家族サービスが大事であると、旅行の話から始まって、子供のこと、食べ物の話へと移って、ジンギスカン料理のやり方まで、途中で脱線したり、話が喰い違ってズッコケたり。シャベクリ漫才の面白さを充分に堪能させ、笑わせてくれる話芸である。◆「ジンギスカン料理」・作／西村博・夢路いとし・喜味こいし

上方落語は道中（旅の風景）のところで、おはやしが入る咄が多い。「天神山」でも主人公が花見に出かけるところで、鳴物が入る。変わり者の源助が、花見ならぬ墓見に行ったのが縁で、墓の主の若い娘と夫婦の縁を結ぶ。隣に住む独り者の男が、自分も幽霊の嫁を貰いたいと、裏の天神山に詣で、山の主の狐と縁組みをする。子まで生したが近所の人に狐の正体を見られ、亭主と子供を残してどこかへ消えてしまう。

こんぴら参詣の帰り道、兵庫から大阪までの乗合舟のはなし。乗客逹で賑わう舟が急に止まってしまう。フカが邪魔をして人身御供をしないと動かないと言う。一人の娘が飛び込もうとしたとき、ある男がフカに話しかけ、口を一杯開かせると、キセルにつめたタバコの火を口の中へ落す。フカは海中へ逃げ、舟は動きだす。驚いた乗客たちが商売を尋ねるとカマボコ屋だった。

作家・早乙女貢氏が福島県に関わりのある人物の足跡をたどり、その素顔を探るシリーズ。◆江戸時代の銅版画家・亜欧堂田善は、須賀川生まれ。日本の銅版画の基礎を確立した異色の人物とその作品を紹介する。

１５４９年、宣教師ザビエルによってもたらされた南蛮美術。信長の庇護の下、セミナリヨの工房に集まった若者たちによって大量に描かれた。ブランド志向の大名や領主に大いにもてはやされた。もとはキリスト教布教が目的の宗教画であったが、風俗を模写し拡大して屏風画が描かれるようになる。当時最高の狩野派も、南蛮屏風を描いた。しかし徳川幕府のキリシタン弾圧によって根絶され、わずか半世紀で東方ルネッサンスは夢と散る。◆「聖フランシスコ・ザビエル像」江戸時代初期、「泰西王候図」江戸時代初期、「長崎大殉教図」江戸時代初期、「マリア十五玄義図」江戸時代初期、「四都図、世界図屏風」桃山初期〜江戸初期、「南蛮人蒔絵鞍」桃山時代、狩野内膳「南蛮屏風」桃山時代

山口高女生１５０人は学徒特攻隊として昼夜２交替の労働を強いられ、１６歳の青春を「風船爆弾」の製造に明け暮れた。戦争の悲劇、愚かしさを訴える。◆「風船爆弾」は和紙をこんにゃく糊で張りあわせた直径１０メートルの気球に爆弾を吊し、およそ１万個を風に乗せて飛ばしアメリカ本土の直撃を図るというもので「ふ号」と呼ばれる秘密兵器だった。戦後４０年が過ぎて、爆弾を作った女性たちはこの風船爆弾がアメリカ本土に到達し、オレゴンの牧師夫人と子供６人が犠牲となり“オレゴンの悲劇”として語り継がれていると知った。

川村たかしの長編児童文学をドラマ化した北海道開拓の物語。明治、大正、昭和編の３編から成る。（明治編／１９９１年１０月５日・１２日放送、全２回）◆豊太郎との結婚生活は苦しいながらも幸福な毎日であった。フキは長女・あやを出産。畑仕事にも精を出す。が、そんな折、日露戦争のへ豊太郎が出征、やっと帰国した彼は体をこわし、畑に立てない状態になっていた。一家を支えるためフキは以前にもまして懸命に働き、寒さに強い水稲を育てようと必死になった。

中村主水、飾り職人の秀、時計師の夢次、御用首切り役の山田朝右衛門、百化けのお歌、中?の初瀬ら仕事人が、殺しを請け負い、人々の恨みを晴らす時代劇。必殺シリーズ第３０作。（全２１回）◆第１回「ねずみ小僧の恋人」。南町奉行の密命で仕事人狩りが始まり、夢次（中村橋之助）、お歌（光本幸子）、紋太（甲斐道夫）らが待ち伏せされる。一方、中村主水（藤田まこと）は、奉行所に並ぶ仕事人たちの遺体を複雑な気持ちで見つめていた。そんな折、大奥の中?でありながら仕事人の元締めでもある初瀬（酒井和歌子）が、主水に奇妙な仕事を依頼する。