長崎市南山手の大浦天主堂は日本人が手がけた初めての本格的西洋建築で国宝。ローマ・カトリック教会からも世界の聖地の一つに指定されている。キリシタン弾圧、原子爆弾の被害などにふれながら、天主堂内の各部と外観、日ごろ目にすることの出来ない天井裏や鐘楼を紹介すると共にステンドグラスの美しさ、強い太陽光線が色ガラスを透過して、堂内に色彩が満ちあふれるさまを追う。◆ナレーションに３か所訂正があります。（１）二十六聖人の殉教：誤「西暦１５９６年」、正「１５９７年２月」。（２）誤「大浦天主堂はこの２６人の殉教者をまつった教会堂で」、正「大浦天主堂はこの２６人の殉教者に捧げられた教会堂で」。（３）誤「明治６年３月、明治新政府は諸外国の抗議により、ようやく禁教を撤廃」、正「明治６年２月２４日、政府は、太政官布告第６８号により、キリシタン禁制の高札を撤去。３月に浦上信徒を開放。」

海中に住む水棲人でありながら人間に拾われて人間として育った少女エルフィは、両者の戦争の間にはさまれて苦しみ悩む。無制限な海の開発に疑問を投げかけるアニメ。◆南の海に浮かぶ超近代都市国家ネプチューンは、高度な科学を駆使した海洋牧場で食糧を生産する豊かな国。そこに暮らすエルフィは幼いころに賢人ネレウスに拾われ、アルカスの妹として育てられた。平和に暮らしていたエルフィたち。しかしある日サメに襲われたのがきっかけで、海中でも呼吸できることに気づく。そのころネプチューンは国力強化のための食糧増産にむけて海洋牧場の増設を進めていた。海底でひっそりと暮らしていた水棲人たちはこれを阻止しようとする。

日本一寒い町、北海道母子里（もしり）は冬の間２メートルを超える積雪とマイナス３０度の寒さが続く厳寒の地である。日本最寒の土地に生きる人々とその大切な足である鉄道の織りなす冬を記録する。◆母子里は１９７１年（昭和４６）から７５年の間にマイナス２５度以下を１００回、１９７８（昭和５８）年２月１７日にはマイナス４１．２度を記録している。この母子里のある幌加内町を縦に走り、名寄と深川を結ぶ深名線は日本一の赤字路線だが、雨煙別（うえんべつ）・蕗之台・白樺の３駅は全国で唯一冬眠する駅として知られている。

作詞家の阿木燿子さんが、九体阿弥陀仏で有名な浄瑠璃寺を訪ねる。◆浄土教では、人々は現世で積んだ善行の程度により上品・中品・下品の３段階に分かれる。そしてそれぞれはさらに３通りに分かれ、合わせて通りの往生（この世を去り、極楽浄土に行って生まれること）があるとされる。下品下生の極悪人でも阿弥陀を懸命に念ずれば極楽に行けるという。９体の阿弥陀仏は、これらの９通りの往生を受け入れてくれる阿弥陀仏の姿をかたどったものである。

岩手県民会館大ホールを会場に行われたシンポジウムの模様を収録・放送したもの。ゲストは評論家・秋山ちえ子さんと、地元・岩手県で学習塾を経営している小田島義幸さん。重度の身体障害者である小田島さんと子供たちとのふれあいを紹介しながら、いま子供たちに伝えるものは何かを語りあう。昭和６１年度民教協北海道・東北地区大会公開記念番組。

人間国宝・磯井如眞の子として生まれた親子二代の至芸の持ち主・磯井正美。◆点や線で彫った紋様に色の漆をはめこんで染め上げる「蒟醤」は、漆工芸の中でも独特な技法。東南アジアに始まったというその古い技法を時代の感覚に合わせ、次々と新しいデザインを考案。技法との接点を探っていく。色鮮やかな２羽のチョウをあしらった『蒟醤涼風箱』の、半年をかけた制作過程を追う。

世界各地の習俗・文化を訪ね、クイズ形式で紹介するエンターテイメント番組。司会は愛川欽也と楠田枝里子。◆この回は番組放送２５０回記念。オープニング・数の問題は、結婚紹介ビジネスの金額について。海外特集では、古代シルクロードの玄関口、省都蘭州を中心に栄えてきた中国・甘粛省から、その南に住む少数民族チベット族、回族の風俗風習をリポートする。３５年前に発見された石窟寺の一つ、黄河上流にある炳霊（へいれい）寺からは明時代に作られた８本の手と１１の顔を持つ観音を紹介。また夏河のラブロン寺院からはラマ教徒の厳粛な儀式、授業風景、他に回族の生活・習慣を伝える。

伊豆大島の三原山が１２年ぶりに噴火した。昔から活発な火山活動を続けている三原山は、昭和に入って２５年、２６年、３２年、４９年、６１年と噴火している。この番組は、１９８６年（昭６１）の噴火の模様を伝える。現場からの中継映像とともに、これまでの観測データや溶岩の分析などを解説し、今回の噴火の特徴、今後どうなるのかなどの疑問点を解明していく。