「女の人差し指」「眠る盃」などの向田邦子のエッセーをもとに、昭和中期の家庭と家族の心の中に起きたさざ波のような動揺を、良き時代の正月風景の中に捉えようとしたドラマ。太平洋戦争がすぐそこまで迫って来ていた１９４０年（昭１５）１１月、紀元２６００年式典の夜、軍人遺族の家の長女・文子は暴漢に襲われたが、連城という男に助けられた。文子は連城に好意を抱くようになるが、文子には婚約者の海軍士官・三村がいた。

井原西鶴が生んだけたはずれの好色男・世之介を、明石家さんまがアドリブも交えながらコミカルに描く。◆物語は、大店の若旦那・世之介が、こともあろうに人妻に惚れたことから始まる。親も黙認の廓あそびでは味わえない恋に、駆け落ちの覚悟を固めるが、結局女には逃げられ、勘当を言い渡される。しかしこりもせず女遊びを続けてさまよい、あげくのはてに盗人と間違えられて牢に押しこめられる。そこであの人妻と思わぬ再会をとげることになる。

食管制度に保護されてきた米作り、米の流通は、今どんな功罪を生んでいるのか、米の値段・流通・味を食卓からの発想で徹底分析する。（全３回）◆米屋が相次いで倒産している。食管制度のワクの中で商売してきたからである。スーパーは認可を受けず公然と米を販売し、産地からは宅配便で消費者に直接届けられる。またヤミ米もふえ続ける一方。現在、米にはどれだけの流通経路があるのか、そしてどれが正規の流通なのかを探っていく。

中国残留孤児の定義は「終戦時１３歳未満の者」に限られていた。そのため本人の意思で中国に残ったと見なされ、援助対象からも外されてしまった人々の戦後を追い、忘れられようとする中国残留婦人の問題を探る。◆そのほとんどは青春を旧満州で過ごした女性たちで、敗戦の混乱によってとり残されてしまった。遼寧省に住む張淑琴さん（日本名は沢田菊子、５７歳）は大連に生まれ、４歳で父母と死別して以後中国人と日本人の養父母に育てられて中国人と結婚した。終戦当時は１６歳、身元がわからないため日本への引き揚げもできなかったという。

ペンキ職人の三男、小学校６年生のたけしのガキ大将ぶりを中心に、下町の人間模様を描くドラマ。原作：北野武（ビートたけし）。（１９８６年７月２１日〜８月８日放送、全１５回）◆第１回。たけしは、学校と野球は大好きだが勉強は嫌い。書道塾へ週２回通うがチャランポランで母・真利子にしかられてばかり。たけしはクラスの美少女・弘子が好きになった。１０円玉を握っては弘子の駄菓子屋へ通う。学校の帰り、たけしは大介と荒川べりで船に乗った。ゆさぶると、もやい綱がとけ、川の本流に出た。夜になっても帰って来ないたけしたち。騒ぎが大きくなった…。

毎週日曜の朝に、岡山・香川県下の町おこし、村おこしにつながる新しい動きを、産業や観光の面から捉えて伝える。また、その週のホットニュースにもスポットを当てる。

双子の兄・洋一はアメリカン・フットボールのエースで、大学でも家でもスター的存在。一方、妹の小夜子は幼いころから落ちこぼれ、今は家を出てクラブのピアノ弾きをしている。洋一には良家の娘・慧子、小夜子には妻子ある男・田沼とそれぞれ恋人がいる。この対照的な二人の状況が一変した。洋一が優勝決定戦で転倒、せき椎を損傷して車イスの身体障害者になってしまう。突然の不幸を抱え込み悲嘆にくれる恋人や家族の中で、一人現実に立ち向かい、兄や家族を励ましつつ、生きる道を見いだしていく妹の姿をさわやかに描く。◆原作：草鹿宏「勇者に翼ありて」（１９８６年３月１５日終了、全４回）

“大物”を狙って張り切る女結婚詐欺師のコンビのまわりで巻き起こる騒動をコミカルに描く人気シリーズ５作目。◆結婚詐欺師の菊江（桃井かおり）と町子（竹下景子）は金持ちの集まるパーティーでコンパニオンのバイトを始めて一石二鳥を狙った。ある会場で福島県出身の高史（中村勘九郎）と出会って意気統合する。東京見物の面倒を見るなど世話を焼いて、郷里に招待させるのに成功。喜び勇んで訪ねた家は豪邸、そのうえ億という財産家。ところがその家にはすでに同業の土田（小林薫）が住み込んでいた。３人はお互いに協力しあうことを約束する。