「ふるさと紀行」は放送３５周年を迎えた。このシリーズは懐かしい唱歌、童謡など心に残る歌のふるさとを訪ねて日本列島を縦断する。◆『夏も近づく八十八夜』と唄われているように、八十八夜が近づく茶どころは、野にも山にも若葉が茂る。静岡県の大井川沿い、金谷町、川根町、中川根町、本川根町を結ぶ、いわゆる川根路は、日本一の茶どころ。町の至る所に茶畑が広がり、五月の風が吹き始めると野や山は鮮やかな緑に染まる。

米作りの過程の節目節目で農家の人々は稲が無事に成長するよう祈ってきた。稲自体に霊魂があり神が宿ると考えてきた。離島などでは、失われゆく儀礼が今も大切に受け継がれている。◆奄美大島の龍郷町では、稲の神は海の彼方の理想郷からやって来ると信じられ、年の初めに町総出の盛大な祭りを行う。長崎県の対馬では、頭仲間という輪番制で稲の原種の赤米を作り、独特の儀式を行う。奥能登地方では、家長が水田から田の神を家に迎え、馳走を供え丁重に敬う。◆取材地は鹿児島県奄美大島、長崎県対馬、石川県奥能登。

ＮＨＫ連続テレビ小説第５８作「天うらら」（１９９８年４月６日～１０月３日放送）の総集編。大工を目指す川嶋うららの成長と奮闘を通して、女性という枠に捕われない生き方、職人の世界、老人介護の問題を描く。原案：門野晴子。（全４回）◆総集編・第１回。昭和４５年（１９７０）冬、栃木県日光市で暮らしていたうららの家族は、父の死をきっかけに、東京・木場で工務店「大滝組」を営む祖父母と暮らすことになった。しかし、母・朝子（原日出子）と祖母・ハツコ（池内淳子）は犬猿の仲で、祖父が亡くなると再び大滝家を後にした。１０年後、骨粗鬆症で骨折したハツコを朝子が引き取ることになる。うらら（須藤理彩）は人手に渡ってしまった大滝組の再興を願い、大滝組で修行した松匠の良治（小林薫）に弟子入りする。

スーパーマーケットの都市郊外新規出店をゼロから担当する開発部に送り込まれた男の視点から、スーパー開店最前線の舞台裏、そこにからむ人間模様を描くドラマ。（１月１０日～２４日、全３回）◆経営コンサルタントを名乗る村野が、商店街存続のためＮＥＯＳ大型店の進出に反対。同じチェーンの店長である橋場は苦しい立場に立たされる。一方、次長の大介は本社開発部に異動になった。部長の小倉と先輩・黒田の下で働きはじめるが、土地をめぐるライバルチェーンとの争いが市長選にまで絡んでいる事実に驚く。そして大介は地元商店街の反対運動の沈静化を命じられる。

翁（式三番）は全てにおいて古風な様式をもち、「能にして能にあらず」と言われる。面、謠、囃子を中心に鑑賞する。能の根本になる曲でストーリーがない。面が神体と見なされ演奏は祭そのものと考えられる。翁、千歳、三番叟の三人が平和と豊作をことほいで舞を舞う構成で、能が神事芸能であったころの古い演出が残っている。演者がお神酒をいただいてから舞台に向かうのも神事として扱われてきた流れであろう。◆能『式三番』／観世清和二十五世、観世左近、金春信高、茂山忠三郎。◆副音声は英語

横浜港警察署を舞台に、冷静沈着な行動派刑事・鷹山（タカ）と直情径行のはみだし刑事・大下（ユージ）がコンビを組んで事件に挑むアクション刑事ドラマの特別編。メディアミックスの２部構成で制作され、このＴＶスペシャルから映画へとストーリーが続く。日本テレビ開局４５年記念作品。◆借金を背負った大下（柴田恭兵）は、ひそかに警備員のバイトを紹介してもらう。ところがその仕事には国際手配中の凶悪犯・城島が絡んでいた。一方、鷹山（舘ひろし）は一日署長のアイドル・明日香の警護を担当する。

「勝てば天国、負ければ地獄」「知力・体力・時の運」をキャッチフレーズに、様々な形式のクイズで参加者をふるい落としながらアメリカ大陸を横断していくクイズ番組。１９７７年から年１回で続いていたが、惜しまれつつ終了していた人気企画の復活版。日本テレビ開局４５年記念番組・ネッツトヨタスペシャル。（２夜連続）◆第１夜。東京ドーム〜成田空港〜グァム〜ハワイ〜サンフランシスコ。出演：Ｍｒ．ウルトラクイズ福留功男、敗者の味方・徳光和夫、スタジオ司会は伊東四朗と松本明子。

新潟県の雪深い村にある寺で、認知症の症状の出始めた８５歳の父（前住職）を介護する住職夫妻の日々の姿を描く。◆かつて６０年間住職をつとめ、日本初の有線放送を村中に広めるなど、名僧といわれた父が認知症になった。夜中の徘徊、暴力など突発的な行動、そんな父親を夫妻は優しいまなざしで介護を続ける。