神宿る島・沖ノ島。沖ノ島は、日本と朝鮮半島の間にある玄界灘のほぼ中央に位置する孤島である。現在も女人禁制、男子でも上陸する場合は、宗像大社の許可が必要で、全員が海岸で“裸の禊”を行う。全島が沖津宮の齊庭（ゆにわ）とされ、数々のタブーで守られている。沖ノ島の沖津宮、大島の中津宮、田島の辺津宮を総称して宗像大社と呼ぶ。少なくとも５世紀始め頃から大和朝廷の崇敬も篤く、天照大神を祀った伊勢神宮に対し、「裏伊勢」の信仰も伝えている。古代の祭祀には、拝殿も神殿もなく、巨岩・巨木の前に神霊を招く儀式のみで、珍しく素朴なこの儀式を宗像大社は「高宮祭」として現在も伝える。◆放送番組センター協賛番組。※２０１７年（平成２９）の世界文化遺産登録に際して、宗像大社は２０１８年以降、男女問わず研究者や神社関係者以外の一般人の沖ノ島入島を禁止している。

１９７２年（昭和４７）５月。沖縄の施政権が日本に返還されるのを機に、第２次世界大戦から復帰までの沖縄苦闘の歴史をたどるドキュメント。◆本土決戦の防波堤として多数の軍人・民間人の血が流れた沖縄は、１９５１年（昭和２６）に署名されたサンフランシスコ講和条約により、アメリカの施政権下に置かれることとなった。アメリカ軍は強引な土地収用で基地を建設し、米軍兵士による悪質な事故や事件も頻発。琉球政府の立法院はたびたび本土復帰決議をしたが実現せず、ベトナム戦争のためにかえって基地は強化された。そして１９７１年（昭和４６）多くの問題が残されたまま、沖縄返還協定が調印された。

幼児・児童を対象に、日替わりでさまざまな動物たちの特徴や習性、くらし方などを紹介しながら、大自然とそこに住む動物たちが深いつながりをもって生きている様子を伝える番組。案内役は、もりみどりと、４人組のデューク・エイセス。最後にデューク・エイセスが楽しい動物の歌を歌う。（１９７２年４月３日～全６５回）◆第１４回「つのくらべ　レイヨウ」。レイヨウやウォーターバック、オリックス、ウガンダコーブなどレイヨウの仲間の特徴を紹介する。

公害補償とは別の視点から、技術による自然破壊の代償の重さを考察する◆瀬戸内海には大小さまざまな島が点在し、美しい景観と豊富な漁業資源に恵まれていたが、昭和４０年代（１９６５～１９７４年）に沿岸部の開発が急速に進み、工場や家庭からの排水が流れ込んで海を汚染した。赤潮による被害も深刻であった。徳島大学の金野仁教授のグループは、四国を横断するトンネルを建設して、太平洋の海水を瀬戸内海に引き入れて浄化することを考えている。この研究を中心に、失われた自然を取り戻すためにどれくらいの費用がかかるかを試算する。

過疎の進む徳島の各地域から、そこに暮らす人々のさまざまな思いを伝える。◆漁業の町・由岐町では漁港の整備が進まず、豊かさと便利さを求めて町を離れる人々が増えた。診療所が閉鎖された海部郡川上で不安を訴える人。林業で持ちこたえようとする木屋平村。山が好きで、都会には住めないと語る若者。釣り橋を渡ってお嫁入りする東祖谷山村の婚礼風景など。

動物の死肉を食らうと人に嫌われるハゲタカ。しかし彼らも自然の調和を保つにはかかせない。ハゲタカの生態、彼らが生態系で果たす役割を紹介する。

明治期、作州（岡山県）津山に流れる吉井川の回そう問屋・兵庫屋を継いだ村田里ん。しかし中国鉄道（現在の津山線）敷設は、２００年の歴史と伝統を誇る稼業を根底からおびやかす。文明開化の嵐を前にりんの波乱に満ちた人生を描く。ポーラテレビ小説。原作：棟田博。（１９７２年１０月２日〜１９７３年３月３１日、全１５６回）◆第１回。維新の混乱の残る明治九年、岡山県・津山。りん（館野令子）の母はすでに亡く、維新に不満の父は出奔していた。祖父の村田弥兵衛（宮口精二）が奉公に上った屋敷に盗賊が入り、なんと追いつめた賊の１人は赤子をつれた出奔中の息子であった。弥兵衛は赤ん坊を連れて帰り、育てることにする。何も知らないりんは弟ができたと喜ぶ。

無実にもかかわらず強盗殺人事件の犯人にされた兄の弁護依頼のため、柳田桐子（植木まり子）は高名な大塚欽三弁護士（森雅之）を訪ねて、鳥取から上京する。しかし依頼は断られ、桐子の兄は獄死してしまう。桐子は大塚を逆恨みして再度上京し、バーに勤めながら大塚への復讐に燃える。原作：松本清張（１９７２年２月１４日～２月１８日放送、全５回）