尾瀬沼で山小屋を開き、自然保護に生命を賭けた親子３代。それは人間との闘いであり、自然との闘いでもあった。◆１９３２年、（昭７）春、町娘の明子（真野響子）は尾瀬で山小屋を営む、二代目・惣平（北大路欣也）に嫁いだ。朝三時半起床、自給自足、冬は３メートルを超える積雪と、山小屋の生活は厳しい。惣平は尾瀬の自然を守るため、ダム建設反対運動に奔走するが…。

世界中の人々の暮らしぶりや自然を紹介する、海外取材ドキュメンタリーシリーズ。全米写真家協会プロフェッショナル最高賞を受賞し、国際的にも評価された。（１９６６年１０月９日～１９９０年９月１６日、全１０００回）◆アンデス山脈のチチカカ湖に住むインディオたちは、トトラというカヤツリグサ科の水生植物を使って舟を造る。トトラは人々の食糧や家、また家畜の飼料ともなる。彼らはトトラで浮島を作ってそこで暮らしており、インカ文明を築いたケチュア、アイマラ族との抗争に敗れ、トトラの陰で生き延びたとも言われている。謎の漂流族と呼ばれるウロ族と共に暮らし、彼らとトトラ文化の結びつきを実際の生活を通して探る。

規制の不十分な食品添加物や農薬などについて農作物、水産物、輸入食物を主に取り上げその安全性を検証する。◆グルメ・ブームといわれる豊かな食卓を支えるのは食品。しかし消費者の目に見えないところに危険が隠されている。漂白剤でみかけの良い野菜、ホルモン剤を埋めこまれた輸入牛肉、薬づけの養殖ハマチ。日本人の食卓にのぼる食品の安全性をめぐって、生産・流通の現場を探査していく。

交通事故で重傷を負い、胸から下の機能がマヒしたままとなった女性が自らの努力と周りの人々の支えで絶望の淵から立ち上がる姿を通し、生きることの素晴らしさを描く。◆準ミス・インターナショナルにも選ばれ、モデルとして華やかな生活を送っていた戸沢ひとみさんは、婚約者との旅行から帰国した翌日事故にあった。幸せの絶頂にあった彼女を襲った不幸に、一時は死をも考えたという。しかし婚約者と母の献身的な愛と激励を得て、彼女は厳しいリハビリに取り組む。靴下の着脱に始まって腕の筋力をつけるためのバーベル上げ、車椅子の操作訓練。事故の約１年後には全国身障者スポーツ大会で車椅子の６０メートル走などで優勝し、２年後には晴れてウエディングベルを鳴らした。

千年の都・京都の繊維問屋の三女に生まれたヒロイン・悠（はるか）は、両親の愛の下に何不自由なく育つが、店の後継ぎのことで父に反抗して出奔。大阪で生きる知恵と情熱、そして恋人を得た後、戦時下の奈良で愛することの哀しみと人の心の深さを学ぶ。持ち前の才気とバイタリティーで、戦中・戦後の動乱期を駆け抜けた、たおやかな京娘の青春快走記。作：重森孝子。ＮＨＫ連続テレビ小説第３７作。（１９８６年１０月６日〜１９８７年４月４日放送、全１５０回）◆第１回は、祭りと絵が好きな明るい女学生・悠（加納みゆき）が、２人の姉を差し置いて店の後継ぎに指名されるてんまつを描く。

世界でただ一つ、被爆生存者の死因や病気の発生を追跡調査したデータをもつ放射線影響研究所の紹介、チェルノブイリ原発事故被災者にデータが活用される過程を描く。◆放射線影響研究所は、１９４７年（昭和２２）、米国トルーマン大統領の命令によって設立された。ソ連のチェルノブイリ原子力発電所事故被災者の治療に協力するため、研究所は世界唯一の被爆データをもとに被災者長期研究計画をまとめ、それをもとに西側放射線学者たちはソビエト政府への研究計画の提案書を作り上げた。放射線影響研究所の全貌を紹介し、提案書作成をスクープしたドキュメント。

１９８６年１月２４日、アメリカの無人探査機ボイジャー２号が、９年の歳月をかけ、太陽系第７惑星・天王星に接近、２９億キロの彼方から、多くのなぞに包まれている未知の世界、天王星の素顔を数千枚の画像に収め地球に送ってきた。番組は、約１週間に及ぶボイジャー２号の天王星探査のドキュメントとその成果を、ボイジャー２号の管制センターであるＮＡＳＡ・ジェット推進研究所からの衛星中継などをもとに紹介。目の当たりに見る天王星の姿、その数十本の輪の発見、衛星ミランダの表面を走る谷やクレーターなど、ボイジャー２号とともに、宇宙の神秘の世界を旅していく。

歴史的価値のある建造物を暮らしの場として生かしながら、文化財として保存もしていく。そのような活動に積極的に取り組んでいる函館市の様子を伝える。◆１９８８年（昭和６３）、函館市は「函館市西部地区歴史的景観条例」を制定した。これは歴史的価値のある建造物や町並みの保存・継承を目的とした条例で、市民が建物を建て替えようとする時は、市が補助金を出して古い形を生かすよう奨励している。番組では、現在も店舗や住宅として使用されている文化財を紹介しながら、市民生活と文化財保存の共存という新しい方法を提示する。