日本経済新聞紙上で１９５７年３月に始まった「私の履歴書」テレビ版の新シリーズ。一時代を築いた人物が出演し、自らについて語る。（１９８８年１０月５日〜１９９１年３月２６日放送、全１２７回）◆渡辺淳一：作家。１９３３年北海道生まれ。札幌医科大整形外科講師のかたわら作品を発表、１９６９年同大を辞し文筆活動に入る。主な作品に「死化粧」（１９６５）、「化身」（１９８６）など。

横浜・本牧にある娼館を舞台に女将と娘、娘の婚約者をめぐる謎を描く。◆朝日館は７人の娼婦を抱える女の館。１９２９年（昭和４）関東大震災で別れ別れになった女将・るいのひとり娘・葉子が婚約者と一緒に上海へ行く途中、るいを訪ねてくると言う。やってきた葉子は美しかった。しかし、婚約者の影山にるいは危険なにおいを感じた。別れてから７年になる葉子。この娘は本当に葉子なのだろうか。

「野球」という視点から、宮城県の明治・大正・昭和、それぞれの時代を証言と資料によって検証する。◆日本の野球は１８７２年（明治５）アメリカ人教師によって、東京帝国大学の前身・第一番中学に伝えられたのがはじまりとされている。宮城の場合は、１８８８年（明治２１）第二高等中学校のアメリカ人教師・ハーレルが伝えたということが、当時の新聞資料などからわかる。野球の始まりは英語教育の普及とともに「みやぎの開国」の象徴であった。

大自然の一隅にノミを入れる。石を彫って祈りの対象を刻む磨崖仏。古代信仰を今に伝える貴重な石仏は、なんと８０％が大分県に集中する。百済の僧・日羅が、１，３００年代にこの地に来て始めたといわれるが真相は不明。臼杵、大野川流域に無数に残る石仏は長い歳月で多くは傷つく。石に永遠の祈りを込め、人跡未踏の地に入り命がけで彫った僧たちの心が痛々しい。崩れて地に落ちた大日如来の仏頭は、特に最も美しくかつ痛ましい。◆【特別史跡、重要文化財】臼杵磨崖仏〔大分県〕◆【史跡、重要文化財】菅尾石仏〔大分県〕◆【史跡】緒方宮迫石仏、大分元町石仏〔大分県〕

北海道・新十津川出身のタレント、レオナルド熊親子が雄大な自然のひろがる石狩川の源流から河口まで、ある時は徒歩で、ある時は自転車に乗って、人との出会い・ふれあいを求めて旅をする。

日系企業のあいつぐ撤退が大きな社会問題となっている韓国・馬山（マサン）の現状を報告、労使双方の主張を聞きながら新たな日韓摩擦の背景を探る。◆１９８９年１０月、韓国スミダ電気（本社東京）は従業員４５０人全員を解雇、工場を閉鎖した。組合側は不当解雇だとして工場内にたてこもり操業再開を求めた。企業側も利潤追求の経済論理では採算の合わない工場は続けられないと主張する。賃金高騰、ウォン高、労働運動の激化から、韓国の日系企業は次々と撤退、生産拠点を移している。工場を支えていた多くの女子従業員のひとりに焦点をあて、家族の事情を絡ませて彼女の解雇からその後を追う。

大都市を中心に高騰し続ける地価。歴代内閣の最大の課題といわれながら、有効な解決策は示されないままである。番組では「地価は下げられる」という前提に立ち、５夜連続・計１２時間の生放送でその方策を考えていく。テレビ世論調査を交え、現状リポートと討論により、解決への具体的な道筋を探る。（１９９０年１０月１０日〜１０月１４日放送）◆第２回。経済の論理に巻き込まれ、住宅地までが投機の対象となり、地価が高騰してしまう日本の土地問題。原因は土地の利用法に関する哲学の不在と考えられている。整然とした街づくりを行いつつ地価高騰を抑える都市計画の観点から解決策を考える。出演は早川和男、田中直毅、綿貫民輔、鈴木俊一の各氏ほか。

日本のコメ市場開放問題が正念場を迎えた。諸外国の米事情と日本との関係を探るシリーズ。この回は自由化を待つタイの現状をレポートする。◆タイは世界一の米輸出国。国立の農業試験場では日本米の栽培実験が成果を上げている。日本の米市場が開放されれば、タイ産日本米は日本市場を直撃するだろう。谷口巳三郎さんは熊本県立農業大学校の教官を退職し、タイの山岳民族に農業指導を行っている。農業での自立を説く谷口さんに農業の哲学を聞く。