中国残留孤児の定義は「終戦時１３歳未満の者」に限られていた。そのため本人の意思で中国に残ったと見なされ、援助対象からも外されてしまった人々の戦後を追い、忘れられようとする中国残留婦人の問題を探る。◆そのほとんどは青春を旧満州で過ごした女性たちで、敗戦の混乱によってとり残されてしまった。遼寧省に住む張淑琴さん（日本名は沢田菊子、５７歳）は大連に生まれ、４歳で父母と死別して以後中国人と日本人の養父母に育てられて中国人と結婚した。終戦当時は１６歳、身元がわからないため日本への引き揚げもできなかったという。

「銀河テレビ小説」で好評を得て、再編集版としてアンコール放送したもの。１９５４年（昭和２９）１２月から翌年３月までの東京都足立区を舞台にしたホームドラマ。（１９８６年２月７日〜３月１４日放送、全６回）◆小学校５年生の西野たけしは貧しいペンキ職人の三男坊、父竹次郎（林隆三）が小学校も満足に出ていず、新聞も読めないのに比べ、母の真理子（木の実ナナ）は高等女学校を卒業した才媛である。一家は祖母を含めて６人、竹次郎は酒飲みで、暮らしは楽ではなかった。そんな中で、たけしが家族の愛に守られながら、さまざまな出来事を経験して、たくましく成長していく姿を描く。

滋賀県高月町渡岸寺の国宝十一面観音を中心に琵琶湖北岸の村々に祭られた観音菩薩を、劇作家如月小春さんとともに訪ねる。◆十一面観音はその１１の顔で人間の悩み、苦しみ、そして願いを受け止めている。穏やかな顔が自分に直接語りかけてくるときは、自分自身も非常に穏やかな気持ちでいるときかもしれないし、あるいは憤怒の表情が伝わってくるときには、自分にも怒りのエネルギーのようなものがわいているときかもしれない。如月さんは、観音に向かう自分の気持ちをその１１の顔が映し出しているように感じ、人間の心の鏡ではないかと考える。

物体を縮小する技術を開発した人類は、有人医療作業艇をミクロ化し体内に送り込んで医療を行う救急隊を発足させた。時を同じくして、人体に侵入し「生命元素」の捜索をおこなう宇宙人が襲来。救急隊は彼らを相手に戦うこととなる。番組の最後に手塚氏自身による「本日治療した処」についての解説が入る。（４月１６日開始、全２６回）◆王を刺して姫を人質に取ったズダーは、ドクター・ミヤの脳内に立てこもった。ズダーを追ってワンダービート号も緊急ワープ。最後の闘いのときが来た。

１本のペン先から、「アトム」「レオ」「ブラックジャック」など、数々の個性豊かなキャラクターを世に送り出し、マンガを新しい文化にまで高めた、マンガの神様・手塚治虫。デビューして４０年、常に第一線を走りつづけてきた手塚治虫の仕事場は都内某所のマンションにある。夫人以外は誰も出入りしたことのない、この未公開の「創作の密室」に初めてテレビカメラを持ち込み、リモート・コントロールにより、マンガの神様の制作の苦闘を凝視し、その創作の秘密を余すところなくとらえた。

渡り鳥の謎を解き明かす科学ドキュメント。春になるとオオルリやキビタキなどの渡り鳥が日本へ飛来する。鳥たちの飛来は夜間であるため、その様子は謎につつまれている。通過地点の豊後水道・水の子島灯台にレーダーや超高感度カメラを据え、渡り鳥の夜の飛行生態を探り、天候悪化で灯台に衝突する現象も紹介する。

盛岡のみちのくみどり学園（ぜんそく、腎臓病、いろいろな病気の子１７０人が治療をうけている）から１２人の子供たちが「１００キロ歩いて海を見よう」に参加した。１１月１日、盛岡市役所前を他の学校の子供たちとともに１００人で出発。宮古市を経て、ゴールの浄土が浜まで足にマメをつくりながら３日がかりで１００キロを歩きとおすまでを記録した。

さまざまな制約の中から、「作品」とも呼べる家屋が完成するまでを追うドキュメンタリー。苦労の多い「家造り」を通して、「家とは何か」「生きるとは何か」を、大量生産的な家を拒否する安藤さんと、それに共鳴した夫婦とともに考える。◆建築家・安藤忠雄さんの事務所に、若いサラリーマンの夫婦が、自宅の新築を依頼に来た。下町の商店街の中にある１５坪の土地、予算は２千万円。制約は多いが、建築の原点ともいえる小住宅の設計に安藤さんは自分の思想を生かそうと挑んだ。しかし、工事期間６カ月の間に資金、施工、近隣とのトラブルなど、色々な障害が出てくるのだった。