ＪＮＮ九州沖縄７局の合同企画シリーズ。九州沖縄地方の豊かな自然や古来からの歴史、多彩な文化など、かけがえのない郷土の遺産を後世に伝える。１９９７年から２００２年まで全３５本を放送。◆沖縄本島からジェット機で５０分のところにある石垣島。芸能の島とも呼ばれ、数多くの民謡が人々に親しまれている。石垣島川平（かびら）は黒真珠の養殖で世界的にも有名なところで、川平湾は観光の名所にもなっている。黒真珠の養殖は１９１４年から始まり、さまざまな人々の苦労の結果、１９７２年に成功した。その川平湾からわずか５分ほどの所にある石崎には、ダイバーたちがマンタ（オニイトマキエイ）との遭遇を求めて一年中訪れる。番組では川平湾の黒真珠の養殖と、海中を舞うマンタの華麗な姿を紹介する。

舞踊を上方では「舞」、江戸では「踊」と呼ぶ。どう違うのかを上方舞の人間国宝、吉村雄輝さんに語ってもらう。「舞」は平面上をなめらかに動き、おだやかで意図的なものであるのに対して、「踊」は躍動感にあふれるものといえる。座敷舞踊の「舞」は、内面的で一人称表現なのに対し、「踊」は劇場の舞踊であり、外向的で多様表現を目指す。吉村雄輝さんは、「舞」の心を一人で舞い続け、気を抜くところがないと、苦心を語る。◆「京鹿子娘道成寺」・中村歌右衛門（重要無形文化財保持者）、「座敷舞道成寺」「鐘ヶ岬」・吉村雄輝（重要無形文化財保持者）、「鐘の岬」・高濱流光妙。◆副音声は英語

脱サラ刑事の青島を主人公に、刑事たちを組織としての警察で働くサラリーマンという新たな視点で描き、事件だけではなく警察組織が抱える様々な問題にも斬り込んだ異色の刑事ドラマ。脚本：君塚良一。（１９９７年１月７日～３月１８日、全１１回）◆第１回。営業マンから警察官に転職した青島俊作（織田裕二）が、念願の刑事となってお台場にできた新設の湾岸署に赴任してきた。意欲に燃える青島だが、デスクにいるのは恩田すみれ（深津絵里）だけ。変死体発見の知らせにかけつけた青島は捜査に加わろうとするが、ベテラン刑事の和久（いかりや長介）に「初動捜査は機捜に任せるもの」と教えられる。大事件は「本店」（警視庁）に仕切られ、「支店」（所轄署）はサポートばかり。早速、室井警視（柳葉敏郎）の運転手を命じられ、納得のいかない青島だった。

老人の恋とその苦悩、挫折、怨みという重いテーマの作品である。能としては異色とされる「恋重荷」を二部に分けて鑑賞する。宮廷の庭師の老人が白河院の女御を見て恋をする。噂を聞いた臣下が、庭の石「恋重荷」を持って千度廻れば…と言い、老人は持とうとするが重くて持てず、口惜しがって憤死する。「恋重荷」とは宮廷の歌言葉であったが、それを知らず真にうけた老人と、貴族の文化の差が残酷さを生んだのである。◆「恋重荷」・シテ片山九郎右衛門、ツレ片山伸吾、ワキ福王茂十郎、アイ茂山千作、（妙佐型）大槻文蔵。◆副音声は英語

明治維新前後に活躍した薩摩（鹿児島）の群像を描く◆浜崎家は代々、指宿（いぶすき）で商業を営んでいたが、７代目で傾いてしまった。８代目浜崎太平次は、子どものころは畑に落ちているイモを拾って生活の糧にしているほど貧しかったが、１４歳のころから商才を発揮。やがて、造船、貿易、海運などで財をなし、薩摩藩の命を受けて密貿易も手掛け、当時の日本でも一、二を争う大富豪に成長した。太平次は藩の財政立て直しに貢献、飢饉の際には米の蔵を開放するなど庶民にも尽くした。

１９９７年１０月～１２月に放送された金曜ドラマ「青い鳥」のダイジェスト版。本編の再編集に加え、主人公たちのその後をサイパンロケで描く。◆１９歳になった詩織と再会し、彼女と結婚した理森は、南十字星が見えるサイパンに渡った。そこにたどり着くまで辛酸をなめた二人は、この地でささやかな幸福を得る。女の子も生まれ、詩織のお腹の中には理森の第二子が宿っている。平凡な生活の中で理森と詩織は、人間にとって幸せとは何かを思いめぐらすのだった。

奈良ゆかりの芸術家や職人をジェフ・バーグランドが訪ねインタビューするドキュメンタリー。◆書道家・今井凌雪さんは、「書道は古典的どころか前衛的な芸術」で、「書は不思議なもので、書く人の全てがそのまま表れる」と言う。今井さんは薬剤師の子として奈良市に生まれる。中学の時に書と出会うが、飛行機が好きで陸軍航空隊に志願。しかしその間も書のことを忘れることはなかった。戦後、立命館大学で書の道を歩み始める。昭和３７年（１９６２）、日本書道代表団として中国を訪れ、時を超えた本物の魅力に感激する。その後、黒澤明監督の映画「乱」「夢」のタイトルでその実力と名声は大きく広がり、昭和６２年には日本芸術院賞を受賞。書は絵でもなく単なる文字でもない、黒と白の抽象芸術と考えている。

“三矢の教え”で知られる毛利元就の生涯を、彼を取り巻く女性たちの視点から描いた大河ドラマ（１９９７年１月５日～１２月１４日放送、全５０回）の総集編。（２日連続、全４回）◆息子たちの不和を収拾し、宿敵である出雲の尼子をくだした元就。ついに毛利家は西国最大の戦国大名となった。