長野県南部、深い山々に囲まれた天龍村坂部では昔ながらの伝承が今も生活の中で生きている。その一軒の記録である。◆古い家系を持つ大杉家では、丹念に書き留められた行事メモがある。山中に孤立したようなこの集落では、ほとんどの行事は家と村との両方で行われる。縁起を尊び、神に加護を願うことで災害を避け、作物の実りを多くし、子供の無事な成長を頼む。伝承された風習が、神と対話する暮らしの上に成り立つのである。◆祇園まつり〔長野県〕、盆行事、９月の祭り、松迎え、若水汲み、垢離とり、ふゆまつり、松送り

名もない庶民から天下人に上りつめた豊臣秀吉の波瀾の生涯を描く１２時間ワイド時代劇。◆後に豊臣秀吉となる日吉は、尾張国中村の貧しい農家に生まれた。日吉の父・弥右衛門は戦になれば兵として戦場に赴き、日吉に「男たるもの天下を語れないようではいかん」と語るのだった。そんな父が、戦から負傷して帰ってくる。その頃、吉法師（後の織田信長）はうつけ者と呼ばれ、竹千代（後の徳川家康）は人質として不自由な生活を送っていた。

清和源氏の流れを汲み、十代二百三十年のあいだ続いた武家の名門・今川氏。しかしその姿は徳川三百年の下にうずもれてしまっている。戦乱の渦巻く時代、長く栄えた今川一族の謎を探る。（１０月８日〜１２月２４日放送、全１２回）◆戦国三大文化とは、越前一条谷の朝倉文化、周防山口の大内文化と、駿河の今川文化をいう。駿河の島田市で鍛冶屋の家に生まれた宗長は、今川義忠の小姓として仕えたのち京に上る。当代随一の連歌師宗祇のもとで修行して高名な連歌師となり、全国の有名大名に招かれる暮らしの後今川七代氏親に召し抱えられて文化の向上に貢献する。

“古紙回収”を生業としている男。友達から「町内の天ぷら屋の竹さん家に泥棒が入った。竹さんは刺されて死んだが、泥棒はすぐに捕まった」と聞いて驚く。実は、「入った家が天ぷら屋だから“あげられた”」という落とし噺。ひっかかった男は、さっそく誰かに試してみようと飛び出して行く。◆上方落語の「阿弥陀ケ池」を東京風に改作したもの。

アメリカ総領事ハリスと唐人お吉の恋物語で知られる下田は、そのお吉が身を投げた「お吉が淵」が、今や、桜の名所となっている。毎年、お吉の命日の３月２７日頃には大島桜が満開になるという。松崎町は、行き交う船が嵐を避ける「風待ち港」として栄えてきた。山の斜面では露地栽培のマーガレットの収穫作業中の女性に話しを聞く。松崎の町に懐古的な情緒を醸し出すなまこ壁、左官職人・長八の独特の芸術の世界は「伊豆の長八美術館」で紹介される。

婚約者にだまされて貧乏のどん底に落ちたものの、ラーメン屋台を武器にたくましく夢を持ちながら生きていく女性を描く、ラーメン・サクセスストーリー。（１９９５年６月１２日〜７月１３日放送、全２０回）◆結婚式を控えた智子（荻野目洋子）は、婚約者に自分の貯金やカードを持ち逃げされた。人間不信になった智子を、屋台のラーメン屋のおやじ・今野は励ます。今野が急死し、智子が屋台を継ぐことに。ホステス・みどり（水野真紀）の紹介で、智子は大手の大黒屋チェーンでラーメンの修行を積む。智子は隣に住む史郎（時任三郎）が作るラーメンの味が忘れられない。◆解説副音声あり

栃木県北部、高原山の裾に広がる塩谷町の秋を代表するのは、コシヒカリと菊の花。他に特産としては高原大根やなめこもある。菊の栽培は昭和３０年頃に始まり、その後、減反対策として農家は菊作りに力を入れた。今では、栃木一の菊の産地になっている。◆高原山の山中には、国の名水百選にも選ばれている尚仁沢湧水がある。高原山の頂上近くの畑で高冷地野菜として知られる高原大根が収穫される。なめこの生産所でもこの名水を利用し独特の風味を出している。

全国のユニークなミニ博物館の展示物を、わかりやすくおもしろく紹介しながら、博物館を生んだ「風土」「産業」「人物」などを交えて構成する。◆「雄勝硯伝統産業会館」は６００年の伝統をもち、藩政時代には伊達藩の庇護を受けた雄勝硯の資料館。硯職人たちの技術と硯文化を広く紹介するために、町が建てたもので、開館は、平成２年５月。地元の「雄勝硯」だけでなく、日本各地の硯や中国、韓国の硯等凡そ２５０点が展示されている。