障害者への差別や偏見をなくし、あらゆる場で真の仲間として受け入れる「開かれた社会」の実現について考える“障害者の日”特別番組。◆第１部「人間らしく生きたい」では、生きることに挑戦し、自己の可能性を広げようとする障害者の姿をドラマやドキュメンタリーで伝える。◆埼玉県の児童相談所で働く山内志保さんは、３年前交通事故の後遺症で車椅子の生活を余儀なくされた。自由できままな旅をしてみたいと長期休暇をとり、１週間の旅程で京都と宮崎へ向かう。中学校の修学旅行で訪れた思い出の京都、清水寺では階段や急坂にあえぎながらも自力で登っていく。障害に遭い、つらくても極力助けを乞わず自立の精神で旅をする山内さん、十数年ぶりに宮崎の祖母を訪ね涙を浮かべる。

剣豪・宮本武蔵の半生、関ケ原の戦いから巌流島の戦いまでを描く時代劇。（全６部・１３巻）◆吉岡流の門弟たちを叩きのめした武蔵は、当主吉岡清十郎を翌年再訪すると伝えて奈良へ向かい、槍で名高い宝蔵院の僧たち、さらに般若坂で浪人たちと戦う。そして、柳生の石舟斉を訪ねるが、己の小ささを悟って石舟斉には会わずに去る。

戦後４５年間続いたヤルタ体制のもとで東西に分断されていた中部ヨーロッパ。東西ドイツの統一を機に再び文化・経済面での絆を取り戻しつつあるこの地域を磯村尚徳キャスターが歩き、報告する。◆ウィーンを起点に、中部ヨーロッパをつなぐダニューブ川に沿ってチェコスロバキア、ポーランド、ドイツを見て回る旅。その先々で出会うのは酸性雨で枯れた森林や濁った川などの環境破壊と経済立て直しを急ぐ国々に深く入りこんだドイツ・マルクの強さだった。

構造不況の嵐が吹き荒れる鉄の町・室蘭の製鉄所を退職、札幌にやってきた男は仕事に情熱を失いバイクだけが生きがいだった。いろいろな職に就きながらも長続きしない夫に、妻子は幻滅し離婚の手続きを進めて北海道を去ろうとする。◆別れの日、夫は自らも参加するバイクレースに妻子を連れていく。妻子はそこに集まる人々のレースにかける思いを知り、男はレースに参加することで父親として男として立ち直っていく。

情熱の国スペイン。太陽の光あふれるこの国には人を惹きつけてやまない不思議な魅力がある。８５歳の画伯・杉本健吉もスペインに魅せられた一人である。彼をスペインへと駆り立てたものは一体何だったのか。巨匠ピカソが愛し、鬼才ガウディが生きたスペインで杉本健吉が発見したものは何だったのかを描く。◆１９９０年（平成２）９月、杉本画伯は、娘をはじめ９人の親しい友人、知人たちとスペインに旅立った。旅行は１年以上も前に計画されていたが、出発直前に画伯が駅で転倒して絵筆をにぎる右手を骨折したため延期されてきた。１年にわたる熱心なリハビリの結果、左手でも描けるほどに回復してスペインに向かった画伯は、バルセロナの街とそこに暮らす人々の姿を熱心にスケッチする。番組では、画伯がサグラダ・ファミリア贖罪聖堂、コロニア・グエル教会、ピカソ美術館を訪れ、ガウディ、ピカソ、ダリの真髄に触れる様子を描く。

幕末から明治にかけて活躍した西郷隆盛と大久保利通との友情と対立を軸に、日本の近代化に奔走した人々の姿を多角的に描く。ＮＨＫ大河ドラマ第２８作の総集編。「幕末編」「明治編」の２部構成。（１９９０年１２月１６日～１２月２６日放送、全４回）。原作：司馬遼太郎。◆第一部・前編「青雲の志」。１８４６年（弘化３）西郷吉之助（西田敏行）が二十歳、大久保正助（鹿賀丈史）十七歳のとき、イギリスの艦船が通商を求めて琉球に現れるという事件が起こった。その後も列強各国は日本へ押し寄せる。開国を迫られる状況のなか、西郷は藩主・島津斉彬に抜擢されて江戸へ上る。しかし斉彬の死とともに西郷は立場を失い、ついに奄美へ流される。代わって大久保が活躍の場を得た。

両親と離れてひとり暮らしをしている高校生の娘が、周りの大人たちのロマンスに巻き込まれたりしながら一人前に自立し、成長していく姿を描く。（１９９０年１０月１８日〜１２月２０日放送、全１０回）◆高校３年の山ノ内理子（宮沢りえ）は外国に行っている両親と離れ、２歳違いの叔母・秀香（西田ひかる）のマンションに住んでいる。秀香はアメリカ留学中で、理子は優雅な一人暮らしを楽しんでいた。ところがある日突然、この年若い叔母が恋人同伴で留学を切り上げて帰国、騒動が始まる。理子は奔放な叔母に振り回される。

日本経済新聞紙上で１９５７年３月に始まった「私の履歴書」テレビ版の新シリーズ。一時代を築いた人物が出演し、自らについて語る。（１９８８年１０月５日〜１９９１年３月２６日放送、全１２７回）◆犬養智子：作家。１９３１年東京生まれ。シカゴ・デイリーニュース東京支局勤務を経て、評論活動に専念する。主な著作に「わたしは女の子」（１９８１）、「女も七人の敵を持つ」（１９７３）など。