蠣崎波響（１７６４〜１８２６）は、北海道松前藩主の五男で藩の家老職を務める傍ら画家でもあった。◆天分の画才があり１０歳で江戸に出、渡来人画家沈南蘋が創始した中国・西洋折衷様式の南蘋派に学び、のち円山応挙に師事して画境を広げる。写実に重点を置いた画風で、数多くの名作を残している。◆瀑布双鳩図〔個人〕、夷酋列像〔函館図書館〕、唐美人図、雁来紅図、夢蛤美人図〔函館博物館〕、蝦夷錦〔北方民族資料館〕、釈迦涅槃之図〔高龍寺〕

写真で「家族の役割」の変遷を追うシリーズ。この回は「老人」をテーマに撮り続ける写真家・田辺順一氏の写真でつづる。◆田辺氏は昭和３０年代半ばに、取材先の東北で開拓農民の老人の自殺が相次いでいることを知って老人問題に強い関心を持つようになった。高齢化と家族形態の変化の中で、地域や家庭での役割を失った老人たちの悲しみと苦悩を切り取った写真が多い。聞き手は作家の吉永みち子氏。

鳥宮實玄さん（県立歴史博物館館長）、筆内幸子さん（作家）、下出積與さん（明治大学名誉教授）が、石川の文化を語り合う。◆この土地は日本の中央で日本海に突出し、朝鮮半島、近畿地方、太平洋沿岸諸地域とのつながりから異国文化を受け入れてきた。これに山、野、海がほどよくまじり、冬は雪に閉ざされるという地域的特色が加わる。さらに、前田利家以来の平和主義、豊かな暮らしへの望みがあった。異国文化を変容し、再創造する力も強い。それが加賀文化をつくりあげてきた。

剣豪・宮本武蔵の半生、関ケ原の戦いから巌流島の戦いまでを描く時代劇。１２時間超ワイドドラマ。原作：吉川英治。（全六部・１３回）◆慶長５年９月、下克上の夢を胸に関ケ原の戦いに参戦した武蔵（北大路欣也）と又蔵は、落ち武者狩りを逃れて朱実らに助けられた。武蔵は一人で故郷宮本村に戻ったが、故郷の人々は武蔵に冷たく、追われる身となる。

第２次大戦中にアメリカの手で開発された核兵器が、戦後にソ連をはじめとする各国にどう広がっていったか、また朝鮮戦争やキューバ危機などの国際紛争や外交の舞台で核がどんな役割を果たしたかを描く。（１９９０年３月４日〜９日、全６回）◆第４回は、核軍縮をめざしたアメリカ・カーター大統領の夢とその挫折を描く。「新しい世界」を旗印に登場した彼は、１９７９年に米ソ間でＳＡＬＴ?（戦略兵器制限条約）の調印にこぎつけたものの、議会の反対、ソ連のアフガニスタン侵攻による関係悪化などにより条約は批准されずに効力を失った。

小児ガンに侵された息子の命はたったの６ヵ月。父と母は大自然の中で最期を迎えさせようとする。（１９８９年１０月２２日〜１９９０年２月２５日放送、全５回）◆第４話。吾郎（滝田栄）は、あと何ヶ月あるいは何日生きられるかわからない伸一（伊崎充則）に、山岳部時代の話をした。妻の秋子（原日出子）とも山岳部時代に山で結ばれたのだった。吾郎の古いアルバムを見てアルプスの峰々に思いをはせる伸一を見た吾郎は、秋子と一緒に伸一を山へ連れて行くことにした。

自然ゆたかな白山麓で、伊藤常次郎さんは今では珍しい焼畑でアワ・ヒエをつくり、炭を焼き、山菜や木の実を採る自給自足の暮らしをしている。８歳の孫との交流の日々をつづり、山村に伝わる先人たちの暮らしの知恵、自然の尊さ、人が自然と共に生きていく生活を詩情豊かに描く。

剣豪・宮本武蔵の半生、関ケ原の戦いから巌流島の戦いまでを描く時代劇。（全６部・１３巻）◆兄弟を討たれた吉岡一門は武蔵に恨みを募らせ、武蔵と一乗寺下り松で再び戦うことになった。７３人を敵に回した武蔵は、気付かないうちに二つの刀を手にして戦っていた。