夏の名古屋城。売店に勤める伸子（かとうかずこ）のもとへ、旅で知り合った商社マン・小倉（片岡孝夫）が訪ねてきた。猿面茶席で茶道の若先生のふりをする伸子に、小倉は意外な頼みを切り出す。「“蝶の鼓”をみせてもらいたい。出来れば譲ってほしい」。その鼓は茶席の亭主である衣沙子（奈良岡朋子）のものだ。話は２５年前へとさかのぼっていく。小雪舞う京都・白川巽橋、１人の少年が父の使いとして、ある小料理屋を訪れる。

自動車事故防止のための実験を通して、分離帯事故の原因と防止策を考える。◆道路の中央分離帯事故では、車が反対車線に飛び込み、時には２メートル近くもジャンプすることがあるという。成蹊大学工学部の江守一郎教授グループは、このジャンプのメカニズムを調べるため、模型実験、さらには実際の激突実験を行い、そのメカニズムの解明にあたっている。

熊本の民謡の中で「おてもやん」ほど全国に知られた民謡はない。しかし誰が作り、いつ頃から歌われ出したのか定説はない。熊本の女子大生４人がその「おてもやん」に興味を抱いて由来を調べる。幕末の勤皇志士の忍び歌、１８７７年（明１０）西南の役で熊本士族をやゆした歌、実在した「おても」と「彦一」をはやしたてた歌と、諸説あってはっきりしない。そこで４人は、資料が残っているという実在説を追ってみたが…。

文学作品のゆかりの地を訪ね、風景やそこに暮らす人、その作品に影響を与えた人にふれることで、文学作品のもつ「もうひとつの世界」を探る、文学紀行番組の新シリーズ。第２集まで制作・放送された。（第１集／１９８１年１０月４日～１９８２年３月２８日放送、全２６回）◆第９回は夏目漱石の「三四郎」（１９０８年）を取り上げる。作品の舞台である東京大学および、本郷・森川町界隈での取材と、再現映像を交えながら、作品の世界観とその背景に迫る。当時の東京大学構内、本郷界隈の市電の様子などの話とともに、松永伍一が三四郎の視点を解説。学問と恋愛の間で迷子（ストレイシープ）になる三四郎を、ラジオＤＪの小林恵子が導いていく。

夫に先立たれたあと、姑に仕える一人の女性を主人公に、主婦の幸せ、本当の自由とは何かを問いかけるホーム・ドラマ。水木洋子の書き下ろし。（１９８１年１１月１０日～１９８２年４月２０日放送、全２４回）◆柔道場に、権（小野寺昭）の先輩・中山（菅原謙次）がこま子（池内淳子）の旧友・エマ夫人（ベティ・フォード）を伴ってやってきた。エマ夫人はイギリスから柔道の修業にきたもので、こま子と手合せをしたいといい出した。一方、福山家の姑・千巻（北林谷栄）は、こま子の亡き夫・武光の子を産んだというしず（市原悦子）の自宅を訪ねる。

はえ縄切断事件をきっかけとして明らかになった米ソ軍事行動の一端を追うリポート。１９８１年（昭５６）５月１９日から秋田沖で予定されていた日米共同訓練に向かう途中、アメリカ海軍第１３駆逐戦隊が突然Ｕターンした。そして最盛期を迎えていた積丹沖のマス漁の海域でジグザグ行動をくり返し、多くのはえ縄が切断された。アメリカ側の発表によればこの時、ソ連のミサイル巡洋艦が米艦艇を終始追尾していたという。

１９０５年（明治３８）８月から９月にかけてアメリカのポーツマスで開かれた日露講和会議を軸に、新たな視点で近代日本の外交史を描いていく。（全４回）

　世界中の人々の暮らしぶりや自然を紹介する、海外取材ドキュメンタリーシリーズ。全米写真家協会プロフェッショナル最高賞を受賞し、国際的にも評価された。（１９６６年１０月９日～１９９０年９月１６日、全１０００回）◆オーストラリアの南に浮かぶ珍獣・奇獣の島、タスマニア島のユニークな動物たちを紹介する。太古の自然の姿をとどめるタスマニア島の森は、有袋類の天国である。取材班は１９３４年以来姿を見せないという幻の有袋肉食獣、タスマニアオオカミを捜す探検隊に同行、小型の有袋肉食獣、タスマニアデビルなどさまざまな珍獣たちに出会う。中でも極めつけの珍獣は、卵を生む哺乳類、カモノハシ。これは進化の中間段階にある珍獣である。