世界中の人々の暮らしぶりや自然を紹介する、海外取材ドキュメンタリーシリーズ。全米写真家協会プロフェッショナル最高賞を受賞し、国際的にも評価された。（１９６６年１０月９日～１９９０年９月１６日、全１０００回）◆ブラジルとアルゼンチンの国境に横たわるイグアスの滝。イグアスの滝は、その幅でナイアガラの滝の４倍、高さで５０メートル、流下水量で１．５倍という壮大な滝である。この世界一の滝の滝つぼを探検し、そこに住む珍しい生物たちの姿を追う。岩ツバメの一種は、この滝の裏側に営巣する。滝から飛び出しては、ヒナの餌をとらえ、滝の激流に突っ込み、突き抜け、自分の巣に通う。

Ｎ響誕生からの６０年間の世相を織り込みながら、Ｎ響のエピソードと折々の演奏を中心に、Ｎ響が生き抜いてきた激動の時代を証言ドキュメントとして構成した。◆日本で最も古い歴史を持つオーケストラ、ＮＨＫ交響楽団が、創立６０年を迎えた。６０年前、Ｎ響が新交響楽団として誕生したときは、ヨーロッパから「極東に咲いた音楽の奇跡の花」として注目されたが、Ｎ響の歩みは、そのまま時代を映す昭和の文化史でもある。

定年間近の父と、ＯＬ、そして看護学校に通う娘の３人家族のそれなりに平和な暮らしを、父に愛人がいたという事実がかき乱す。（１９８６年４月１２日～５月３１日放送、全８回）◆第一回「てるてる坊主」。宮本明日子（田中裕子）は出版者の営業部に勤める２７歳のＯＬ。１０年前に母を亡くし、定年間近の父・公平（池部良）と看護学生の妹・今日子（小泉今日子）と３人で暮らしている。実は明日子は同じ会社の小中市太郎（柄本明）と結婚の約束をしていたが、父と妹には言えずにいた。妹が“ねぼけ”の発作を起こしたりするので安心して嫁ぐ気になれないのだ。そんなある日、父に長く付き合っている愛人がいることがわかった。娘たちは激しく動揺する。

名古屋の徳川美術館に伝わる尾張徳川家の大名コレクションの美術的価値をエピソードをまじえながら紹介するシリーズ。（１９８６年２月１０日〜２月１４日、全５回）◆第１回は家康・秀吉ゆかりの名品を紹介し、桃山文化の息吹きを伝える。

「託卵鳥」とも呼ばれるカッコウは、自らは巣を作らず他の鳥の巣に卵を産みつけてその鳥にヒナを育ててもらう。メスのカッコウは、オオヨシキリやオナガが巣づくりするころから物かげにひそんで託卵の機会を狙い、親鳥が巣をあけた間に飛びこんでその巣の卵を１つ盗み、そこに自分の卵を産みつける。その卵は他の卵より１日から２日早くふ化して、他の卵を巣の外へ放りだし、その巣の親鳥からもらうエサを独占して成長する。番組では、長野県の千曲川を舞台に、カッコウの奇妙な生態を紹介する。

アパルトヘイト、人種隔離政策をとり、世界各国から非難の対象となっている南アフリカ。大多数の黒人を除外してインド系、混血系と白人だけの議会を作ってから人種暴動が激化し、今や路線をめぐって黒人同士の殺し合いまでに発展している。白人だけの都市・ヨハネスバーグ近郊の黒人居住区ソエトには、１５０万の黒人が、完全に白人から隔離された生活を送っている。殺人が殺人を生み、抗争はエスカレートするばかり。また白人側も右翼と進歩派の亀裂が深くなっている。取材の難しい南アフリカでの動きを伝えた番組。

日本一寒い町、北海道母子里（もしり）は冬の間２メートルを超える積雪とマイナス３０度の寒さが続く厳寒の地である。日本最寒の土地に生きる人々とその大切な足である鉄道の織りなす冬を記録する。◆母子里は１９７１年（昭和４６）から７５年の間にマイナス２５度以下を１００回、１９７８（昭和５８）年２月１７日にはマイナス４１．２度を記録している。この母子里のある幌加内町を縦に走り、名寄と深川を結ぶ深名線は日本一の赤字路線だが、雨煙別（うえんべつ）・蕗之台・白樺の３駅は全国で唯一冬眠する駅として知られている。

今も路面電車が走る函館の元町と末広町を中心に、明治から大正時代の面影を残す建造物や町並みを紹介する。◆幕末の開港以来、函館は諸外国からさまざまな人と文化を取り入れてきた。貿易会社の事務所や皇太子時代の大正天皇が訪れたことのある公会堂をはじめ、赤レンガ倉庫、郵便局、民家、教会など、西洋の建築様式を模した当時の建物が、今も保存されている。あるものは文化遺産として保存され、またあるものは市民のいこいの場所として生まれ変わり、ともに人々に親しまれている。