山形県羽黒町手向（とうげ）地区で毎年大晦日に夜を徹して行われる松例祭（しょうれいさい）では、町の男たちが二手に分かれて稲わらで編み上げた大きな松明を焼き払い炎の勢いの大きさで新年の豊作と豊漁を占う。松聖とよばれる各代表の長老二人は、１００日間、精進潔斎の勤行を勤め上げねばならない。その間、縄ない、綱打ち、疫病神のつつが虫にみたてた大松明づくりなど、村々では男女総出の共同作業がつづく。元日の朝、松聖を勤め上げた家の軒先に、大松明の曳き綱が高々と掲げられる。

ベルンはスイスの首都。１９９８年の元旦。昇る朝日の光が、アルプスの山々の影を、空に広がる雲に映している。実に珍しい眺めだ。この地でも希に見る現象だそうなので、必見もの。◆ベルンは１２世紀に貴族が建設した街で、貴族の館が軒を並べているのがおかしい。メインストリートの、庶民には欠かせない水汲場の石の着色彫刻も笑わせる。◆尖塔の高さが百メートル以上もある、聖ビンセンツ大聖堂の彫刻、「最後の晩餐」も見逃せない。

小学生を対象に、熊本県内各地域に伝わる民話を紹介する。◆この回は「木山のえんまさん」「俵山のむかで退治」。

横浜で生まれ育った女優・五大路子がライフワークとして取り組む一人芝居「横浜ローザ」（作・演出：杉山義法）を軸としたドラマ仕立てのドキュメンタリー。◆全国３０ステージを越え、大きな反響を呼んでいるこの芝居のモデルは“ハマのメリーさん”と呼ばれた実在の女性。肌を白く塗り、白いドレスを着てヨコハマの街に立っていた彼女は、時代の生き証人だった。彼女を知る人へのインタビューと、一人芝居の舞台を織り交ぜて彼女の半生を描き、現在の繁栄の裏側にあるもうひとつの戦後史を伝える。

カナダの最東端、ニューファンドランド島のランス・オー・メドー。スカンジナビア半島からバイキングの一部がたどりついたのは１１世紀。当時の住居跡から鉄器が発見された。近くには鉄を含んだ沼鉄鉱も見つかる。その後、バイキングは先住民との戦いに敗れ、姿を消した。◆グロス・モーンは地球の歴史を物語る。テーブルランドは、マントルにあった岩石が突き上げられて固まったものだ。グリーンポイントでは、アメリカ大陸とユーラシア大陸が分断される地殻変動が見られる。◆グロス・モーン国立公園、ランス・オー・メドー国立歴史公園

１９８７年６月１日の放送開始以来、６０００回を超えて続く長寿ミニ番組。列車での旅を通して、美しい風景とそこに住む人々との生活を描く。◆今回は、「国境の街」と題して、フランス・ピレネー山脈への旅（ペルピニャン・モン・ルイ）を紹介する。

ビルの屋上から転落して死んだ女は妊娠していた。定年間近のベテラン刑事が、まさに世に羽ばたこうとする若手指揮者を追う。壮麗なオペラの世界を背景にしたサスペンスドラマ。（１月７日～２月４日、全５回）◆刑事である青野由吉の自宅に、竜頭亮の姉・和代が訪ねてきた。弟を追いつめないでほしいと頼む和代に、青野は惹かれていく。一方、冬美子の転落死以来姿をくらましていた彼女の男友達・岬正夫の部屋に亮の名前の入った公演のポスターを発見した青野は、二人が何らかのつながりを持っていると知る。冬美子のお腹の子が自分の子でないと青野から聞かされた亮は、なぜかひどく動揺する。

盲目の声楽家である新垣勉さん（４５歳）は沖縄生まれ。父はラテン系アメリカ人、助産婦の過失により失明、父母の離婚、失踪。天涯孤独な彼を支え続けたのは歌だった。そして、その歌が今、多くの人々を勇気づけている。◆新垣さんは全国各地で「おしゃべりコンサート」を開き、悩める人を励ましている。今年の夏、新垣さんの故郷沖縄訪問と、群馬県の植蓮中学校を再訪する様子を追跡取材した。彼の生き方を通して、真の幸福とは何かを考えていく。