大正末期から昭和初期にかけての日本では、世相と向き合い、時代そのものをキャンバスに描き残し、志半ばで病に倒れた若い画家が多かった。昭和の初め、東京の池袋に芸術家集団のアトリエ村を作り、新しい芸術運動に燃えた画家たちがいた。松本俊介もその一人だった。戦争激化の中でも画家の主体性を堅持した俊介。夭折した前途有為の画家たちの青春像を、松本俊介の生きざまや制作環境を通して追慕する。◆松本俊介（１９１２〜１９４８）「Ｙ市の橋」１９４４、「立てる像」１９４２、「並木道」１９４３、「鉄橋附近」１９４５、「議事堂のある風景」１９４２、「建物」１９３５、「都会」１９３９

互いに想いを残しながら別れ、十数年後に再会した男女が、共に離れがたい相手がいる身ながら、想いを再燃させていく様子を切なく描いた恋愛ドラマ。（１９９２年９月２５日終了、全１３回）◆東京でＯＬ生活をしていた美和は仙台の父・常雄に強引に見合いをさせられる。見合い相手の冬彦は東大卒のエリートサラリーマン。さわやかな好青年で、美和も好感をもった。帰り道、美和は青春の思い出のある高校のグランドを訪ね、初恋の人・洋介に偶然出会う。

作家・早乙女貢氏が福島県に関わりのある人物の足跡をたどり、その素顔を探るシリーズ。◆会津藩陶工の二男として生まれ、いったんは僧侶の道へ進むが、その後、会津本郷焼の白磁の創製に命をかけた陶祖・佐藤伊兵衛の波乱万丈の生涯に迫る。

２年前に起きた殺人事件を追うはみだし刑事が、ついに真相にたどりつくまでを描く。◆ホステスの信子が心不全で死に、同じ日に信子のひもだった隆夫が殺された事件が迷宮入りした。２年後、事件を担当していた高木刑事は、旅先で信子に似た女を見たという話を聞いてその土地を訪れる。

アジア各地を網の目のように結ぶ「海道」をたどりながら、歴史的、文化的な視点からアジアの現代を探るシリーズで、フィリピン、台湾、韓国、香港、タイの５か国を訪ねる。（１９９３年３月９日終了、全１１回）◆台湾を２回にわけて伝える。かつて台湾海峡を堺に緊張を続けていた台湾と中国も雪解けを迎え、国境を越えた結婚が増えている。しかし移住許可が無いと、たとえ夫婦でもいっしょに住むことは許されない。そんな夫婦が現在７００組。台湾の「媽祖（まそ）の祭り」を交えながら、台湾と大陸に離れ離れに暮らしている若いカップルたちの思いを描く。

お茶屋遊びは線香１本が燃え尽きる時間を単位にして代金の基準とした。遊び好きの若旦那の癖を直そうと、親は息子を百日間蔵に入れる。相思相愛だった芸者小糸は急に来なくなった若旦那に手紙を書き続けるが恋煩いで死んでしまう。百日目、若旦那は急いで小糸に会いに行くが死んだと知り嘆き悲しむ。どこからか聞こえてくる小糸と思われる三味線の音が急に止む。不審に思う若旦那に女将は「線香が切れました」。

終戦から４７年、日本とドイツの戦後補償、戦後処理の問題を多角的に比較する。軍事裁判、戦争犠牲者への補償、周辺諸国への賠償、教科書の戦争記述、教育などの観点から、両国の違いを検証する。◆まず日独両国が歩んだ戦争の軌跡をたどって、戦後処理へすすむ。Ａ級戦犯とされながらも社会的地位を回復した人物もいる日本、現在も旧ナチ党員の調査と起訴の準備が続けられているドイツ。日本国籍を持つ軍人のみに補償を行ってきた日本、軍民に差をつけず補償を行ってきたドイツ。日本が戦後補償として支払った金額は、ドイツの４０分の１にしかならないという。

がんこ者のカラオケビデオ制作者が仕事に対する愛着、女への思いを込め最後の作品を撮る。◆亀岡は札幌のビデオ制作会社のディレクターでカラオケビデオ専門に撮っている仕事人間。現場はもう若い連中に任せて新設の企画室長になってくれと社長の石上からいわれるがなかなか承知しない。そんな亀岡がなじみのホステス・みつ子に最後の作品に出演してほしいと頼む。二人は互いに好意をもっていた。亀岡の最後の作品が二人の心を引き寄せていく。