バードウォッチングで出会った女性と、亡き妻の妹との間で恋に悩む男を描くドラマ。（３月１８日終了、全１０回）◆大作は４年前に妻を亡くした。趣味のバードウォッチングに出かけた大作は、初心者の文子と出会う。二人は来週も来ようと、木に目印のハンカチをくくりつけた。文子は離婚して３人の子どもがいる。自分の時間を楽しむために、日曜はバードウォッチングに出かけることにしたのだった。一方、大作はハンカチのことを亡き妻の双子の妹・初美に話す。初美は「幸せの黄色いハンカチ」とからかいながらも、雨が降ることを祈る。主題歌：Ｅｒｉｃ　Ｃｌａｐｔｏｎ「Ｗｏｎｄｅｒｆｕｌ　Ｔｏｎｉｇｈｔ」

「見えない世界」だった超ミクロの世界が、顕微鏡の進歩により明らかになってきた。物質を構成する最小単位の原子が織りなす小宇宙を、最新鋭の顕微鏡映像とＣＧを駆使して表現する科学ドキュメンタリー。（１９９２年１月２６日〜３月２９日、全３回）◆第２集では躍動する生命が舞台。地球上の生命すべてが共通して持つＤＮＡの複雑な機能や蛋白質の巧妙な働きなど、精密機械のような生命の秘密。ミジンコやＴ４ファージなどを最新の電子顕微鏡映像でとらえ、そのメカニズムの驚異を伝える。

観世音菩薩、あるいは観自在菩薩を正式名とする観音様は、その名のように世の中の音を聞き、救いを求める人々の声を自在に聞き届ける仏だという。求めに応じてさまざまに姿を変える。その多様な観音像が古来から日本各地に点在し名品を温存させている。飛鳥の虚空蔵菩薩をはじめ長谷の観音、若狭小浜の十一面観音など、時と場所、状況によって異なる観音像の造形の妙と存在の意味などを求めて、観音信仰の不思議とすそ野の広さを巡る◆【国宝】観音菩薩立像（聖観音像）〔薬師寺〕◆【重要文化財】虚空蔵菩薩立像〔法輪寺〕、金銅観世音菩薩立像〔観心寺〕、聖観世音菩薩像〔金龍寺〕、十一面観音菩薩立像〔羽賀寺〕

１９世紀半ば、イギリスのロイヤル・アカデミーの保守性に反発した画家の集団・ラファエル前派（Ｐ．Ｒ．Ｂ．）の、若いグループの軌跡を追う。リーダーであるロセッティの女性探究の遍歴を中心に、個性あるそれぞれの人生の岐路を跡づける。神話を題材に女性を表現したロセッティの絵は、当時留学中であった夏目漱石をもとりこにした。ロセッティの芸術性のほか、思い思いの道を歩んだメンバーの、若き情熱と人生の処し方の違いや軌跡を比べる。◆ダンテ・ガブリエル・ロセッティ（１８２８〜１８８２）「聖母マリアの少女時代」「我は主の婢女なり」「プロセルピーナ」「ベアタ・ベアトリクス」「ロンセロット卿の幻想」「七塔の調べ」「白日夢」最終作

　楽をして金が儲かる商売なんてのはないが、商売にもコツはある。夜なきうどんを売るのにも、時と人を見てやると案外うまくいくときがある。と流していると、酔払い客が来て一人でしゃべりまわし、揚げ句、水を呑んで帰ろうとする。夜更けなので低い声でお代を請求すると、客は「お前も風邪をひいたのか」とオチがつく。

箏の新しい合奏法に焦点を当て、合奏の魅力を探る。◆共に宮城道雄の曲であるが、『春の海』では構成をＡ−Ｂ−Ａ´、『瀬音』ではテンポを急−緩−急−緩−急という形にして曲に変化を持たせ、あるいは尺八を独立させたり十七弦を使うなど、合奏に魅力を加える工夫がされている。曲に情景描写を持たせて、分かりやすく楽しむ努力もなされている。◆「春の海」箏沢井忠夫、尺八三橋貴風、「瀬音」十七弦菊地悌子、坂井敏子。◆副音声は英語

彫刻の名人、左甚五郎が旅の途中の掛川城下で、名物猫餅の本家争いに負けたという茶屋に立ち寄る。その経緯を聞いて、甚五郎は猫餅の名の由来となった猫を彫ってやる。この猫は客が餅代を猫の足元に置くと、猫が代金箱にその金を入れる仕掛けになっており、これが評判となって茶店は勢いを取り戻す。名も告げずに旅立った彫刻師が実は甚五郎だったとまた評判になり、話を聞いた殿様がその猫を買い上げたという人情ばなし。

千数百年の歴史を誇る奈良の伝統工芸にスポットをあて、その技と心を訪ねる。伝統工芸の源は正倉院の御物にあるとされ、現代の奈良の職人はその技術を習得し乗り越えようという心意気に燃えている。精緻な寄木細工の木画の木工芸、舞楽の面打ち、塗師の作り出す奈良漆器、奈良の鹿角を材料とする工芸、麻を基本とする奈良晒と蚊帳など、この町を流れていった伝統の重みが、人気の少ない奈良の裏通りに今も息づいていることを証左する。旅人は渡辺文雄。◆第１１１２回　◆興福寺【国宝】木画銀線象嵌経筒納曽利面鳳凰文様硯箱奈良公園