人間国宝・平田郷陽さんは、この道５０年になる衣裳人形作家の第一人者。その仕事場を訪ねて、製作にいそしむ姿を紹介する。（当時７１歳、昭和５６年没）平田さんは１４歳で人形師の父について人形作りの手ほどきをうけ、２２歳で父を亡くしてからは独学で古来の技術を学び、独自の手法を創り出してきた。「腹を立てないように心がけている。気持ちを和やかにしていないと、作品もそうならない。人形には和やかな精神がなくては」と、静かに語る。

「はい、スタート！」というシリーズは、２歳から５歳の幼児に動植物、自然、機械など自然科学の扱う対象を身の周りから毎回１つとりあげ、馬場のぼるの絵と実写とをミックスして、動植物の生態や自然のしくみ、機械道具のしくみを面白く分かりやすく見せる番組。その第２回目の「イルカ」は、水中哺乳動物で知能の高いイルカの生態を、さまざまな曲芸の訓練とその成果を通して描いたもの。

資源問題を中心に、食糧、人口問題を取り上げ、それが明日の人類に及ぼす影響を考えるドキュメンタリー・シリーズ。（１９７５年１月５日～３月３０日放送、全１３回）◆第８回は、フィリピン共和国が抱える諸問題について。フィリピンでは進んだ農業技術を用いた「緑の革命」と呼ばれる開発計画が実施され、コメの大幅な増産に成功した。だが一方で、首都マニラなど都市部をはじめとした急激な人口増加が問題となっている。国は小作農解放を含む新たな社会づくりのためのステップ、農地改革を強力に進める。限りある資源と増加する人口。東南アジアの一角で、フィリピンは新しい模索への道を歩み続けている。

人間国宝・宮入行平さん。還暦を越えてなお力強く槌をふるう刀工を訪ねて、作品に注ぐ情熱を描いた。（当時６２歳、昭和５２年没）「仕事がスラスラ進むと、仕上がりもよい」。３代続いた鍛冶の家に生まれた宮入さんは、「鉄は生き物。鍛えている時の火加減が大事。炎の色を見極めて、炭の中から取り出さなくてはならない」と語る。彼は無心にふいごを動かし、鉄を鍛える。鍛えられた鉄は、次第に刀へと変身していく。

昭和半世紀の節目にちなみ、５０年間の記録フィルムと関係者の証言で時代を分析し、昭和を動かしたものは何かを考える。（１９７５年４月６日～１９７５年１２月２８日放送、全３９回）◆この回は戦後日本の民主主義・デモクラシーについておさらいする。レポーターは加太こうじ。

日本の文化は、東洋と西洋の対象的なふたつの文化の影響を受けながら形成されてきた。古代における中国や朝鮮などの大陸文化の影響、１６～１７世紀にかけての西欧文化の流入など、歴史的にみると各時代それぞれに外来文化の種々の様式が混入し、特色を形成している。この番組は、日本における大陸文化、西欧文化の足跡をたどり、現存する日本文化の根源を探る。（１９７５年１０月７日～１２月３０日放送、全１３回）◆最終回のテーマは、外来文化と日本。

昭和半世紀の節目にちなみ、５０年間の記録フィルムと関係者の証言で時代を分析し、昭和を動かしたものは何かを考える。（１９７５年４月６日～１９７５年１２月２８日放送、全３９回）◆この回のテーマは日中１５年戦争の終幕、昭和２０年（１９４５）日本軍の中国に対する降伏調印式。レポーターは、いいだもも。

資源問題を中心に、食糧、人口問題を取り上げ、それが明日の人類に及ぼす影響を考えるドキュメンタリー・シリーズ。（１９７５年１月５日～３月３０日放送、全１３回）◆第７回は、アフリカの小さな島国・モーリシャスの人口問題について。急激な人口爆発を起こしたモーリシャスは、国を挙げて人口対策に取り組んでいる。かつてカトリックなど宗教団体は計画に反対していたが、徐々に姿勢を変化させてきた。しかし依然として、首都の港町ポートルイスでは人口増加に伴う深刻な失業問題に脅かされている。失業者は増加する一方で、改善の兆しは見えてこない。番組ではモーリシャスを例にして、全世界にしのび寄る人口問題、資源問題への危機感を伝える。