない。宮廷画家として上流社会に知り合いを多くもっていたことからアルバ公爵夫人の説が有力だが、確たる証拠はない。他に３人の女性像が浮かぶが、その謎を知るのはゴヤだけである。◆フランシスコ・ゴヤ（１７４６〜１８２８）「着衣のマハ」１８０３−０６、「裸のマハ」１８０３−０６、「目かくし遊び」１７８８、「カルロス四世家族」１８００、「巨人」１８１０−１８１２、「アルバ公爵夫人」１７９５，９７

萬里の長城を最初に目にした日本人は誰か。遣唐使は遥か南を通ったので、その機会はなかったと思われる。記録によると１６００年代に漂着した福井・三国の漁師が、ポシェット湾から北京に送られる途中、山海関を通過した折にその姿を見たとある。「韃靼漂流記」の記述をもとに、漂流民の足跡をたどる。取材制約のある中・ソ・北朝鮮（朝鮮民主主義人民共和国）の国境線では道を選びつつ、戦前日本が侵略した「張家口」など、歴史を振り返りながら旅をする。