一般公募された素人出演者によるミュージカルの製作過程をドキュメンタリータッチで紹介する。◆番組レギュラーメンバーである大平サブロー・高原兄のサポートはあるものの、芝居経験のない素人の出演者が、限られた３時間の中でどこまでできるのか。歌、振り付け、芝居と進んでいくレッスンを経て、真剣になっていく出演者たちの表情が、ひとつのことに打ち込むことのすばらしさを伝える。

小田原の伝統工芸のひとつ、佐波理による鋳物の研究と製作に半生を打ち込んできた柏木晴光さん（当時８０歳）を、小田原市中町の工房に訪ねる。◆室町時代の１４９５年、北条早雲の小田原進出築城以来、北条氏５代にわたるひ護の下、城下では職人たちがそれぞれ町をつくりさまざまな工芸文化を生み育てた。佐波理は銅に錫を加えた合金の一種。佐波理を用いた銅鑼や風鈴などの鋳物は天平の頃からその質感と音色の美しさが人々に好まれ、佐波理工芸は江戸時代に最も盛んになった。その澄んだ余韻を長く響かせるためには、材質や形だけでなく高度な技術が必要で、柏木さんの努力は続く。

“学校不適応”になった娘とその母親の物語を通して、義務教育の現状を追求する。（１９８９年１０月５日〜１０月７日放送、全３回）◆最終回。深夜の町で暴走族にからまれた娘・夏美を、母の史子は身をもって救う。親への信頼を取り戻した夏美は、黄色い髪を史子に切ってもらう。それは母子が再び親子の絆をとり戻した儀式のようであった。翌日、丸刈りになった夏美が学校に行く。娘のなかで何かが変わっていた。

奈良時代初期、左大臣でありながら謀反の疑いをかけられ自害した長屋王（〜７２９年）。その邸跡から発見された木簡の内容を解読し、当時の貴族の生活や藤原氏との確執の実態に迫る。◆邸内には家政を取りしきる役所があり、医者や私兵をも置いている。また当時は貴重品であった氷を取りよせるなど、当時の一級貴族の豪華な生活を窺い知ることができる。さらに木簡の中には「長屋親王」と記されたものもあり、長屋王は皇位継承権をもっていた可能性もでてきた。政治の実権を狙う藤原氏にとって、左大臣・長屋王は打倒すべき対象とされたのではないか。

野党提出の消費税廃止関連法案は、参議院で可決されたが衆議院では審議未了、廃案となった。自民党の見直し案は１２月１日まとまったものの、国会では審議されずに終わった。第２部は提言「税制改革」。各党の政策担当責任者のインタビューを交えながら、有権者が税制改革をどうするかを考える。出演は加藤寛、三好正也、高丘季昭、長谷川慶太郎、大内秀明、名井博明、中村紀伊、内橋克人、田中直毅、三塚博、伊藤茂、坂口力、中野寛成、工藤晃の各氏ほか。

　世界中の人々の暮らしぶりや自然を紹介する、海外取材ドキュメンタリーシリーズ。全米写真家協会プロフェッショナル最高賞を受賞し、国際的にも評価された。（１９６６年１０月９日～１９９０年９月１６日、全１０００回）◆世界には、約二千種もの発光生物がいる。今回は、発光生物の王とも言うべき、熱帯シンクロホタルを中心に、その研究に一生を捧げているプルーニン博士の姿を紹介する。博士は、このホタルがなぜ一斉に光を点滅する習性を持つに至ったかを解明した。南洋シンクロホタルを追ってマレーシアを旅し、シンクロホタルの珍しい生態を紹介する。

妻のがん宣告から始まったエリート商社マンの苦悩と試練の日々を描く。◆重夫は商社の営業課長仕事一筋の“会社人間”。単身赴任でここ１０年はほとんど海外暮らしをしてきた。ニューヨークから３年ぶりに帰国、部長昇格の内示を受けて張り切っているところに、妻・品子がガンの末期だと知らされる。重夫は昇格も出世も投げ捨て、幼い子供を残して死んでゆく妻のため、そして子供のためにすべてをかけようと決意する。

戦後間もなく、原爆の惨状を子供たちが綴った作文集が広島、長崎で出版された。その子たちもいま５０代を迎え、あらためて被爆後の半生を手記にまとめようとしている。新旧の手記から「原爆」を背負って生きた歳月を追う。◆長崎市山里小・中学校の生徒３７人の作文をまとめた「原子雲の下に生きて」は１９５９年出版。広島市内の小・中学生１０５人の文章をまとめた「原爆の子」は１９６１年に世に出た。それから４４年、「原爆の子」名簿の消息欄には、行方不明や死亡の記載が多くなった。新しい手記のまとめに入ったものの、「どうしても書けない」という声や、「被爆者、被爆２世と白い目で見られる」という声も寄せられている。