現代っ子のホステスと彼女を見守る孤独な老紳士との心のふれあいを通して、人と人とのつながり、思いやりの大切さ、生きていくことの厳しさを描く。◆麻子は自分の店を持つことを夢見ているホステスである。店の常連客で元駅長の中原は、今は鉄道模型作りと週末に麻子に会うことを楽しみにしている。中原は麻子に店の資金の提供を申し出る。しかし数日後、麻子のもとに中原の訃報が届いた。

東京・上野の国立博物館で開催された「日本の考古学」展の展示品をたどりながら、日本の考古学の歩みと成果を紹介する。◆１８７７年（明治１０）、アメリカの動物学者エドワード・モースによる大森貝塚発見によって、日本の科学的な考古学研究がはじまった。その後各地から出土した縄文式土器・土偶などの調査によって縄文時代の人々の生活が明らかになった。群馬県岩宿の石器発見は、日本の文化が縄文時代をさらにさかのぼることを立証した。東京都文京区で出土した弥生式土器や福岡県志賀島で発見された金印などが考古学上の重要な手がかりとなり、日本の古代史研究は進んでいる。

過去の異性体験を探るため、恋人を棺桶にいれ“死亡あいさつごっこ”をする風変わりな恋人同士を描くドラマ。かつてのプレイボーイ・プレイガールが、自分がどれだけ愛されていたかを確かめて満足するために、死んだふりをしてかつての恋人を訪ね歩く。原作：樹下太郎「散歩する霊柩車」。

両手足のマヒというハンディキャップを背負いながらも、明るく青春時代を生きようとする少女の姿を描いたドラマ。幼いころ体の筋肉がマヒしてしまう病気にかかって障害を持つことになった尾形翔子は、ハンディに負けずに中学生活を送っていた。他のクラスメイトと同じように高校進学を希望したが、目標とする高校は彼女の入学を拒否、落胆する。しかし定時制高校に入学してはどうかとの話があり、クラスメイト、保護者たちの強力な支援もあって渋っていた高校もついに受験を許可する。（副音声解説あり）

北町奉行・遠山金四郎が町人に変装して悪の一味を退治する時代劇。六代目となる金四郎役を松方弘樹が演じる。原作：陣出達朗。◆浅草の博徒・風神の政（浜田晃）が島抜けして江戸に戻ってきた。危険を冒して戻ったのには理由があり、金四郎（松方弘樹）の調べで、政は数年前に箱根山中で起きた御用金強奪事件に関係していたことがわかった。金を埋めた場所に政が向かうと、そこで佐吉（加納竜）という男が小料理屋を開いていた。

桐は、中国ではおめでたい木とされてきた。軽く、筋目がよく、防湿性に富み、耐火・耐久性に優れているため、日本の国宝・重文級の書画のほとんどは桐箱によって保存されている。◆名工といわれた父の後を継いだ前田友斎は、国宝の『平家納経』など、すでに千点以上の保存箱を製作してきた。新たに重文『三十六歌仙・高光像』の保存箱の注文に応じ、桐の性質を最大限に生かした名人芸の妙技を披露する。

ヒマラヤ山脈にそびえるチョー・オユー山に挑んだカモシカ同人隊（隊長・今井通子）の登頂と、高橋和之隊員の山頂からのパラグライダー飛行の記録。◆標高８２０１メートル、世界第６の高峰チョー・オユー。１９８７年９月、１１人のトレッキング隊がこの山に挑戦した。高橋隊員のパラグライダー飛行は、気圧の低さや酸欠のために難航、５度目にしてようやく頂上から２５００メートル下へのベースキャンプ近くまで、約７分間の空中散歩に成功した。

演劇、映画、音楽、古典芸能などの世界から、その道の第一人者の至芸を紹介するとともに、その芸の秘密に迫る。◆この回は山田五十鈴さん。今までに公演してきた２５０の舞台の中から特に好評だった芝居を“五十鈴十種”として１０本選んだが、その中の「たぬき」「淀どの日記」にまつわる苦労を語る。また芸に厳しい両親の思い出や清元との出会いなど、彼女の芸の土台になったエピソードを披露する。聞き手は山川静夫アナウンサー。