１５４３年ポルトガル人が種子島に鉄砲を伝え、日本でも銃が製造されるようになった。この製造過程でさまざまな障害があったが、その１つが銃身をとめるボルトの問題であった。これを、文献と堺の鍛冶職人の協力を得て再現し、鉄砲伝来にまつわる科学技術上の謎を解明する。

夫に先立たれたあと、姑に仕える一人の女性を主人公に、主婦の幸せ、本当の自由とは何かを問いかけるホーム・ドラマ。水木洋子の書き下ろし。（１９８１年１１月１０日～１９８２年４月２０日放送、全２４回）◆久しぶりに千巻（北林谷栄）が帰京。千巻は、将来、福山家の跡とりとなる武（川名浩介）が、こま子（池内淳子）のところへ入りびたるのは良くないという。あげく、武を行儀が悪いとしかったため、おびえた武が家出してしまった。上野の山でようやく武を見つけだしたこま子は、武をミツル（星野知子）に引き渡す。

令子が脳性小児マヒの息子・ひろしのいる森山の後妻となって１０年、苦労の多い日々ではあったが、ひろしも心身ともに大きく成長し、結婚したいといいだした。相手の女性も障害者であったため、二人には測り知れない困難が待ち受けていた。しかし若い二人は力を合わせてこれらを乗り越えていく。その姿に森山と令子は、生きていく素晴らしさ、夫婦の絆を教えられるのだった。原作：大森黎。

旅役者一座の３代目である７歳の少年。一座は西日本各地の温泉センターを次々に回っていく。そのため、彼は昨年の小学校入学以来７回も転校している。「少しだけのお友達」と出会い、そして別れていく。それでも芝居と学校に懸命。そして旅から旅への連続でマイホームを持たない旅役者一座。しかし、一座の家庭的な雰囲気は大家族の温かみがあり、親子のあり方を考えさせる。

自閉症児をもつ母親が書き綴った百数十冊のノートをもとに、１５年間の過酷なまでの闘いぶりを再現する。◆大分県大分市。市立中学の２年生、普通学級に学んでいる少年。彼は興味を持った事しか反応しない、気に入らないと奇声を上げるなど数多くの自閉症の症状を示す。基本的な生活習慣さえ覚えようとしない。母親は小さな努力の積み重ねでその厚い壁を乗り越えてきた。

落馬事故の後、厳しいリハビリテーションに取り組み、奇跡的に回復する福永洋一さんの姿と、彼の生命力を信じる家族の愛情をカラッとしたタッチで長期間にわたって記録したドキュメンタリー。天才ジョッキーとうたわれた福永洋一さん（当時３０歳）は１９７９年（昭５４）３月、宝塚競馬場で不運にも落馬し、医師から「治っても植物状態」と診断された。

イリアン・ジャヤ（インドネシア領ニューギニア）山中の孤立した大きな盆地・パリエム谷で、１９５０年代半ばまで完全な石器時代の暮らしを送っていたダニ族を取材し、再現や歴史資料を交えながら、最後の大酋長ウクメリックの一代記を描く。◆第１部は大酋長の幼少時代を描く。部族対立が激しく、畑で働くのも弓矢の戦士の護衛付きという往時が、リアルに再現されている。◆第２部、大酋長は生涯に３４人の妻を持ち、撮影時でも１２人が残っていた。実力あるウクメリックの人妻奪取とそれに伴う争いを再現する。悶着の原因も、それを解決するのも豚という社会である。妻たちの生の声が興味深い。またウクメリックの旧同盟軍で再現した部族戦争により、彼が敵を蹴散らしてバリエム谷南部の覇者となった経緯を示す。◆第３部、大酋長ウクメリックは、石器時代の最中に誕生し、成長し、部族戦争を勝ち抜いて、３万人近い同盟軍を率いる、南部バリエムの大酋長となった。そして、後にアメリカからのキリスト教布教団との接触にも重要な役割を演ずることになった。ウクメリックは一代のうちに石器時代から２０世紀までを駆け抜けたといえるだろう。

夫に先立たれたあと、姑に仕える一人の女性を主人公に、主婦の幸せ、本当の自由とは何かを問いかけるホーム・ドラマ。水木洋子の書き下ろし。（１９８１年１１月１０日～１９８２年４月２０日放送、全２４回）◆こま子（池内淳子）は亡き夫・武光の愛人・しず（市原悦子）の家を訪ねた。そこで武光の隠し子・武（川名浩介）に会った。しずは、武が武光の実子であるという認知だけをしてくれるよう要求。こま子はしずに母としての強さを見せつけられ、敗北感を覚える。ところがすでに武光は武を認知しており、遺産相続問題が起きてきた。