日本の海の玄関・横浜港と、横浜の町の知られざる部分を、船に乗って海の側から訪れ、探る。◆幕末の開港時には人口３００人ほどの小さな漁村だった横浜は、１９８６年現在３００万人都市となっている。横浜発展の歴史は、近代日本の発展の歴史でもあり、ほとんどの西洋文化は横浜を介して入ってきたと言っても過言ではない。現在でも、食品や工業原材料などの輸入品の多くは船で運ばれており、港と生活との結びつきは想像以上に深い。◆紹介するのは「生麦の朝市」「新港ふ頭の赤レンガ倉庫」「ソビエト・ナホトカと横浜を結ぶ客船」「石川町の漁師さん」「昭和７年の高級アパート・互楽荘」「ホテルニューグランド」「横浜家具の工房」「大さん橋の水先人（パイロット）」「中華街の紹興酒」「横浜オークション」「横浜ボートシアター」「柴町の漁港」ほか。

中国残留孤児の帰国が進められている中、この問題を振り返り、現在とこれからの問題を総合的に考えるシリーズ。（１９８６年９月１６日終了、全２回）◆第１回は、孤児と肉親との再会について、具体列を紹介する。

明治維新に出発した近代日本は、アジアの大国になりながら、昭和で敗戦の破局に至った。作家・司馬遼太郎氏がその昭和へ至る歴史を、明治・幕末まで遡って語るシリーズ。（全１２回）◆小村寿太郎は日露戦の戦勝に酔う国内の世論を背景に講和会議に臨んだ。が、日本に戦争継続の国力がないことを正確に知らなかった民衆は会議の結果に不満をもち、日比谷焼き打ち事件を起こす。第３回では、これ以後日本が道を誤って、庶民のソロバン勘定にもあわない帝国主義の色彩を強め、敗戦の破局にいたることを明らかにする。

不思議な国からやってきたロボット“ぼっくん”と、その仲間のロボットたちや小学生たちがハラハラドキドキの騒ぎを巻き起こす。原作：石ノ森章太郎。（１９８６年４月６日〜１２月２８日放送、全３９回）◆小学５年生の中山フミヤは、サッカーボールをなくしたことがきっかけで不思議なロボット“ぼっくん”と知り合う。ぼっくんは知蘭博士が作った知蘭ランドからやってきたという。もともとは動物とロボットが仲良く暮らしていた知蘭ランドだが、最近その仲が悪くなっていた。

一年間、テレビを中心に活躍した演芸界の芸能人を各部門から選び、新人賞・名人賞などを贈って精進をたたえる。◆最優秀新人賞はシティボーイズ、最優秀番組賞はさだまさし。特別賞は横山やすし・西川きよし、功労賞は柳家小さん。名人賞はたけし軍団、片岡鶴太郎、コント山口君と竹田君、オール阪神・巨人で、最優秀名人賞はサブロー・シローであった。第６回の花王名人大賞はビートたけしに贈られた。

評論家・立花隆が医療現場からのリポートなどを通して、死に対する新しいつきあい方を医学生とともにさぐるシリーズ。（１９８６年３月３日〜３月４日放送、全２回）◆第２回「死を迎えるための医療」では、末期ガンの患者を迎え入れるホスピスの実態を通して、死を覚悟した患者に対し、医師は何ができるか、また何をなすべきか問い直す。特に延命治療に対する質（クオリティー・オブ・ライフ）の医療について考える。

ＮＨＫとフランス・テレビ１（ＴＦ１）との共同制作により、世界最大級の美術館・ルーブル美術館の全貌を紹介するシリーズ。（１９８５年４月２８日〜１９８６年４月２０日、全１３回）◆第１２回は、革命前の１８世紀フランスに花開いたロココ美術を紹介する。典雅な画風のなかに哀愁を漂わせ、ロココ時代の開幕を告げたバトーから、奔放な筆致と鮮やかな色彩でロココ芸術の最後を飾ったフラゴナールまで、優雅で繊細な貴族趣味の世界を描く。

１９８５年度（昭６０）に放送した「ルーブル美術館」のアンコールの要望に答えて、ルーブルの名品を中心に再構成した。（１９８７年１月２２日終了、全１３回）◆第１回は「古代エジプト幻想」。古代エジプト人の残した石像やレリーフは、いずれも死者のためのものであった。死して後も、帰るべき肉体さえあれば、魂は再び戻り、死後も永遠の生命を得られると信じた。肉体を保つためにミイラを作り、故人の死後の生活を支える多くの副葬品を作ったが、それは今日、美術品として、私達を強くひきつける。