「ザ・カブキ」は、東京バレエ団の依頼でモーリス・ベジャールが「仮名手本忠臣蔵」を素材に振り付けた創作バレエ。演出も手がけたベジャールはベルギー２０世紀バレエ団の演出家。禅も体験した日本通で、彼が歌舞伎を見て感動して以来１０年間あたためてきたテーマだけに、作品に意欲がうかがえる。また、歌舞伎の衣装、形式、音楽といった要素と、どうマッチングさせて外国人にも理解できるようなバレエに仕上げたか、作品にその苦心のほどがよく出ている。音楽は黛敏郎が担当。東京文化会館で録画したもの。◆スタジオゲストは東京バレエ団芸術監督・溝下司朗、演劇評論家・藤田洋の両氏。案内役は後藤美代子アナウンサー。

歴史的転換期にある日本が直面する政治・経済などの問題を、世界的視野で取りあげる大型企画。この３夜連続のシリーズは、日米関係をテーマに構成する。◆第２夜は、日本の“経済”“政治”から“意識”“文化”にまで踏み込んだ、アメリカ人ジャーナリスト４人による「日本徹底取材記」。ＡＢＣの人気キャスター・スチーブベルの「閉鎖社会ニッポン」、女性リポーター、レベッカ・チェイスの「ニッポン・繁栄の代償」、そのほか「ジャパンマネーがやってくる」「我々は日本人になれるか」など、これまで日本人が当然と考えていた事象に外からの鋭い分析を加え、経済摩擦の背景にある、より大きなギャップを改めて浮き彫りにした。

茶道家元の後妻に入り、先妻の子供を育てあげたが夫との仲は冷えきっている女。やがて義理の息子が自分を想っていると知り、それを避けるように他の男に溺れてゆく。原作：立原正秋。◆直子（山本陽子）は京都の茶道大槻流の家元・信宗（平幹二朗）の妻。二人の間に子はないが先妻の子、信貞（山下規介）と徳子（南きよみ）がいる。他に茶屋の女にも子を生ませているが、直子と子を作ろうとはしない。直子は信貞と徳子を育てることに心を傾け、二人も直子を慕った。ある時、信貞の慕情が母としての自分に向いているのではないと知り、直子はひたむきな信貞の想いをさけるように知り合ったばかりの劇作家・深津（竹脇無我）におぼれていった。

小学生の男子女子がチームで対戦、“天才博士”が出題する勝ち抜き○×クイズに挑戦し、全問正解“天才賞”の人数を競い合うクイズ番組。（１９６７年７月２６日〜２００４年９月２５日放送）◆この回は放送１０００回記念として、かつて小学生の頃にこの番組に出場した父母と、現在小学生の子どもたちの、親子５０組による特別大会。司会は斉藤ゆう子。

しだいにぼけていき人間らしさを失っていく、老人性痴呆症の父を抱えた家族のとまどいと苦労を描く。◆福岡に住む元駅長良吉とむつの老夫婦を、長男の章吾がひきとることになった。良吉は東京見物にでかけて迷子になり、その頃からボケが始まる。医師には治療法のない老人性痴呆症だと診断され、介護が始まる。妻の圭子は心身ともに疲れ果て、孫たちは祖父を嫌がるようになる。◆製作：読売テレビ、東宝映像

各界で活躍する女性を対談ゲストに招き、桂三枝の話術で本業の時には見えない顔を引き出すトーク番組。（１９８０年３月２０日〜１９８７年３月２９日放送）◆土井たか子社会党委員長をゲストに迎える。大のパチンコファンだという土井さん、番組冒頭で、三枝からパチンコ台を形どったケーキをプレゼントされて大喜び、話題は、政治の話、趣味から恋愛や好きな食べものにまで広がっていく。

国宝や重要文化財など約２万点の大名道具を収蔵している徳川美術館（名古屋市）。その収蔵品の中から４０点余りを紹介する教養番組。美術品の魅力をあますところなく紹介するほか、それら美術品が作り出された技法や時代背景なども多角的に解説していく。

画家の平山郁夫さんが、新薬師寺を再訪し、長年関心を持ち続けてきた十二神将像を紹介する。◆新薬師寺本堂内の円形土壇上に、本尊薬師如来を囲む形で安置される日本最古の十二神将像。１２体のうち宮毘羅大将は昭和の補作。各像が憤怒の表情と威嚇の姿勢を示すが、その表情は東大寺法華堂の執金剛神立像（国宝）に比べ、かなりおだやかに抑制されている。１９１２年（明治４５）の修理の際に、因陀羅大将の台座裏に「天平」の墨書が発見され、これらの像が天平年間（７２９〜７４９）の造立であることが確認された。