徳川幕府初期から宮中・幕府の作事奉行をつとめ二条城、仙洞御所、頼久寺などの庭園を手がけた小堀遠州（１５７９〜１６４７）が自らのために作った唯一の庭、大徳寺孤篷庵のたたずまいを紹介する。当代最高の茶人でもあった遠州は孤篷庵に＜露地＞の庭を造った。門前の石橋から、敷石道をたどり、方丈（住職の居室）をぬけて茶室「忘筌」へ出る。近江八景に見立てたとも言われる庭に、窓の下半分を吹きはなした舟窓のような窓をもつ「忘筌」。小波に見立てた天井の木目に手水鉢の反射光が月として浮かぶ、凝った趣向を見せる。日本庭園の演ずる視覚的ドラマ。◆放送番組センター協賛番組

そば屋を舞台に３人兄弟と両親、店に出入りする人々との交流を描く。（１９７６年２月２６日終了、全５２回）

１９７５年の天皇皇后両陛下ご訪米（９月３０日～１０月１４日）に際し、天皇陛下をアメリカ市民に紹介する目的で、国際交流基金の委託により制作された番組。◆天皇陛下の日常や公務などの映像を通して、１９７５年現在の「天皇」を紹介する。また、古代は秋の収穫を祈る祭司でもあった天皇の歴史と伝統、そして文化継承者としての天皇を、正倉院の宝物やさまざまな儀式の中に見てゆく。両陛下のお人柄、伝統文化と天皇、日米関係と天皇を柱に構成し、日本国民の敬愛を集める天皇陛下を明るく描いた。

昭和半世紀の節目にちなみ、５０年間の記録フィルムと関係者の証言で時代を分析し、昭和を動かしたものは何かを考える。（１９７５年４月６日～１９７５年１２月２８日放送、全３９回）◆この回のテーマは零式艦上戦闘機「ゼロ戦」。レポーターは松山英太郎。

赤紙一枚で召集された東京下町の印刷工・山尾信治（小林桂樹）は、家族全員を疎開先の広島で失う。復員後、あの赤紙が区役所兵事係長・河島佐一郎（下元勉）の気まぐれで出されたと知った山尾は、軍隊生活でいじめ抜かれた古参兵の安川哲次（荒井注）と河島への復讐を決意する。原作：松本清張。

豊臣秀吉（１５３６〜１５９８）が自ら縄張り（設計）し、３人の奉行と３００人の人手を要して造られた、桃山時代を象徴する醍醐寺・三宝院庭園（口絵写真参照）を紹介する。庭の主人石となっている「藤戸石」は名石の誉れ高く、ほかにも「加茂三石」など名高い庭石の数々が納まっている。水音が変化するように造られ３段の滝、書院前庭の池に浮かぶ亀島、鶴島など、秀吉好みの豪華な名園が絵巻のように展開される。日本庭園の演ずる視覚的ドラマ。◆放送番組センター協賛番組

満蒙開拓青少年義勇軍には、長野県からは全国で最も多い５４００人が参加。そのうち、約１４００人の少年が大陸の土となった。義勇軍送出の原動力となったといわれる信濃教育会と時代背景に視点をおき、戦時下での少年たちの歴史を検証する。

木曽馬の純血種「第３春山号」との別れ、森林鉄道の廃止、更にはダム工事で水没した村や、過疎で廃村になってしまった村など、この一年、木曽は「別れ」の連続であった。番組では、木曾の四季を美しい風物詩として伝えるだけでなく、「別れ」と「出会い」が交錯する所という視点で描いている。中部日本放送創立２５周年記念番組。