幕末の動乱期、藩民挙げて討幕軍と戦った会津藩の人々を描く。会津の武士やその家族の悲劇、志に燃えて短い命を散らした少年たちの青春群像。２夜連続。◆会津を盟主とする東軍と、薩長を筆頭とする西軍は全面戦争に突入。だが、物量の差はいかんともしがたく、東軍は各地で敗走。会津鶴ヶ城下に入った敗走兵の中に、新選組の生き残り・土方歳三（近藤正臣）もいた。その中、白虎隊士中二番隊は寒さと飢えと戦いながら、ようやく飯盛山にたどりついた。

１９８５年（昭和６０）、アメリカは４９７億ドルにのぼる史上最高の対日貿易赤字を記録。日本への不満の声は一挙に高まった。一方、円高は予想を越える急ピッチで進み、日本国内では企業倒産に備え“円高対策”が叫ばれている。しかし、アメリカ側は日本の円高対策そのものが輸出産業保護だと非難している。円ドルの適正レート・安定した通貨制度・市場解放・自由貿易・金利の引き下げなど、日米経済体制の中で最も賢明な方途を求める日米テレビ討論。◆副音声は英語

　フィリピンでは大統領選挙が２月７日に行われる。現職のマルコス大統領と暗殺されたアキノ元上院議員の未亡人コラソン夫人との一騎打ちという形で激しい選挙が戦われる中、フィリピン問題の根底といわれる貧困と飢餓のネグロス島を取材した。◆中部ビサヤ地方に浮かぶこの島は「砂糖の島」と呼ばれているが、ここでは大土地所有制が今だに続いておりマルコス王朝をささえる砂糖財閥が島の労働者の血と涙と汗を吸い続けてきた。そして今、深刻な貧困と飢餓に苦しむ労働者たちが武器を手に戦いはじめ島全体が政治化してきている。

滋賀県高月町渡岸寺の国宝十一面観音を中心に琵琶湖北岸の村々に祭られた観音菩薩を、劇作家如月小春さんとともに訪ねる。◆十一面観音はその１１の顔で人間の悩み、苦しみ、そして願いを受け止めている。穏やかな顔が自分に直接語りかけてくるときは、自分自身も非常に穏やかな気持ちでいるときかもしれないし、あるいは憤怒の表情が伝わってくるときには、自分にも怒りのエネルギーのようなものがわいているときかもしれない。如月さんは、観音に向かう自分の気持ちをその１１の顔が映し出しているように感じ、人間の心の鏡ではないかと考える。

日常に密着した路線バスに乗って旅をするシリーズ。この回は東京都有楽町から埼玉県飯能市まで初冬の武蔵野を、各地の祭り・名所を訪ねながら行く。◆都営バスで数寄屋橋を出発、新宿西口で京王バス・関東バスを乗り継いで中野、吉祥寺、井の頭公園へ。石神井、善福寺公園を紹介しつつ１日目は調布市泊。翌日は多摩川辺りの混雑に巻き込まれたりしながら大国魂神社の大酉祭を紹介、武蔵小金井から深夜の最終バスで小平団地へ。ビジネスホテルにようやく投宿する。３日目は武蔵小金井から西武バスで清瀬へ…と進んで、５日目の飯能市、子宝子育ての権現さま、天竜寺へたどりつくまで４５５停留所を通過。

読売ジャイアンツ期待の新人、桑田真澄投手がプロ入り３試合目にして完投初勝利をおさめるまでを密着取材し、本人の声を交えながらプロ野球に賭ける１８歳の青春を描く。◆高校１年の夏から５度の甲子園出場、戦後最多の２０勝をマークした桑田投手は、強打者・清原和博選手と並んでまさに甲子園の寵児であった。この親友二人がライバルになったのは、１９８５年１２月のドラフト会議。巨人軍の一位指名を受け、早稲田大学進学をひるがえしたのは、彼にとっても一世一代の決断であった。エースナンバー１８を背に、自主トレ、キャンプ、教育リーグと積み上げて、イースタンリーグでは４勝１敗。５月１９日一軍入り、２５日初登板、２８日初先発、そして６月５日、初勝利を完投で飾る。

１９４５年４月７日午後、世界最大の戦艦・大和は東支那海で米軍機の攻撃を受けて沈没し、乗員３，３３３人のうち２，７２３人が海の藻屑と消えた。◆毎年４月７日の命日には、残された大勢の女たちが広島県呉市にある「戦艦大和の碑」を訪れ、刻まれた男たちの名前をくい入るように見つめる。彼女たちにとって、４１年前の出来事は昨日のことのように止まったままである。兄を失った妹は今も恋人のように亡き兄を慕う。戦後再婚したあとも、戦死した夫の面影から離れられない妻もいる。兄を、夫を、息子を失った女たちが、その思いを語る。

東京都新宿区の新宿駅を出発して、神奈川県横浜市、湘南、山梨県道志村、富士山麓、甲府市、長野県南佐久郡南牧村、佐久市、軽井沢を経て上田市別所温泉までの６６０キロ、路線バスを乗り継いでの旅の後編。◆路線バスの旅の後編はまず富士のふもとの御殿場からスタート。途中のある区間では今ではめずらしくなったボンネットバスが登場する。また、千曲川で漁を行う人や菓子の行商人などとの交流もあった。そして鯉料理や郷土料理を紹介し、さらには旅行者の一人である服部幸應が自ら腕をふるった鍋料理を味わう。シーズンオフの軽井沢は人影もまばらだが、ここでは貸し別荘を借りてみる。旅のフィナーレを飾るのは別所温泉で、ゆったりと露天風呂につかり長い旅も終了する。