横浜に日本初の近代水道を完成させたイギリス人、Ｈ・Ｓ・パーマーの足跡をたどり、大都市の水道の今の姿をリポートする。◆パーマーの孫にあたる樋口次郎さんと共に水源地・津久井湖に行き、当時の水路を見る。また、新しい水源地や新ダム建設地などを訪ね、急増する都市の水需要の様々な問題点を浮き彫りにする。

１９６６年（昭和４１）７月から放送され、日本中に“怪獣ブーム”をまき起こした「ウルトラマン」。この作品を世に送り出した男たちの物語。◆テレビ局のドラマ演出部を外された吉良は円谷プロ出向となる。円谷プロでは「ウルトラＱ」のあと番組としてウルトラマンの企画を進めており、吉良もその演出の一人に選ばれ制作が開始された。しかし吉良の演出はここでも波紋を呼び、特撮監督との意見対立が深まるとともに彼は次第に孤立していく。

日本経済新聞紙上で１９５７年３月に始まった「私の履歴書」テレビ版の新シリーズ。一時代を築いた人物が出演し、自らについて語る。（１９８８年１０月５日〜１９９１年３月２６日放送、全１２７回）◆辻村ジュサブロー：人形作家。１９３３年、中国生まれ。１９５６年歌舞伎小道具の＜藤波＞に入社、のち人形製作を行う。１９７６年芸術選奨新人賞受賞＜真田十勇士＞（ＮＨＫ）。ほかに＜新八犬伝＞（ＮＨＫ）など。

スリーマイルから１０年、チェルノブイリから３年。２１世紀に向けて、人類の最大の課題となった「原子力」についてあらためて考える。シリーズ２１世紀。（１９８９年４月５日〜４月７日放送、全３回）◆最終回は欧州各国の現状を報告する。チェルノブイリ事故による汚染のひろがりは欧州にも及び、各国は安全性の見直しを迫られた。スウェーデンでは１９８０年の国民投票により原子力発電からの撤退を決め、代替エネルギーの導入に迫られている。フランスは日本と同様に、エネルギー自給という安全保障のため推進をはかり、西ドイツは国をあげての調査研究を行って模索を続けている。

京都・北野天満宮を、作家の五木寛之さんが訪ね、天満宮の主神・菅原道真の生涯などを描いた北野天神縁起絵巻の魅力を探る。◆北野天神縁起絵巻は鎌倉時代初期の作で、全９巻、総延長は８０メートルに及ぶ。鎌倉時代に発展した似絵と呼ばれる写実的表現で、生き生きと描かれている。◆道真が人間界に現れて出世し、陥れられて失脚、失意のすえに神となって都の人々に報復する姿を、６巻を費やして描く。７、８巻は、地獄の様子を凄惨に描いた六道絵。９巻は下書きの絵をのちに継いだもので、絵巻は未完のままで終わっている。絵巻の作者が自ら描いた六道絵に引き込まれてしまったようだ、と五木さんは語る。

生徒の人気がないために自信を失っているきまじめで愚直な独身女性教師が、なんとか生徒の心をつかもうと努力する姿を描く。◆直子（泉）は雪江（中田）に五味（篠田）が好きなことを打ち明け橋渡しをたのむ。五味からプロポーズされている雪江の心境は複雑であった。雪江の性教育に対し学校側は雪江の処分を考えるが生徒たちは処分反対を叫ぶ。そんな中で直子の固かった考え方が少しづつ変わりはじめ、生徒の直子を見る目も変わってくる。（全２回）

１９８９年８月１９日、日中の山男１１人が中国甘粛省の未踏峰阿爾金山（５７９８ｍ）の初登頂に成功した。未知の山を目指して日中の山男たちがくりひろげる人間ドラマを軸とした自然紀行、ヒューマンドキュメンタリー。◆日中合同登山隊のメンバーは秋田側２３人、中国側１６人で大半のメンバーが５０００ｍ級の山は未経験。ベースキャンプでの高度順応訓練、ルート工作、荷上げなど不安だらけの中で、登山隊は言語、習慣、民族の違いの壁を乗り越えて一歩一歩山頂へと迫る。

娘をピアニストにしたい、それだけが夢の中年サラリーマンに汚職の罠が仕掛けられる。企業のスケープゴートに選ばれた男の悲劇を描く。原作：胡桃沢耕史。◆資材購入係の安田正一（山崎努）は、営業部長の畠中とともにコンピューター業者の西川から接待を受けた。安田の会社で導入しようとしているコンピューターの機種選定に手心を加えてほしいらしい。西川は安田に５０万円の寄付を持ちかける。ところがこの裏には巧みに仕組まれた罠があった。