１９４７年生まれの３５歳。かつて高校の同級生だった７人の女性の、それぞれの自立を描くドラマ。◆高校を卒業して１７年目のクラス会。昔グループだった８人の仲間のうち１人が会場で急死。あとにその女性の一人息子が遺される。彼女は未婚の母だった。しかもその子は腎不全。その子のために７人は何ができるか、あるいはできないか。腎移植のクライマックスへ向けて、７人の現実が描かれる。

雪解けと共に長かった冬も終わり、牧草地に再び春がやって来た。冬眠から覚めた蜜蜂のマーヤは、物知りのバッタのおじさんフィリップに会いに行く。しかし、フィリップの家は冬の間に火事で焼けていたのであった。フィリップのことを心配するマーヤと友達のウィリー。彼らはやがて、火傷をしたフィリップの看病をしていた鼠のマウシィと出会う。こうして、仲良しになった３人の新たな冒険が始まった。原作：Ｗ・ボンゼルス「みつばちマーヤの冒険」。（１９８２年１０月１２日〜１９８３年９月２７日、全５２回）

上方落語を切り口にして、芸能、風俗、歴史に触れ、伝統芸の持つ奥深さと、世の中とのかかわりを解き明かしていく異色の落語番組。“芝居ばなし”は誰も演じなくなったが、これは話のもとになる歌舞伎が一般に理解されない時代になってきたため。ゲストの浪花の絵師四世長谷川貞信が、初代からの貴重な絵を公開、道頓堀五座の今昔に話を展開していく。

文学作品のゆかりの地を訪ね、風景やそこに暮らす人、その作品に影響を与えた人にふれることで、文学作品のもつ「もうひとつの世界」を探る、文学紀行番組の新シリーズ。第２集まで制作・放送された。（第１集／１９８１年１０月４日～１９８２年３月２８日放送、全２６回）◆最終回は、島木健作の「赤蛙」（１９４６年）を取り上げる。島木は香川県で農民運動に打ち込んだが、逮捕後転向し、プロレタリア作家「島木健作」として再スタートした。修善寺を舞台に描く「赤蛙」は、彼の死後発表された遺作である。急流に流される一匹の蛙に自身の姿を見ようとした島木の思いを、評論家で作家の松永伍一氏の解説で探る。宗教家が「赤蛙」の中に見出す島木健作も紹介する。

東京国立博物館の林屋晴三が、百日余り窯をたき続け新しい境地を示す新作数十点を制作した、加藤唐九郎に聞く。◆土を求め飽くことなく歩き続け、今回も１００種類以上の土を試して作ったという茶碗を紹介する。「土の持つ性質が形・色彩となって自然に表れているのが良い作品と思う。今初めて多少の自信がもてるようになった」と８４歳の唐九郎は意欲的に語る。

深刻化する老人問題を、ひとりの医師と老人を抱える主婦の目を通して描く。原作：早川一光「わらじ医者京日記」より。（１９８２年７月４日〜８月１日放送、全５回）◆最終回。京都・西陣の一角にある病院に勤務する医師・安川（田村高廣）は、地域の人たちを診察し続けて３０年。最近は老人ばかりが訪れる。石山のトクおばあさん（大路三千緒）の痴呆はひどく、家庭の理解と協力もなく看護に疲れた嫁の延子（江波杏子）は家を出る。妻の家出で問題の深刻さに気づいた夫の達夫（小島秀哉）は、母を老人ホームに入れようとするが、延子はやはり自分が最後まで面倒を見ようと決心する。延子の温かな看護で姑は安らかに息を引きとる。

入院中の老妻の身を案じながらも、息子の転勤のために遠く離れて住まなければならなくなった老人の心の動きを追い、老夫婦の愛を描くと同時に高齢化社会、核家族化などの問題を見つめたドラマ。◆名古屋に暮らしていた隆吉は、入院中の妻を気にしながら息子一家と富山へ引っ越した。しかしどうにも気にかかるので名古屋へ行きたいと息子に打ち明けるが、ひと月もたたないのにと言われてしまう。隆吉は黙って家を出、名古屋へ向かうがお金が足りず途中で電車を降ろされてしまう。

和歌山県田辺市に展開する２つの対照的な自然保護運動を追ったドキュメンタリー。一つは別荘地としての開発計画が進む天神崎の自然を守ろうと、市民からの募金活動を進めているグループ。もう一つは、近くの芳養湾を埋め立てて火力発電所を誘致しようとする行政の構想に反対する運動である。２つの運動の間に交流はない。市民運動も地域環境やテーマによって方向性に違いが起こりうる。番組では、２つの自然保護運動を紹介し、こうした複雑な社会の仕組みなどを考える。