総数６０万点ともいわれるボストン美術館の日本美術コレクション。その中から近世の屏風の名作を選び東京で開かれた、美術展の様子を紹介する。◆今もなおその新しさを失わず親しまれ愛されているのは、尾形光琳の作品だろう。この美術展では『松島図』が展示され、その大胆な構図は現代感覚にも通じるものがある。この作品は、ボストン美術館のコレクションの中でも最高傑作の一つに挙げられている。

夫に先立たれたあと、姑に仕える一人の女性を主人公に、主婦の幸せ、本当の自由とは何かを問いかけるホーム・ドラマ。水木洋子の書き下ろし。（１９８１年１１月１０日～１９８２年４月２０日放送、全２４回）◆腕を脱きゅうした女の子が福山接骨院に運ばれてきた。幸子（志賀美佳）というその子は、こま子（池内淳子）の亡き夫・武光が外で作った隠し子の姉だったが、大人相手に悪態をつき、小遣いをせびるなどこま子らをあきれさせた。こま子は幸子の母に会おうとする。

かつては水量豊かで、人や物資の水運路であった太田川。木材を流した筏師たちが歌った流し唄を紹介する。◆戸河内町から可部に至る太田川本流の流域には森林が広がり、産出される木材は筏流しによって運ばれた。大正時代には川舟が３５０艘上下し、筏は１日平均１０組が下る賑わいであった。源流に近い奥地で切り出された材木は「筏場」や「筏浜」と呼ばれる箇所に集められ、筏に組み上げられて、広島へ向かった。筏流し唄は急流や早瀬では棹使いに忙しく歌う暇も無いが、流れが緩やかになると自然に口を突いて出た訳である。戸河内の唄に比べ、それより下の加計あたりの唄が更に緩調子なのも面白い。

１９７６年１月、韓国の南西部・新安郡の海底で青磁の花瓶が漁網にかかった。同年１０月、専門家による調査団を結成。これまでの調査で引き揚げられた遺物は青磁・白磁・青白磁などの陶磁器を中心に、１万６，０００点を越える。７００年前の船が積荷の陶磁器と共に沈んだものと断定。６回目の調査では日本の下駄と漆の器が発見され、荷を満載した船が中国から日本へ向かう途中で遭難したのではないかとの推測もされている。

　世界中の人々の暮らしぶりや自然を紹介する、海外取材ドキュメンタリーシリーズ。全米写真家協会プロフェッショナル最高賞を受賞し、国際的にも評価された。（１９６６年１０月９日～１９９０年９月１６日、全１０００回）◆現在のオーストラリアで最大の有袋類カンガルーも生れた時は体重わずか０．８グラム、体長は１センチにも満たない。人間でいえば未熟児の状態で生れた赤ちゃんは、目も見えず、耳も聞こえない状態で、乳の匂い目指して母親のお腹にある育児袋まで必死にたどりつく。カンガルーは牧場の草を大量に食べるため、その保護をめぐっては意見の衝突が見られる。

豊臣秀吉の死から徳川幕府の確立まで、天下分け目の関ケ原を延べ７時間で描く。ＴＢＳ東京放送創立３０周年特別番組。原作：司馬遼太郎。（１９８１年１月２日〜１月４日、全３回）◆第二夜は徳川家康と石田三成の対決の様相が深まっていく過程を描く。天下は東西両陣営にしぼられていき、そのために多くの女たちの運命も狂わされていった。

世界中の人々の暮らしぶりや自然を紹介する、海外取材ドキュメンタリーシリーズ。全米写真家協会プロフェッショナル最高賞を受賞し、国際的にも評価された。（１９６６年１０月９日～１９９０年９月１６日、全１０００回）◆雲南省の少数民族の三大祭りの一つ、タイ族の正月の水かけ祭りを取材した。１９７９年復活した。この番組では、元旦（太陽暦４月１３日）の朝の初詣、瀾滄江での竜船競争や、寺の境内での高昇（竹製のロケット）のうち上げ、２日の夜の孔明灯（熱気球）上げなど、タイ族の正月の信仰行事をつぶさに紹介する。正月三日目の行事は、“水かけ祭り”で、本来は川の水を汲んで仏像を清め、水をかけあって一年の幸せを祈るのだが、今日では若者が水をかけ合う遊戯として楽しんでいる。このタイ族の水かけ祭りには、タイ人の古い祭りの形式が残っている。即興詩人ザンハの歌や、“象脚踊り”仏舎利塔のまわりでの酒盛りの様子なども紹介。

太平洋戦争直前、日米関係の架け橋となった外交官一家の、数奇なエピソードをドラマ化。全２回。若き外交官・寺崎英成は、ワシントン在勤中にアメリカ人グエンと結婚。上海在勤中に一人娘のマリコが生まれる。やがて、歴史はこの一家に波乱と試練を与えた。日米開戦の危機の中で、マリコの名は外交戦の暗号に使われ、戦争への突入はマリコにとって両親の祖国同士の対決という悲劇をもたらした。