患者に寄り添う医療を目指しながらも、こころざし半ばで病に倒れた若き医師が最愛の妻と子どものために書き残した手記を映像化した朗読ドキュメンタリー。◆１９７９年（昭和５４）、将来を嘱望された一人の青年医師・井村和清さんがガンのため３２歳の若さで亡くなった。井村さんには、１歳６か月の長女・飛鳥ちゃんと、二人目の子どもを身ごもった妻がいた。右足に発生した悪性腫瘍が肺に転移し、残された時間がわずかしかないことを知った井村さんは、今の自分が遺される者に与えうる唯一の贈り物として、妻と娘、そしてまだ見ぬ子に宛てた手記を綴りはじめた。番組は、井村さんが亡くなる直前まで書き続けた手記をもとに、真摯に医療に取り組み、最後まで優しさを失わずに家族を愛した若き医師の生きた証をたどる。

プロ棋士をめざす青年と子連れダンサーを主人公に、将棋の世界のきびしさと二人の愛情をコメディータッチで描いていく。（１９８１年６月２９日〜７月２４日放送、全２０回）◆第一回。将棋３段の根本信吾（川谷拓三）は、今、プロ棋士になれるかどうかの瀬戸際に立っている。９年間昇段できず、弟弟子に先を越されたうえに、密かに思いを寄せていた師匠の娘もとられてしまった。連敗続きの気を紛らわそうとふらりと旅に出た先で、ひょんなことから子連れダンサーの千草（根岸季衣）とめぐりあう。

昭和初期、首相専属の運転士を務めたひとりの男の証言でつづる、知られざる宰相像。バックミラー越しに見た首相たちの素顔を紹介するドキュメント。◆柄澤好三郎さんは元ドライバー。内閣総理大臣付きとして１９２７年（昭和２）から４８年（昭和２３）まで、２０人の首相を運んだ。その間には、５・１５事件、２・２６事件などのテロも身近に目撃している。田中義一から吉田茂まで２０人の首相の素顔とエピソードを、柄澤さんの視点から描いていく。

大学のゼミという設定で、“主任教授”司会の鈴木健二アナウンサーが各界著名人のゲスト解答者の“学生”に出題し、解答、説明、実証のやりとりで進行する教養クイズ番組。解答者は３人１組となり、４組が得点を競う。（１９８１年４月９日〜１９８８年４月３日放送）◆オープニングの「ウソ・ホント」クイズに続き、小学校の教科書・副読本から出題する「教科書クイズ」、歴史の意外な真実をもとに出題する「歴史クイズ」、日常性や今日性のあるテーマを掘り下げ、専門家のゲスト講師を迎えて出題する「ゼミナールクイズ」という構成。◆第１回はＮＨＫの人気番組の出演者たちがゲスト。「お好み演芸会」「お笑いオンステージ」「民謡をあなたに」「連想ゲーム」というそれぞれの番組チームに分かれての対抗戦。ゼミナールクイズは“塩と健康”を特集する。

１９０５年（明治３８）８月から９月にかけてアメリカのポーツマスで開かれた日露講和会議を軸に、新たな視点で近代日本の外交史を描いていく。（全４回）◆日露開戦から１年半。あいつぐ勝利にわきたつ国民とは裏腹に、国力を使い果たして戦争継続が不可能となっていることを知る政府閣僚は、戦争終結へのすべての期待をポーツマスでの講和会議にかけた。外務大臣小村寿太郎は、全権大使としてこの会議に臨む。その頃ヨーロッパでは日本の諜報員、明石元二郎を中心に、ロシア革命を援助して内部混乱を引き起こさせようとする活動が行われていた。その阻止のため、二世の女スパイ、ナターシャが送り込まれる。ニューヨークでは、金子賢太郎が大統領の協力をとりつけて対日世論好転につとめていた。

東京で生まれ育った少年、純が家庭の事情から父親の生まれ故郷・富良野に移り住む。家のすぐ裏手から広大な原生林がひろがり、電気もガスもなく、１杯の水を飲むにも沢まででかけなければならない原始的な生活がはじまる。純はとまどいながらも、北海道の大自然と、大地に足をしっかり着けて生きている人から、家族とは何なのか、生きていくとはどういうことなのか、愛とは何かを学んでいく。（１９８２年３月２６日終了）

箱根の山を走る登山電車の姿を描きながら、沿線の人々の生活と自然を紹介する。◆登山電車は、スピード優先の現代にも時速１５キロで走り続け、人々に親しまれている。ここに暮らす人々や箱根町立温泉小学校と子供たち、国産の新型車両「ベルニナ号」の走り、電車の周りに咲く、しだれ桜の美しさなど、春の箱根路を伝える。

校内暴力、家庭内暴力の問題が今ほど深刻な時代はない。原因はいろいろあろうが、何より家庭での子育てのあり方が問題の根幹なのではないだろうか。そうした世の親たちの悩みにこたえ、タレントの皆さんの家庭を例に、子育てについて考えるシリーズの第二弾。全２６回。◆第１４回は、東京オリンピックの重量挙げ金メダリスト・三宅義信さんに話を聞く。