愛と美の女神・ヴィーナスは、他面「繁殖」のシンボルとして見られる。世界各地のヴィーナス像を、地母神信仰を見る。◆海の泡から生まれたエーゲ海の娘・『ミロのヴィーナス』、繁殖を象徴する女神としてリンゴを持ち花園を歩く、美と繁殖のヴィーナス。リンゴは東では稲に変わる。我々にはより具体的である。美女の代表ではなく、大地の生産力、女性の産む力の女神が地母神である。聖なる木の下の、樹下美人もまたヴィーナスである◆ミロのヴィーナス〔フランス〕、カプアのヴィーナス〔ギリシャ〕、バールベックのヴィーナス〔レバノン〕、マコンデ族のヴィーナス〔タンザニア〕、ヴィレンドルフのヴィーナス〔オーストリア〕

　世界中の人々の暮らしぶりや自然を紹介する、海外取材ドキュメンタリーシリーズ。全米写真家協会プロフェッショナル最高賞を受賞し、国際的にも評価された。（１９６６年１０月９日～１９９０年９月１６日、全１０００回）◆セレンゲティ国立公園は百万頭を超すワイルドビースト（ウシカモシカ）を中心に、世界で最も動物の多い所である。そこは、地上最後の野性の楽園であり、多くの草食獣、肉食獣が、思い思いの生活を謳歌している。タンザニア、セレンゲティ国立公園を空から訪れ、百万頭をこすワイルドビーストの大移動と、その大群を追う肉食獣たちの生態を、長期に渡り追いつづける若き動物学者夫婦の研究を通して描く。

昭和半世紀の節目にちなみ、５０年間の記録フィルムと関係者の証言で時代を分析し、昭和を動かしたものは何かを考える。（１９７５年４月６日～１９７５年１２月２８日放送、全３９回）◆この回のテーマは特別高等警察。レポーターは小中陽太郎。

びわ湖の東岸にある金剛輪寺及び福田院の、それぞれ趣の異なる庭を紹介する。金剛輪寺は、作庭の時代が違う３つの庭をもつ。南庭は桃山時代の様式、垂直に組んだ滝の石組をもつ東庭は江戸初期の蓬菜山式山水、また北庭は山すそを使った豪華な滝の石組に江戸中期の様式が表れている。いずれも四季折々の採りをもつ。これに対して福田寺の枯山水の庭は、敷きつめられた白砂も土に埋もれている。夜の庭にライトを当てて、２段の滝をかたどった石組、三尊石組、亀の石組を浮かび上がらせる。日本庭園の演ずる視覚的ドラマ。◆放送番組センター協賛番組

世界中の人々の暮らしぶりや自然を紹介する、海外取材ドキュメンタリーシリーズ。全米写真家協会プロフェッショナル最高賞を受賞し、国際的にも評価された。（１９６６年１０月９日・１９９０年９月１６日、全１０００回）◆アマゾンのシングー川流域に住む諸族のひとつ、シュカラマエ族。大人たちは下唇に木の円盤をはめ、棍棒を持って暴れまわり「怪人族」とも呼ばれる。少年の唇に穴をあけ、木の枝を挿し込む成人式は６年に１度。その祭りの為の弓矢でのバク狩り、祭りで行われる精霊や猿・アリクイの面をつけ仮装をして舞う踊りなどを紹介する。「怪人」たちは新たに誕生した部族の戦士と共に精霊を呼び、会食して男の歌を歌う。

昭和半世紀の節目にちなみ、５０年間の記録フィルムと関係者の証言で時代を分析し、昭和を動かしたものは何かを考える。（１９７５年４月６日～１９７５年１２月２８日放送、全３９回）◆この回のテーマは、戦時中の空襲と民間防衛。レポーターは高田敏江。

資源問題を中心に、食糧、人口問題を取り上げ、それが明日の人類に及ぼす影響を考えるドキュメンタリー・シリーズ。（１９７５年１月５日～３月３０日放送、全１３回）◆第８回は、フィリピン共和国が抱える諸問題について。フィリピンでは進んだ農業技術を用いた「緑の革命」と呼ばれる開発計画が実施され、コメの大幅な増産に成功した。だが一方で、首都マニラなど都市部をはじめとした急激な人口増加が問題となっている。国は小作農解放を含む新たな社会づくりのためのステップ、農地改革を強力に進める。限りある資源と増加する人口。東南アジアの一角で、フィリピンは新しい模索への道を歩み続けている。

「科学の目」を持って世界を紹介する、科学ドキュメンタリー番組。（１９７５年４月６日～１９８６年１２月２８日）◆オーストラリアの東部、クィーンズランドの海岸線には、豊かなマングローブの森がある。そこは陸と海との出合いの場所であり、潮が様々な栄養分を運んで来てくれる生命の宝庫である。入り組んだ海岸の沼地で、太陽の恵みを受けて、うっそうと生い茂るマングローブの森こそ、生き物たちの守り神。しかし、開発の名のもとにマングローブの世界を破壊し、生物の息の根を止めようとしているのが現状である。