飛騨高山は６時半から朝市が立つ。農家の人たちによって四季折々の新鮮な野菜が売られている。◆オークビレッジでは、木を加工して、木工製品を作っている。また森林匠塾を開いて、木工の技術を教えるだけではなく、木そのものを深く理解させる目的で若木を育てさせている。◆一刀彫の組合では２０年前から植林を進めている。大きないちいの木は地元にはなくなってしまい、北海道から運んでくるという。木を育ててみて、あらためて消費するばかりではいけないという認識も高まったという。多くの緑に囲まれた飛騨高山には、木を消費するだけではなく、熱い心をもって木を育てる人がいた。

味噌屋の主人・吝兵衛はその名のとおり、ケチ。金がかかるからと嫁をもらわなかったが、周囲の勧めでようやく祝言を挙げた。やがて身ごもった嫁さんは里に帰って出産。吝兵衛はわが子の顔を見に行くことになった。泊まるかもしれないので留守中は火の元に気をつけるよう番頭に言い、出かけて行く。羽根を伸ばせると喜んだ奉公人たちは、ふだん口にすることのない料理を注文し、酒盛りが始まった。そこへ吝兵衛が帰って来る。

　１９９１年、香川県丸亀市に猪熊弦一郎の美術館が建てられた。８９歳の猪熊が自ら設計にも参加した美術館である。高松市生まれの猪熊は丸亀中学卒業後、東京美術学校で藤島武二に師事し、若くして帝展無鑑査となったが、古い美術界に飽きたらず、小磯良平、脇田和らと新制作派協会を設立し活躍した。後、パリやニューヨークにアトリエを構え、画壇に大きな影響を与えたが、自ら心血を注いだこの丸亀の美術館は、最大の遺作である。

１９８７年６月１日の放送開始以来、６０００回を超えて続く長寿ミニ番組。列車での旅を通して、美しい風景とそこに住む人々の生活を描く。◆今回は「ポルティコ」と題して、イタリア・ヴェネツィア・フィレンツェ・ラッダ・イン・キャンティの道のりを紹介する。

第二次世界大戦が終結間近の１９４５年７月。中立国スウェーデンのストックホルムから極秘情報を携え、日本へ向かう密使の２人を中心に、各国の思惑をダイナミックに描く。原作：佐々木譲。ドラマ「エトロフ遥かなり」の続編。（２週連続）◆第２部。原爆投下の情報を伝えるための密使となった森四郎（永澤俊矢）とポーランドの武官コワルスキー（イーゴリ・ワシレンコ）は、中立国スイスの日本公使館に着いた。しかし対応した書記官は事態の重大さを理解せず、逆に米国諜報部に電話を盗聴されて二人はソ連大使館に駆け込むことになる。しかし対日参戦で揺れるモスクワでも大使館に近づくことはできず、結局二人は満州行きを決意する。

正直者の若い百姓木津勘助が、材木問屋の娘と夫婦になる。娘は三千両持たされて嫁いで来たが、勘助はこれを困っている人のために用立ててしまう。さらに中州を開拓したり、木津川を浚渫（しゅんせつ）し、通る船から米五合の徴収が許されるなど、立派な大旦那になった。寛永の大飢饉の時、勘助は自分の米ばかりでなく、御用米の米蔵も破って飢えた人たちに分け与え、自分はお上に自首して出る。

骨髄移植で白血病を克服し、再発の不安を抱えながらも社会復帰した女性の闘病生活を通して、骨髄移植の現状を伝える。◆骨髄移植推進財団は、これまで４百件の移植で成功率６割の実績を上げている。白血病治療の最後の決め手、骨髄移植には患者とドナーの白血球の型が一致することが必須条件。しかし型が一致する確率は肉親でも高くはない。型の合うドナーがいなければ移植は受けられないのだ。

２１世紀には世界一の経済大国になるといわれ、世界の注目を集める中国。驚異的な経済発展と社会矛盾を同時に抱え、変革の波に洗われる中国全土を取材し、中国社会の深層を描くシリーズ。（１９９４年１０月９日〜１９９５年９月１０日、全１１回）◆総人口１億、その数５５にも及ぶ少数民族に、改革開放はどんな影響を及ぼしているのか。１９９２年新彊ウイグル自治区のウルムチと旧ソ連カザフスタンのアルマトイの間で開通した国際列車で旅しながら、国境地帯に生きる人々の生活と思いを探った。