佐賀県藤津郡太良町中山地区に住む下川勘八さんは、炭焼き人生６５年。６歳の時、祖父に連れられて、初めて太良の山に入って以来、今日まで自然の中で過ごして来た。今では下川さん１人となった専門の炭焼は、妻のフデさんとの昔ながらの手作業である。体の続く限りこの仕事を続けるという下川さん、今日は元気に山に入っていく。

「女の人差し指」「眠る盃」などの向田邦子のエッセーをもとに、昭和中期の家庭と家族の心の中に起きたさざ波のような動揺を、良き時代の正月風景の中に捉えようとしたドラマ。太平洋戦争がすぐそこまで迫って来ていた１９４０年（昭１５）１１月、紀元２６００年式典の夜、軍人遺族の家の長女・文子は暴漢に襲われたが、連城という男に助けられた。文子は連城に好意を抱くようになるが、文子には婚約者の海軍士官・三村がいた。

日本一寒い町、北海道母子里（もしり）は冬の間２メートルを超える積雪とマイナス３０度の寒さが続く厳寒の地である。日本最寒の土地に生きる人々とその大切な足である鉄道の織りなす冬を記録する。◆母子里は１９７１年（昭和４６）から７５年の間にマイナス２５度以下を１００回、１９７８（昭和５８）年２月１７日にはマイナス４１．２度を記録している。この母子里のある幌加内町を縦に走り、名寄と深川を結ぶ深名線は日本一の赤字路線だが、雨煙別（うえんべつ）・蕗之台・白樺の３駅は全国で唯一冬眠する駅として知られている。

１９８６年（昭和６１）のスポーツ界の話題を振り返る、年末のスポーツハイライト。◆超新人・西武ライオンズ清原選手、し烈なセ・パの戦い、ワールドカップ・サッカーの英雄マラドーナ、ゴルフ３強時代、“新人類”横綱双羽黒、アジア大会での日本惨敗および韓国躍進の秘密、アマチュア崩壊元年ほか。

歴史的転換期にある日本が直面する政治・経済などの問題を、世界的視野で取りあげる大型企画。この３夜連続のシリーズは、日米関係をテーマに構成する。◆第３夜の第２部は、貿易黒字５００億ドルを抱え、国際社会で孤立化している日本が国際化するためにはどうすべきか。多数の識者の意見と、スタジオでの討論でさぐる。

世界各地の生き生きとした動物たちの姿をクイズ形式で紹介していく、新しいタイプの動物ドキュメント。司会は関口宏。（１９８３年４月１３日～１９９２年３月２５日放送）◆この回は、いつもは解答者席に座っている出演者たちがスタッフとして動物取材に参加するスペシャル版。島田紳助の「突撃レポート・サルに挑戦」、榊原郁恵の「ラッコの飼育係入門」、オオカミウオの孵化の映像を含む「流氷下の動物たち」、ライオン、レオパード、チーターの狩り風景を含む小林亜星の「サバンナを行く・大型肉食獣の狩りを見た」、フィリップ島とキングレイク国立公園からレポートする富田靖子の「愛のオーストラリア日記」、富山県・立山での年間完全取材「ライチョウの四季」、人工飼育された子ザルをサル山の群れにかえす「がんばれコロちゃん」をおくる。

日本に住む韓国・朝鮮籍の人々の８割は、結婚・就職をはじめとする多くの差別と偏見のために、日本名を名乗ることを余儀なくされてきた。本名、その日本読み名、日本名と３つの呼び名をもつ男性の生き方を通して在日朝鮮人の苦悩を描く。◆彼は子供の頃から日本名を使い、１５年前に日本人女性と結婚する際に日本国籍を取り、帰化した。しかし子供たちに「自分が何物であるかを包み隠さず語りたい。差別に負けず、胸を張って生きる人間になってほしい」と願い、日本名を捨てて生きる決心をした。

１月初旬から月末、２月下旬から３月中旬まで２度にわたって計４０日間、厳寒の知床を取材。すさまじいエネルギーと音を伴う流氷接岸に始まって、苛酷な環境をものともせずにたくましく生きぬく動物たち、氷雪のつくる自然の造形美、凍りついた滝、樹氷、ダイヤモンドダストなどを紹介しながら知床の自然の持つ厳しさ、美しさを描く。