語り手自らが名作文学ゆかりの地を訪ね、風景やそこに暮らす人々に直接ふれることで、その作品世界を再認識してもらおうという文学紀行番組。第１集～４集まで制作・放送された。（第４集／１９７９年１０月６日～１９８０年３月２９日放送、全２６回）◆この回は、小川未明の「赤い蝋燭と人魚」（１９２１年）を取り上げる。女優の吉行和子が未明のふるさと越後高田を訪ね、ゆかりの地を巡りながら物語の背景を探っていく。童話としても知られるこの物語独特の世界観を、吉行自身がいつしか物語に入り込み、人魚のお母さんら登場人物にインタビューするという形で表現していく。それぞれの立場が明らかになるにつれ、人間のエゴイズムや身勝手さが浮き彫りになっていく。

ゼンマイもモーターもないのに、独りで歩くおもちゃ。２本足のおもちゃは、どうやれば倒れないでうまく歩くようになるか。足の形はどうするか。前後左右のバランスは、どうやってとるか。４本足では、どうだろうか…。こうして次第に進歩した動力なしの「歩くおもちゃ」の馬は、４本足を別々に動かし、首まで振りながら歩くようになった。正に「歩くおもちゃは進化をとげた」のである。

地球をヘドロの星にしようと目論む侵略者・ベーダーに、デンジ星の科学力を駆使してデンジマンが立ち向かう。巨大変形ロボットが初登場のスーパー戦隊シリーズ第４作。（１９８０年２月２日～１９８１年１月３１日放送、全５１回）◆第１回。３０００年前、へドリアン女王率いるベーダ―一族によって滅亡したデンジ星。滅亡から逃れたデンジ犬アイシーは、新たに地球をターゲットにしたベーダ―一族に対抗するため、デンジ星の意志を受け継ぐ若者たち赤城一平（結城真一）、青梅大五郎（大葉健二）、緑川達也（内田直哉）、黄山純（津山栄一）、桃井あきら（小泉あきら）ら５人によってデンジマンを結成する。

現在のガン治療の最先端をゆく技術や理論を紹介しながら、それらがいかに多くの困難を乗り越えて生み出されたものであるかをドラマチックに描く。多数の医師団の群像ドラマであり、その群像の象徴としての国立がんセンターがいわば主役。国立がんセンターの全面的協力を得て作られ、ガン治療のテーマに本格的に取り組んだ。

東京・神楽坂のとんかつ屋を舞台に、一つ屋根の下に暮らす４人の兄弟姉妹愛を描くホームドラマ。（１９８０年４月２４日〜１９８１年１月２９日放送）◆第一回「結納の日」。とんかつ「一村」の調理場を預かる平（まさる／宇津井健）は、店主である姉の糸（山岡久乃）と共に両親代わりとなって、年の離れた弟の寛（篠田三郎）と妹の友（長山藍子）を育ててきた。そんな４０歳を過ぎて独身の平に嫁が来ることとなり、結納の日となった。平は姉がまとめてくれたこの縁談を承知しているが、何となく気乗りがしない。一方、近所にある小料理屋の跡取り娘で、平の幼なじみである佐和（大空眞弓）は心中穏やかでなかった。

青春ものをテーマにアクションをプラスし、娯楽作品とした刑事ドラマ。（１９７２年７月２１日〜１９８６年１１月１４日放送、全７１８回）◆第４１４回「島刑事よ、永遠に」。女性心理とメカに強いが、やさしく繊細で“殿下”と呼ばれる島公之刑事（小野寺昭）の最後の活躍を描く。◆連続爆発事件が発生、黒姫興業の密輸に関係があるらしい。島刑事は出所後就職の世話までしてやりながら、行方不明になっていた今井を見つけた。今井が爆弾事件の犯人と思われる沼田と黒姫興業をつないでいるらしい。島は沼田を追うが、沼田は島を監禁、時限爆弾をセットし逃亡した。島の危機を知った今井は張り込みの中のスニーカーに知らせる。

進行性の「第四領域症候群」に侵され、死の影におびえながらも、闘病生活を続けている１人の女性の手記をもとにしたドラマ。原作：大石邦子。◆福島県会津。中西邦子（大竹しのぶ）は通勤途中に不慮の事故に遭う。邦子は身体のほとんどが麻痺しながらも、同じ病院に入院している青年・国分享（奥田瑛二）の強い愛に支えられ、絶望せずに生きて行こうとする。その姿を描きながら、生きることの厳しさと命あることの意義を問いかけていく。

「お達者ですか」を拡充した高齢者対象の情報・娯楽番組。月「当世あまから問答」、火「ハガキでこんにちは」、水「長寿列島北南」、木「作ろう語ろう」と、週を曜日替わりで構成した。（１９８８年４月１日終了）◆月曜の「当世あまから問答」は、神田山陽、柳家さん光の軽妙な老若問答を糸口にして、講師が、事象の背景や問題点を浮き彫りにする情報解説番組。この回のお題は「大学生」。