「新人類」「異星人」などと呼ばれ、とかくわからないといわれる現代の若者たちの心の病い、性に対する考え方の変化を浮き彫りにし、先の見えない今の社会の中で、たくましく、めげずに生きようとしている若者の姿を追う。遊びながら生きてゆくのが理想だと話すマルチ人間。学生でありながら、コンピューターのソフト会社の取締役であり、イベント屋である青年など新しいタイプの若者像をさぐる。１０代で出産し、無事高校を卒業したある女子高校生のリポートなど、ドラマとドキュメンタリーで紹介する。

２４時間営業のコンビニエンスストアに深夜働く男たちを描くドラマ。（１９８６年６月１３日〜７月４日放送、全４回）◆大学生の省一（松田洋治）がアルバイトしているコンビニエンスストアに、耕三と名乗る男（千葉真一）が突然訪ねてきた。耕三は今夜から働くことになっているというが、何も聞いていなかった省一は不機嫌になり、ぶっきらぼうに仕事を教える。そこへ美女・絹代（名取裕子）が来店。とたんに取り乱す省一に耕三が理由を尋ねると、「あの女を征服しなければならない」とうろんなことを口走る。耕三がさらに問い詰めようとしたとき、万引きグループが店へ入ってきた。

妻のほうが１５歳も年上という夫婦の、世代のギャップから生じるエピソードを描くラブコメディー。（１９８６年７月３日〜９月２５日放送、全１３回）◆頼子（八千草薫）は４７歳。夫の直治（宇津井健）は仕事一筋、妻には無関心のモーレツ商社マン。そんな夫に愛想をつかした頼子は、子供たちが一人前になったのを機に離婚、３２歳の五郎（三浦洋一）と再婚した。頼子は幸福だったが、新婚生活は波乱に満ちていた。頼子を愛して結婚した五郎だが、やはり年の差は気になる。五郎はこの結婚を会社にも友人にも言いだせないままでいた。

厳寒のオホーツクを舞台に、家出老人が体験する様々な人間との出会いを通し、生きることの素晴らしさ、はかなさを描く。◆７０歳に手が届こうかという男・野中一平（鈴木清順）が流氷押し寄せる沖に向かって怒鳴っていた。家族に疎んじられ、ひとり家を出て、やるせない思いを海にぶちまけていたのだ。彼は入水自殺しようとしていた女・知佐子（大楠道代）を救おうとするが、水の冷たさに倒れ、逆に助けられる。流氷祭りの日に知り合った老婦人・キクノ（奈良岡朋子）への淡い恋心を胸に旅を続ける一平は、独りで生きる勇気を取り戻し、雪中でエンコしていた車を失敬してトラック運転手・隆治（渡辺謙）と街道レースを展開する。

１９２０年（大９）、日本と朝鮮の友好の名のもとに李王朝に嫁いだ梨本宮方子王女の激動の生涯と、日韓関係の原点をさぐる歴史ドキュメント。方子女史の回顧、日韓両国の関係者と歴史学者の証言、当時の資料フィルムをもとに、世紀の政略結婚といわれたその舞台裏、第１王子の謎の死、日中戦争、臣籍降下、帰韓、夫の死など、その波乱の生涯を描く。

元暴走族の保（長渕剛）と元スケバンの加代（志穂美悦子）の内縁の夫婦は、下町で小さいラーメン屋を営んでいる。気が強い２人の間でケンカが絶えない。ある日、男性客が小学生の麻理男（柴田一幸）を置き去りにしていった。結局、２人は麻理男の面倒を見ることになった。しかし麻理男は自閉的で、保がリュックサックに手をかけると暴れた。リュックの中には麻理男の母が家出し、父も人が変わってしまったという作文が入っていた。こうして３人の奇妙な生活がはじまった。（１９８６年８月１６日終了）

紬織作家・宗廣力三の神奈川県南足柄市にあるアトリエを訪ね、紬織が出来あがるまでを紹介し、話を聞く。◆宗廣力三は１９１４年（大正３）、岐阜県郡上郡八幡町生まれ。３１歳の時、郷土の青年育成運動の中で紬織の研究を始めた。伝統の織に新しい手法を加え、郡上織を世に出した。１９８０年（昭和５５）南足柄市に移り住み、自然を生かした紬を織り続けている。

長崎で被爆し、東京で３７年間の教師生活を送った江口保さんは、停年まで３年を残して辞職し、家族と別れてひとり広島に移った。広島への修学旅行に一つの型を作った江口さんの新しい旅立ちを追う。◆１９７５年、新幹線が博多まで開通したのをきっかけに、勤務先の上平井中学でヒロシマへの修学旅行を実現させた江口さん。被爆者の証言を聞いたり事前学習をするスタイルの旅行を定着させ、上平井方式と呼ばれるようになったこの旅行を全国に広めた。しかし、年々年老い、逝く被爆者の声をより多くの学生につたえてもらうために自ら広島で行動する決心を固めて広島に移り住んだ。