７００万、８００万という発行部数を競う巨大新聞の間で、幅広い読者の支持を得て大阪にしっかり根付いている夕刊紙の世界を密着取材する。◆大阪の夕刊紙は現在７紙、総発行部数は２００万部。その中から二つの全国紙を除いた５紙がいわゆる大阪の夕刊紙、各紙とも市民の目の高さを重視した気取らない紙面づくりを目指す。ハイテクに流れず、手作りの味を残して大新聞にはない魅力を発揮している。そこで働く編集者や記者を取材し、その人気の秘密にせまる。

京都・北野天満宮を、作家の五木寛之さんが訪ね、天満宮の主神・菅原道真の生涯などを描いた北野天神縁起絵巻の魅力を探る。◆北野天神縁起絵巻は鎌倉時代初期の作で、全９巻、総延長は８０メートルに及ぶ。鎌倉時代に発展した似絵と呼ばれる写実的表現で、生き生きと描かれている。◆道真が人間界に現れて出世し、陥れられて失脚、失意のすえに神となって都の人々に報復する姿を、６巻を費やして描く。７、８巻は、地獄の様子を凄惨に描いた六道絵。９巻は下書きの絵をのちに継いだもので、絵巻は未完のままで終わっている。絵巻の作者が自ら描いた六道絵に引き込まれてしまったようだ、と五木さんは語る。

年間１万隻以上の船が行き交う国際貿易港清水。さまざまな国籍の船とともに多くの外国人が訪れ、町のいたるところに日本人が立ち入れない場所があり、まさに清水は“国境の町”である。この港で働く人、暮らす人を通し、清水港の知られざる素顔を紹介する。

独学で建築を学び、世界の頂点に立つ異色の建築家・安藤忠雄さんの都市づくりに賭ける情熱と素顔を伝える。◆安藤さんの設計した住宅、商業・公共建築を日本各地に訪ね、その代表作の水の教会（北海道・トマム）、コレツィオーネ（東京）、井筒邸（大阪）、タイムズ（京都）、こどもの館（姫路市）などを紹介し、現代の“都市づくり”に必要な建築空間とは何かを探る。

日本の三大庭園の１つといわれる、京都の修学院離宮。比叡山の山腹の谷川をせき止め広い池を造り、上御茶屋・中御茶屋・下御茶屋と立体的に構成された、後水尾上皇の雄大な山荘庭園である。徳川政権を不動のものとしたい二代将軍秀忠との確執から早く上皇となり、徳川氏と忍の一字で向き合った。離宮は、皇后だった東福門院の陰の力によるものが多い。桂離宮とは趣を異にし、上皇の心情が凝縮している。◆修学院離宮、仙洞御所、桂離宮、大覚寺、聖護院、光雲寺

若者を公募して「体験隊」を組織し、実社会にとびこんでもらってその体験をもとにスタジオで報告と討論をおこなう。（１９８７年４月１１日〜１９９０年３月１７日放送、全１３７回）◆この回（第９９回）は都会の豊かさの象徴ともいえる“シティーホテル”をテーマに、体験隊はホテルマンに挑戦する。関西新空港の施工以来ホテルラッシュとなっている大阪のホテルが仕事場。職種はさまざまでベルボーイ、ルームキーパー、宴会係などいろいろであるがそこに貫かれる精神はひとつ「お客様は神様」。豊かさの裏側をホテルから見る。司会は笑福亭鶴瓶。

農業を営みながらフォークソング活動を続けている須貝智郎さん。家族とのふれあいや各地でのコンサート活動の様子を通して、そのさわやかな生き方を描く。◆農業のかたわら、土の香りのするフォークソングをつくり続け、百姓シンガーを自称している須貝さんは、農業をとりまく厳しい状況にあって、土を耕す暮らしの中にこそ豊かさを見いだそうと活躍する。「土を耕すことは心を耕すこと」という彼の歌で、とかく沈みがちな東北の若者たちの胸に希望の灯をともそうと奮戦する。

瀬戸大橋の建設で、瀬戸内海をとりまく地域の状況は激しく動き始めた。検証・瀬戸大橋時代をメインテーマに、瀬戸内エリアの観光・経済などの新しい動きをタイムリーに伝える。（１９８８年５月７日～１９８９年９月３０日、全６９回）◆香川県の農業の置かれた厳しい状況、生き残りをかけた取り組みを伝える。