さまざまな産業から出る廃棄物。とりわけ有害性の強い廃棄物の処理について先進国の全てが頭を抱えつつ対応に動き出そうとしている。その中で日本の有害廃棄物の基準や処理の実情とその問題点、将来への対応策を考えるシリーズ。（１９８９年２月９日終了、全２回）◆１回目は日本における廃棄物の有害基準を検証する。日本で有害として規制される産業廃棄物はわずか８種と、アメリカの２５０種にくらべて極端に少ない。その背景には廃棄物の成分を企業秘密として明かさない企業の壁などがある。

琵琶湖に浮かぶ竹生島。日本古来の神道と仏教が交じり合い、日本独自の宗教思想を示す神仏習合の典型的な姿を残す竹生島。竹生島神社と宝巌寺は、渡廊で結ばれている。国宝の神社本殿と寺の唐門・渡廊は、豊臣秀頼が豊国廟の一部を移築したものといわれ、桃山様式と華麗な美術装飾を持つ。祭神は弁財天と市杵島姫命。また西国三十三所の三十番目の札所で、観音堂には多くの参けい人が集い、琵琶湖湖岸の人たちは永遠の水の恵みを祈る。◆【国宝】都久夫須麻神社本殿、宝厳寺唐門◆【重要文化財】宝厳寺の観音堂、渡廊

１２月９日の「障害者の日」に、障害者と健常者がともにささえあう社会の実現をめざして、障害者にまつわる問題を様々な角度から捉えて紹介。スタジオへ電話・ＦＡＸ・電子メールでの意見を募って考える。２部構成。◆第１部は、子どもたちと障害者とのユーモアのある対話や、障害者を近隣に迎えた人々の様子を子供の目を通して語る作品の朗読、見ることができない国宝に触れることのできた女性の「感覚ドキュメンタリー」を紹介する。

１９８９年８月１９日、日中の山男１１人が中国甘粛省の未踏峰阿爾金山（５７９８ｍ）の初登頂に成功した。未知の山を目指して日中の山男たちがくりひろげる人間ドラマを軸とした自然紀行、ヒューマンドキュメンタリー。◆日中合同登山隊のメンバーは秋田側２３人、中国側１６人で大半のメンバーが５０００ｍ級の山は未経験。ベースキャンプでの高度順応訓練、ルート工作、荷上げなど不安だらけの中で、登山隊は言語、習慣、民族の違いの壁を乗り越えて一歩一歩山頂へと迫る。

東西ドイツを隔ててきたベルリンの壁が１９８９年１１月９日、全面開放された。開放の１ヶ月前の西ベルリンの抱える問題や人々の生活を取材する。◆“壁”が消滅したからといって、東西対立の縮図ともいうべきベルリン市が抱える諸矛盾が解決されるわけではない。かつてのナチを思わせるトルコ人迫害など、知られざる素顔をリポートする。

半眼の眼差しとかすかな微笑み、温かく優しい表情の中宮寺・菩薩半跏像と、天寿国繍帳を、男性の表情を主なテーマとしてきた写真家の沼田早苗さんが訪ねる。◆斑鳩には法隆寺をはじめ聖徳太子ゆかりの寺が数多く残っているが、中宮寺もそのひとつ。太子の母・穴穂部間人皇后の住まいを寺にしたものである。本尊の菩薩半跏像は、太子が母を思って造らせたといわれる。穏やかで調和のとれた美しさは、飛鳥彫刻の美の頂点を示している。もうひとつ中宮寺に伝わる国宝、天寿国繍帳は、太子の妃・橘大郎女が太子の死後に造らせたものと伝えられる、日本最古の刺しゅうである。

命をささえる人体は、いかなる形と機能によって維持されているのか。身近ながらほとんど知られていない“人体”を小宇宙になぞらえて、実写・特殊撮影・コンピューターグラフィックスなどを駆使しわかりやすく解き明かすシリーズ。（全６回）◆私たちの周囲にはカビやバクテリアなどの病原菌が充満している。それでも病気にならないのは白血球やリンパ球などミクロの戦士が日夜、私たちの体を守っているからである。コンピューターグラフィックスと実写で、生命を守るミクロの戦士たちの見事な連係ぶりを描く。

尾瀬は福島・群馬・新潟の３県にまたがる標高１４００〜１６００メートルの山地湿原で、特別天然記念物（天然保護地域）に指定されている。番組は尾瀬の四季を映像と音楽のみで構成した映像詩。◆１年間、数十回にわたり尾瀬を取材し、雪解け水の流れの中に群落を作るミズバショウ、湿原を黄一色に染めるニッコウキスゲの盛夏、山々を彩る紅葉が一霜ごとに朽ちていく晩秋、そして風雪厳しい真冬の尾瀬など、一般にはなじみのない尾瀬の新しい魅力を紹介する。