西田敏行がさまざまな職業の男に扮し、男の切なさ悲しさを描く一話完結のシリーズ。（１９８６年１０月２１日〜１９８７年１月２０日放送、全１２回）◆第１話の主人公は、大工の親方・健一（西田敏行）。１９歳の娘・友美（有森也実）の結婚が決まった。健一から見ればまだ１９の娘。なぜこんなに早く嫁に行くのかと、健一は式の前夜に深酒して荒れる。翌朝、二日酔いの健一は結婚式に出ないと言いだし、妻の幸枝（野川由美子）を困らせる。

古くから日本の象徴として威容を誇る、富士山の山容を四季を通して紹介する。変幻極まりない富士の魅力を、多様な地点からの高速度・微速度撮影やビデオ技術を駆使してとらえ、霊峰富士の映像交響詩としてつづる。

東京国立博物館で開催された特別展「室町時代の美術」から、「唐もの」を中心に紹介する。◆「唐もの」とは、中国から輸入された美術品のこと。それらは南北朝時代から珍重されはじめ、室町時代になるとその飾り方が格式化されていった。というのも、伝統的な公家の文化に対抗する意味で、武家が「唐もの」を大いにもてはやす風潮があったからである。「唐もの」文化は、次第に日本の文化に取り込まれていった。茶の湯はその代表的な例である。解説は東京国立博物館の荒川浩和さん。

神奈川県横須賀市には、アメリカ海軍太平洋艦隊の母港である横須賀基地がある。航空母艦ミッドウェーが大改修のために、その第６号ドックに入った。本国以外で行われる初めての改修作業である。基地内の様子や先端の造船技術をもつ日本人改修作業員たちの声なども交えて、基地の街・横須賀の姿を伝える。

かつての恋人同士が再会し、不倫の愛を死によって全うさせようとする悲恋を描くドラマ。原作：高橋治。◆えり子（佐久間良子）と克亮（高橋幸治）は思いを寄せ合っていたが、誤解からそれぞれ別の相手と結婚した。それから二十数年。パリのセーヌ川のほとりで再会した二人は互いの本心を知り、えり子は「風の盆を一緒に見たい」と語る。そんなえり子の思いに応えようと、克亮は越中八尾に家を借りて待つ。

宮城県からカナダに移民した人々の足跡をたどり、今もカナダ各地で暮している日系人を取材する。◆１９０６年（明治３９）、冷害で貧困のどん底にあった宮城県東和町の村人８２人が新天地を求めてカナダに密航した。彼等はバンクーバーの南を流れるフレーザー川に浮かぶ小島に日本人の理想郷を築いた。サケ漁などに従事して得たお金を故郷に送り村の生活も救った。しかし太平洋戦争が始まり、日系人は強制移動、財産も没収され、日本人コミュニィティも消滅してしまう。

明治末期に来日、福岡市に私立学校を創設したバプテスト教会の宣教師チャールズ・ケルシイ・ドージャーの生涯を描く。西南学院創立７０周年記念番組。◆１９０６年、極東の小国日本は大国ロシアを破ったことで世界の注目を集めた。米国ジョージア州アトランタのバプテスト教会も日本に注目していた。神学校を終えた２７歳のドージャーは日本行きを決意、妻モードを伴って長崎の土を踏む。福岡に男子中学校を創設することに情熱を注ぎ、１９１６年４月、西南学院創立。しかし戒律に厳しく、安息日である日曜日にスポーツをすることを禁じて学生と対立し、辞任に追い込まれる。

ロシア人が母なる川と呼んだボルガ川を、源流から河口に至るまで５３日間の取材を通して紹介する。◆ボルガの源は、モスクワの北西２８０キロにある海抜３００メートルのバルダイ丘陵。白樺やモミに囲まれた湿原にわき出した水が深い森をめぐり、いくつかの支流を集めてやがて大河となって世界最大の湖・カスピ海にそそぐ。古来重要な交通路としての役割を担ってきたボルガは幾度も戦場となった。その沿岸の豊かな自然と苛酷な歴史、そして様々な民族の営みに出あう旅である。