若き新聞記者・生島雄介（草刈正雄）を主人公に、今日的な社会問題にからむ事件を描いていく。一話完結シリーズの第二話。（１９８３年１月２２日〜１月２９日放送、全３回）◆大学職員だった山田良介（千秋実）が、別居中の妻を殺したと自首してきた。学生のとき世話になった生島は山田夫妻をよく知っているだけに、信じられない。警察にも弁護士にも口をつむぐ山田は生島に「仕事ひと筋だった私が定年を迎え、妻から別れてくださいと言われ、どうしてよいか分からなくなった」ともらした。

８世紀、唐とアラブの２大文化圏が全面戦争を繰り広げた有名な「タラス川の決戦」。唐の敗北で中央アジアはイスラム教圏となる。１０〜１３世紀最も栄えたタラスに当時の面影をしのび、中央アジア最大の都市タシケント市、カザフ最古のトルケスタン市、１３世紀の王国跡・オトラル都城址に東西交流の出土品を見る。大河シルダリア川からキジル・クム（赤い砂漠）を通って、二千年の謎を秘めた古代ホレニズム王国へと行く大草原の熱い旅が続く。◆タラス古戦場、ババジ・ハトウン廟、チリヤ・シェイク寺院、ホッジ・アフメッド・ヤサビ廟、オトラル都城址、古代ホレズム王国跡

アラビアンナイトの舞台になったイラクのバグダッドを中心に、世界文明の発祥の地・メソポタミア地方の過去と現在を見る。◆メソポタミアとは「２つの川の間」の意。母なるユーフラテスと父なる川チグリスに挟まれ、豊かな文明が花開いた。今、バグダッドはビル工事ラッシュ。一方、四千年来変わらぬ葦の文化やシルクロードで東西文明が交錯した隊商都市ハトラの遺構など古きを訪ね、高速道路建設で変ぼうするシルクロードの歴史を眺望する。◆ジクラット、サマーラのミナレット、サンマッチ修道院、ハトラの遺構

勉強はからっきしだがケンカとイタズラは天才的な小学生、桜間長太郎。あだ名はあばれはっちゃく。型破りな発想と抜群の行動力で巻き起こす事件の数々を描く。（１９８５年２月２３日終了）◆転校した長太郎、相変わらず学級内ではトラブルが絶えない。始業式の前日にある人に大目玉をもらうが、その人はなんと教頭先生だった。ある朝、登校途中印鑑を拾い交番に届ける。その印鑑が教頭先生の大切なものと分かり、無事教頭先生の手に戻る。

四万十川にテレビカメラを持ち込み、そこに棲む魚の生態のほか、豪快なアユの火振り漁や痛快なウグイ漁など、流域のほのぼのとした川の暮らしを紹介。清流・四万十川の魅力を描く。四国山地に源を発する四万十川は、高知県の７つの町や村を流れて土佐湾に注ぐ、全長およそ２００キロの大河である。ダムがひとつもなく、流域に大きな工場がないために、昔と変わらない豊かで清らかな流れを保っている。

作家・井伏鱒二が、自らの生い立ち、自作、太宰治との関わりなどを語る。◆井伏鱒二（１８９８～１９９３年）は、現代日本文学の至宝といわれ、日本文学の頂点に位置する作家の一人である。これまでテレビに姿を見せることは殆どなかったが、今回（１９８３年）ＮＨＫの取材に応じ、作家・開高健氏、編集者・岩波剛氏と酒を酌み交わしながら文学、人生、酒を論じ、さらに長野県八ヶ岳山麓の別荘で自らの半生や釣りの話、太宰治や小林秀雄との出会いなどを語った。また、日下武史が朗読する「荻窪風土記」や矢嶋又次氏の描いたスケッチを折り込みながら、荻窪界隈の遷り変わりと戦前の暮らしを偲ぶ。◆昭和５８年度文化庁芸術祭参加

中国地方５県に伝承されてきた伝統工芸の担い手たちの技能と生き方を風土との関わり中で描くシリーズ。中国放送、山陰放送、山陽放送、テレビ山口の４社共同制作。放送番組センター協賛番組。◆備後国（広島県東部）、沼隈郡の山南地区を中心に作られてきた畳表「備後表（びんごおもて）」は、古くから「すぐれもの」として中央に献上され、日本最高の畳表とされた。江戸時代初期、それまで不要品として捨てられていた短いイグサを中央で交差させて織り上げる「中継ぎ表」が考案されると、生産量は飛躍的に増大し、庶民も畳に手が届くようになった。畳表の製造は藩によって厳しく統制されたが、明治以降は業者が組合を作り、品質の維持向上と販路の拡大を図ってきた。だがイグサ関係の労働は厳しく、手織りの畳表は僅か数人の古老に受け継がれるのみとなった。沼隈で生まれ育った寺岡ウメコさん（７１歳）は、数少ない技術継承者の一人である。自ら栽培したイグサを収穫し、泥染め、天日干しなどの作業を経て、沼隈独特の「中継ぎ」の技法で手織りする。

貧しい農村に生まれた少女が幾多の苦難を乗り超え、やがてスーパーマーケットのチェーン店を経営するようになるまでを、生まれ故郷を旅する彼女の回想という手法で描く。作：橋田寿賀子。ＮＨＫ連続テレビ小説第３１作。（１９８３年４月４日～１９８４年３月３１日放送、全２９７回）◆おしんは髪結いの師匠・長谷川たかのもとでわき目もふらずに働いた。おしんの根性と心根にほれ込んだたかはおしんに洋髪を結うことを勧めた。おしんは客を装い、洋髪を結う店を回って勉強をする。そんな折り、たかの店に洋髪を結ってほしいという客が現れる。