いじめの根底にあるものは何か。出演する中学生自身が自分たちの本音をぶつけ合う“激論ドラマ”という新手法によって、大きな社会問題ともなっているいじめの実態と、その底に潜む子どもたちの心の荒廃を描いた。ドラマの舞台は、名古屋市のある中学校の教室。中学時代にひどいいじめを体験した女子高校生の手記を担任教師（川谷拓三）が紹介したのをきっかけに、いじめをめぐってクラス討議が始まる。

こだわった照明、録音で実力派の歌手の歌をじっくりと聞かせる本格的音楽番組。（１９６４年８月３１日開始）◆１１００回目を迎えた記念番組の一回目。出演者、曲目は以下の通り。高橋真梨子「桃色吐息」、岩崎宏美「聖母たちのララバイ」、西城秀樹「抱きしめてジルバ」、郷ひろみ「哀愁のカサブランカ」、全員で「アイ・ジャスト・コールド・トゥ・セイ・アイ・ラヴ・ユー」。大阪厚生年金会館大ホールより中継。

１９７７年、地球を離れた惑星探査衛星・ボイジャー２号は１９８６年（昭和６１）１月、３０億キロ離れた天王星に接近、迫力のある画像を送ってきた。天王星は氷惑星で、地球や火星のような岩石惑星と全く違う。１５個の衛星と１１本のリングを持ち、ミニ太陽系を形成している。太陽系誕生のシナリオを中心に、謎の惑星・天王星の素顔を紹介する。

紬織作家・宗廣力三の神奈川県南足柄市にあるアトリエを訪ね、紬織が出来あがるまでを紹介し、話を聞く。◆宗廣力三は１９１４年（大正３）、岐阜県郡上郡八幡町生まれ。３１歳の時、郷土の青年育成運動の中で紬織の研究を始めた。伝統の織に新しい手法を加え、郡上織を世に出した。１９８０年（昭和５５）南足柄市に移り住み、自然を生かした紬を織り続けている。

足利義満が奉納した、熊野速玉大社の宝物を紹介する。◆熊野本宮、熊野那智とならぶ熊野三山の一つ熊野速玉大社。ここには１３９０年の社殿造り替えに際して奉納されたおびただしい数の装束、丁度の類が保管されている。一部後世のものと思われるものもあるが、直衣（平安時代公家男子の平常家庭で用いられた服装）などの装束や桐唐草蒔絵手箱ほか１１個の手箱、染織、武具類など豊富かつ貴重な工芸資料である。漆芸家の中村弘子さんは、これら多くの国宝の中から様々な技法が駆使された蒔絵手箱にふれ、作られた当時をしのぶ。

障害者がその想いを綴った詩に曲をつけて発表する「であいのコンサート」で「こいのぼり」という曲が紹介された。詩を作ったのは筋萎縮性側索硬化症患者の男性。この詩も身体でただ一つ動くまぶたでのモールス信号で何時間もかけて奥さんに伝えられ、できあがった。彼の子供達への想い、そして父をやさしく見守る子供たちを描く。

１９８６年（昭６１）２月２５日、マルコス大統領が国外へ脱出したことにより、２０年間にわたったマルコス政権は崩壊した。この日の昼、マルコス大統領は就任式を行ったが、実は既にこの時、マルコス体制の終わりを覚悟していた。それでは、マルコス政権はどのような経過をたどり、何が決定的な要因となって崩壊したのだろうか。軍部の反乱、アキノ派の行動、そしてアメリカ側の対応などが、複雑に絡み合っている。このマニラとワシントンを舞台に演じられた政変劇を、さまざまな事実・証言によって検証した国際政治ドキュメントである。

ロシア人が母なる川と呼んだボルガ川を、源流から河口に至るまで５３日間の取材を通して紹介する。◆ボルガの源は、モスクワの北西２８０キロにある海抜３００メートルのバルダイ丘陵。白樺やモミに囲まれた湿原にわき出した水が深い森をめぐり、いくつかの支流を集めてやがて大河となって世界最大の湖・カスピ海にそそぐ。古来重要な交通路としての役割を担ってきたボルガは幾度も戦場となった。その沿岸の豊かな自然と苛酷な歴史、そして様々な民族の営みに出あう旅である。